僕は絶対的に戦争、核、原発、自殺に反対する。そのための創作がある。したがって、競争、権力には否定的だ。だから、作家として成功しないのは、当たり前。恥じることではないと思っている。
10年前の、7月29日~8月15日、僕は留置場にいた。
留置場の厳しい監禁生活で、出所しても、しばらく精神的に立ち直れなかった。
8月15日になると、思う。今はドアを開ける「自由」がある。
スーザン・ソンタグの写真論を読めば判ることだが、写真論というモノがいかに虚しいか。しかし、写真家というのは、自らの写真論によってしか成長しない。写真論はつねに更新していくモノで、けっして積み上がらない。だが、写真自体は、撮れば撮るほど積み上がる。
どんな考えであれ、それは写真に見えないかたちで効果をもたらす。考えない人は基本的に写真家には向いてない。ズバリ、写真のフレーミングとは実は哲学が決めている。そこが写真家と素人カメラマンを、分けている。映え、ではなく、哲学が写真を決定する。