昼近くに一本の電話。
普段から留守電にしていて、知り合い以外は出ないようにしているのだが、今日は何故か出てしまった。
「こちら○○の××というものですが、奥様でいらっしゃいますか?」
50代前半ぐらいの女性の声。<しまったキャッチだ>私は心の中で後悔。
「えぇ、そうですけど」
あからさまに不機嫌な私の声をよそに、女性は喋り始めた。
「ただいま私どもの会社では環境問題に取り組み、…………で………の為に、……を……奥様方へ地球に優しい自然素材の洗剤のご紹介を…」
買う気もない私は遮り 「うちはそうゆうの(キャッチセールスの商品は)いらないんで」と断る。
すると女性はさも驚いたように「まぁ!もしかして化学洗剤を使っていらっしゃるの?私どもは自然素材の××を使った…」と自社の製品を紹介しようとする。
<他人の家がどんな洗剤使おうと自由でしょう。>
ちょっと面倒臭くなったので「興味ないですから」と遮る。
すると女性は小馬鹿にした感じで(と、私には思えた)「んっまぁ!!興味ないの!?環境問題よ環境問題。今話題になっているでしょう?地球温暖化とか水質悪化とか…みんなで考えていかなきゃいけないよ。洗剤は特に…でウチの製品は…」とさらに食い下がる。
「いや、でもいらないですから。」また遮る私。すると女性はさも嘆かわしいといった感じで
「あら、まぁ~っ!若い奥さんなのにーっ、皆さん……は…で環境問題に…」
このあたりで<ぷちっ>ときた私。
<大体、環境問題について真剣に考えるならば、ゴミはあまり出さないように簡易包装のものを買うとか、買った食材は無駄にしないとか、出たゴミは資源と不燃、可燃きっちり分けるとか、ポイ捨てはしないとか、洗い水も流しっぱなしにしないで、桶に溜めて有効につかうとか(風呂もしかり)一人一人が今の現状で出来る事からやるべきじゃないの?
新しいものを買うのではなく、今あるものをどう有効に使っていくか。その方が経済的だし環境によいと私は思うんですけど。
それが出来た上で取り替える方が良いものは替えればいい。少なくとも、貴重な午前の時間を無駄にするような長ったらしい電話をするあなた方の、訳の分からん洗剤を買う事じゃない。うちは市販されているもので、ちゃんと自分の目で吟味したものじゃないと買いません。>
…そんな言葉が喉まで出掛かった。
しかし、一本幾らでアルバイトをしているおばちゃんに、そんな事を言っても無駄なんだろうな…。
私は深く溜息をつき、まだなお「環境問題…環境問題…」と連呼し続ける受話器を「忙しいので切ります」と静かに置いた。
それにしても久々にしつこいキャッチだったなぁ(笑)