こんにちは。
困ったなあ。確かにわたしは前回のカテーテルから休職してる。
コロナもあって、バイトの打ち合わせも納品も減ったからね。バイトに関しては、複数受けていたので、まあ、減ったのは良かった。
本職の有休が溜まってるので、コロナに乗じて、有休状態。暇っちゃ、暇だけど、いつ呼ばれるか分からないので、スタンばってる。
んで、息子達が珍しく日があって学校に行った後、ダラダラ寝てたら、
ピーンポーン。
宅急便かと思って確認しないで開けたら、ハンコ持ったわたしの前に和尚が立ってた。
「和尚。宅急便届けてくれたの?」少々ボケて尋ねると、和尚は、数珠をジャリッとやって、
「一杯所望す。」と、サッサと慣れた手つきでスリッパを取って、入ってきた。
慌てて、テーブルに来客用に作ってあるトロピカルティーを出すと、和尚はわたしにこう言う。
「大層面妖な品を買ったらしいとクラフトマンから連絡があった。昨日、お前が指輪にする石を見てきた。それで胸になんかぶら下げていると聞いたので見にきた。」
「面妖な品って、パライバ?幾つか買ったんだよ。ねぇねぇ、見る?」
「用があるのは、お前が今ぶら下げている奴だ。」
「え?これ?」
そう言って外して渡そうとすると、止めろと言う。渡すなと。んじゃ、と言うことで、トレイの上に置くと、しばらく見ていた和尚。
「これはどうして手に入れた。」
「クラフトマンと知り合いとは恐れ入ったよ。確かに、繋がってるよね。うん。クラフトマンに持ち込んだ石とこのぶら下げている石は、友人から買ったの。」
「メルカリで買ったのはどれだ。」
「あっ、それは、ルースケースに入ってて、これとこれかな。」
「友人は何故にこれをお前に売った?」
「色々あってね。」お茶を濁そうとするわたしに、和尚が問い詰めた。
「誰だ。」
結構深刻な顔なので、友人の名を告げ、急に持ってこられて、中でこれと作りに出してるあれが、持ったら風が吹いたんだよー、面白くね?と話をした。
「また、なんかやらかしたとか。」
「あそこの家は俺も知ってる。あそこも大国周りの家だよ。」
「え?えー?」
「これぶら下げて変わったことなかったか?」
「すごい妙に安心したわ。分からないけど、妙な恐怖心があったんだけど、なくなったわ。」
「他には?」
「運が良いとか?そりゃ違うか。うーん。他ねえ。」
「足の痒みはどうなったんだ。」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「そう言えばないよ、和尚。水膨れになって、水イボになったらって思ってたけど、そう言えば、痒くないし、綺麗になってる。」
和尚は、肩を落とし、アイスティーを啜って、ため息をついた。
要は、鬼遣いであるわたしが、苦労しても我慢し続ける為に、大黒天/大国さんの荒御魂を移らせる入れ物を鬼が探して持ってきたんだろうと。
「なるほどー。あの恐怖心は、共存共栄できない恐怖心か。一方は大和朝廷、一方はそれに虐げられしモノだもんな。」
「お前は神仏が手を出すまで待ってたって訳か。」
「そりゃ違う。今まで忙しかった、それだけ。」
「全くな。ペッパーに比べたら、遥かに神仏の御加護の厚いお前が、修行しないとは、恐れ入るよ。まあ、痒みがそれで消えたとはな。答えを自分で導き出す奴と評判なわけだ。」
「御加護の厚さは保証できませんがね。」
和尚は、惜しそうな顔をしてる。
「ところで和尚。わたしは、このパライバ捨てる気はありませんよ。風が吹いて面白いんです。」
「まあ、傾倒する気もないだろう?面白さだけで、無意識のうちになんでも片付けやがる。その自然体が良いのかもしれんが。」
和尚は席を立った。
「邪魔したな。また、しばらく寺にいる。遊びにも来るが、今寺が忙しい。」
「新盆ですもんね。」
「また、俺の雑事が終わったら、逢おう。」
和尚はそう言って、帰って行った。アポなし和尚。1時間で帰っちゃった。バリバリ音させて、帰っていく。新盆かあ。
今日は七夕なんだけどな。
クラフトマンと知り合いって事は、ひょっとしてひょっとして。あのオヤジも喰えねーぞ。(笑)
朋