ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシの幼稚園 その5 「お勉強」

2009-05-15 | ベラルーシ生活
 このまま幼稚園でのお勉強についてご紹介します。
 幼稚園ですが、学校のように黒板が取り付けられ、子どもが座る席も劇場のように全部前を向いています。
 ちなみにベラルーシでは茶色の黒板が多いです。

 時間割はこのようになっています。
 年中組の場合。

月 世界(自然や交通ルールなど) 図工(粘土遊びあるいは切り絵細工) 体育(戸外)
火 音楽(歌) お絵かき 体育(戸外)
水 算数(数字)あるいは立体工作(積み木遊びのこと) 体育(体操場)
木 国語(文字) 体育(体操場)
金 国語(物語) 音楽(歌)

 こうして見ると、体育がほとんど毎日ですね。戸外の体育というのは、幼稚園の敷地内で10メートル走をしたり、鬼ごっこのようなゲームをします。
 体操場の体育ではボールを使ったり、平均台やマット、ろく木などを使った授業になります。
 「世界」の授業では、動物や植物の名前、季節の順番、交通ルール、特に横断歩道の渡り方などを勉強します。
 そのために幼稚園の敷地内に横断歩道の絵が描いてあります。
 Y子の幼稚園にはありませんでしたが、電気式の小さい信号機を取り付けている幼稚園もあります。

 年長組の時間割はこうなっています。
月 世界(自然や交通ルールなど)お絵かき 体育(戸外)
火 国語(文法)音楽(歌と簡単な楽器演奏) 図工(粘土作品) 体育(体操場)
水 算数(計算)お絵かき 論理(知恵遊び) 体育(体操場)
木 世界(自然や交通ルールなど) 図工(切り絵細工かデザイン) 音楽(歌と簡単な楽器演奏) 体育(戸外)
金 国語(話す力)立体工作(積み木遊びのこと) 体育(体操場)

 論理(知恵遊び)というのは迷路を解いたり、クイズを解いたりします。
 楽器演奏は、打楽器(たいこやタンバリン、トライアングル、鈴など)や笛を使っていました。
 粘土細工の作品は氏名をつけて更衣室の棚の上に飾られ、保護者が見ることができるようにしていました。
 また世界の授業では、ベラルーシのことを勉強するようになります。ベラルーシの国旗や、ミンスクが首都であること、ミンスク市の紋章などです。
 教室の黒板の上にベラルーシの国旗と国歌の歌詞が印刷されたミニポスターが貼られています。もっとも国歌の歌の練習などはしません。

 幼稚園の年長組を修了する頃には、ベラルーシ語のアルファベットの活字体が読めるようになっています。
 算数はもっとレベルが高く、10までの数字の足し算と引き算ができるようになり、0の概念も学びます。
 また虫食い算もできるようになります。(例 6-□=1 □に入るのは何でしょう? といった問題です。)

 ベラルーシでは幼稚園に限らず全般的に理系科目に力を入れています。でも幼稚園からこのレベルなので、すごいと思いました。

 ちなみに幼稚園では学校のような教科書は使いません。
 それからこの授業は9月から翌5月まで行われます。
 6月と8月は勉強はせず、ほとんど1日中外で遊んでいます。(Y子の幼稚園は7月は休園していました。)
 もっとも夏になると親が1か月の休暇を取るため、さらにおじいちゃんやおばあちゃんが子守りもする場合、3ヶ月まるまる登園しない子どももいました。
 そんなわけで夏の間は勉強もないし、子どもの数も減ってしまい、他のグループと「統合」されてしまうこともありました。
 給食の予算を組まないといけないので、夏にあると先生から
「6月は登園しますか? 8月は?」
と確認されました。もちろん登園しない月の月謝は支払いません。

(続きは「ベラルーシの幼稚園 その6」をご覧ください。)

ベラルーシの幼稚園 その4 「準備する物」

2009-05-15 | ベラルーシ生活
 入園前に先生からそろえて持ってくる物を教えてもらいました。
 まず上履き。
 ベラルーシの幼稚園の場合、各教室ごとに更衣室があります。そこにロッカーがあるので、上着や靴を片付けます。そこまでは保護者も入れるのですが、そこから先の教室には上履きでないと入れません。
 上履きはサンダルやビーチぞうりなどさまざま。

 うっかりおもらしをしてしまった場合のことを考えて、替えの下着(パンツ、シャツ、タイツ、靴下)を用意しておきます。
 体操用のTシャツ、短パン、短い靴下、運動靴もいります。
 これも園児全員が同じ格好をするのではなく、シャツと靴下は白、短パンは黒か紺などの暗い色だったら、どんなものでもかまいません。
 適当に店で買います。ちなみにシャツは模様がない白、と言われていたのですが、かえって売ってなくて困りました。
 他の子どももみんな模様が入っていたTシャツを着ていたので、特に厳しいわけではありません。
 短パンではなくジャージのズボンをはいている子どももたくさんいました。

 4歳の年中組はこれだけです。
 しかし、5歳児(年長組)になると、幼稚園で勉強するので、必要なものが増えます。なぜなら、ベラルーシでは幼稚園は小学校入学のための予科(言い方が古いですが)と位置づけられており、年中組から数字やアルファベットの読み方を練習します。
 年長組になると、小学校入学準備コース、ということになり算数の授業もあるので大変です。
 年長組が準備するものはこんなにあります。

・数え棒
・数字扇子(0から20まで)
・丸や三角などいろいろな形がかける穴あき定規
・絵本2冊(ベラルーシ語で書かれているもの。国語の勉強で使う。)
・文字金庫
・お絵かき帳 2冊
・筆2本、1本はお絵かき用、1本は糊つけ用
・水彩絵の具
・ぬりえ 2冊
・色鉛筆
・ペン
・はさみ
・盤ゲームかそれに似たゲーム(放課後にみんなで遊ぶ。)
・20枚の紙が入れられるファイル(お絵かきの作品を入れる。卒園するときに作品ごと返してもらえる。)
・チョーク(先生が使う。)

 この数字扇子というのは何かというと、プラスチック製の扇子状に広げられる教材で、数字が裏と表に書いてあります。
 文字金庫というのは、ファイルになっていて、それを開くとビニール製のポケットがたくさんついており、その中に文字(1文字だったり子音と母音の2文字だったりする)が書かれた紙のカードを入れておくものです。
 しかし買った時点では、文字がぎっしり印刷された紙が入っているだけで、線に沿って親がきれいに切ってカードにしないといけない。しかもその文字数が多くて、切り離し作業はけっこう大変でした。
 こういった教材は文房具屋でたくさん売られています。

画像は更衣室のようすです。
 それぞれのロッカーに使う子どもの顔写真が貼り付けられている。写真の撮影は幼稚園側がしてくれるので、持参しなくてよい。ロッカーの下からは板が出てきて、腰掛けになる。使わないときはしまえる仕組み。

 ちなみに更衣室の棚の上には子どもたちのお絵かきの作品などが飾ってあります。
 また「保護者の心得」といったアドバイス集が置いてあって、閲覧できます。
 (言うことをきかない子どもへの接し方や、休日の正しい過ごし方、土日のメニュー例までありました。)
 さらには週に2回、火曜日午前と木曜日午後に、希望すれば心理カウンセラーに子どもの発達や、親の子育ての相談についてカウンセリング(無料)を受けられるので、希望者は事前に申し出ること、という案内も入っていました。

 更衣室にはお遊戯会などのお知らせが貼り出されます。各保護者にプリントして配布する、ということはなかったので、要チェックです。

(続きは「ベラルーシの幼稚園 その5」をご覧ください。)