極貧糖尿生活始まる

極度の貧乏と、戦いながら、糖尿に打ち勝つことを決めた中年男の徒然日記

災難記 ~糖尿に苦しむ4人の勇者の物語 第二話 損を空(そんをくう)貢ぎ物を届けに山姥のもとへ 前編

2014-12-07 20:02:34 | 自作物語
第二話 損を空(そんをくう)貢ぎ物を届けに山姥のもとへ 前編

さてさて、第一話では、貧乏法師と損を空が運命的な出会いをしたのですが、(第一話の内容を知りたい方はコチラへ!)
(物語の舞台は、貧乏法師たちが、出会った猫山のふもとにある、老いぼれ村へと変わります。)

~第二話では、いよいよ、損を空の冒険の始まり~始まり。

ある日の朝のこと、老いぼれ村では、なにやら、村人たちが、集まって話し合いをしておりました。
そこへ、村一番のおしゃべり好きの三平が、大きな声で、「てえへんだあ、てえへんだあ」と怒鳴り込んできました。
そこで、三平の兄貴分である、与平が、言いました。
「おい、三平、いきなり何事だってんだ。」三平は、息を切らしながら 必死の形相で答えました。
「今朝方、猫山の隣山に住む山姥に子供ができたって、聞いたんだ。山姥に貢ぎ物をださなければ、
てえへんなことことになるに決まってらあ」
それを聞いた、村人たちは、皆、黙り込んでしまいました。
それも、そのはず。老いぼれ村に古くからあるしきたりでは、山姥に子供ができると、10日以内に
貢ぎ物を差し出さなければいけないのです。しかも、山姥は、決まって、うら若い村娘を一人で、よこすように、
要求してきます。村人たちの心配をよそに、与平は、皆に言いました。
「おーい、皆のしゅう、誰か貢物を届けることができる娘子(むすめご)は、しらんか。」

与平の問いかけに答えるものは、一人もなく、村人たちは、また黙りこんでしまいました。
ところが、村人たちの心配をよそに、大きな声で、ケラケラと笑う者がおります。
声のするほうを皆がみつめると、なんと、そこに立っていたのは、皆からいつも、煙たがれて、厄介者扱いされてる、
厄介でした。(詳しくは、あらすじ、参照)
「くっくっくっくっくっ、ワシにいい考えがあるぞう。皆も、知ってるとは、思うが、あのお人よしで、馬鹿な子ザルなら、きっとそのお役目、はたしてくれるに違いない。子ザルが女子(おなご)の姿をして、貢物を持っていけばいいのだ」
そこで、すかさず、三平が、いいました。「だが、いくらあの子ザルでも、さすがに山姥に喜んで食われにいくとは、
思えんが、、、」厄介は、それを聞いて、ニンマリと笑い返し、
「子ザルに、山姥のことは、言わずに、山の神様へのお供えといえば、大丈夫だ、ワシが説得してみせるぞ。」

普段なら、厄介の話になど、見向きもしない村人たちなのですが、
今回ばかりは、村の一大事で在るがゆえに、「みかけによらず、厄介どんは、なかなか賢いのう。いい考えじゃ」
などと、皆、口々に厄介をほめたたえました。皆のほめ言葉を聞き、調子に乗った厄介は、言いました。
「それでは、皆の衆、かわいそうな子ザルと賢いこのワシに、褒美をいただけますかな」
それを聞いた与平は黙っていません。「ならば、厄介、おぬしも念のため、付き添いとして、
子ザルについていってはどうじゃ。」「さすが、与平どの、それは、まことによい考えじゃ。決まりじゃ、決まりじゃーー」
村人たちが、一斉にはやし立てるので、 厄介は、しぶしぶ、子ザルこと損を空(そんをくう)
と共に山姥のもとへと旅たつことになったのでした。

さてさて、肝心の損を空(そんをくう)はというと、納屋のほうで、今日もまた、米俵を必死に運んでいるところでした。
その姿をみつけると、また厄介は、ニンマリと笑って、損を空に話しかけました。
「おーい、損を空どん、ちょっと耳よりな話があるんじゃ」損を空は、一瞬、ためらったものの
「厄介どん、僕に何か御用ですか」と聞き返しました。
「実はのう、村人たちが、お前さまに頼まれてほしいことが、あるそうじゃ。
山の神様へのお供えものをお前さまに届けてほしいとのことじゃ。褒美もたんとでるらしい。」
厄介の言葉を聞き、損を空はいぶかしげに、いいました。
「それは、なんとも、光栄な話。でも、そんな立派なお役目をこの僕に任せてよいのですか。
それに、こんなことは、いいたくないのですが、私は、また騙されていまうのでは、ないかと少し心配なのです。」
厄介は、すかさず、いいました。
「いやいや、山の神様はのう、お前のようなかわいい子ザルが貢ぎ物を持ってくることを望んでおられるのじゃ。
その証に、村人たちは、おぬしのために、すばらしい衣装を用意するとのことじゃ。心して望めとのこと。
ワシも一緒にお供するのでな、安心するがよい」
厄介も共に旅たつことを、知った損を空は、最初、出来すぎた話しを疑ったものの、元来の人のよさから、
厄介を信じて、共に山の神様(山姥)のもとへ向かう意思を固めたのでした。

ということで、第二話が始まったのですが、少し長くなりそうなので、次回へと続きまーす!





災難記 ~糖尿に苦しむ4人の勇者の物語 第一話~貧乏法師 損を空(そんをくう) と出会う。

2014-07-05 15:03:33 | 自作物語
今回は、ずっと、書いていていなかった自作の物語の続きを書こうと思います。

この物語の概要および、詳細を知りたい方はは コチラをみてください。

ということで、第一話のはじまり~はじまりい~

むかし、むかし、あるところに、糖尿と極貧に苦しむ一人の坊主がおりました。 
この坊主の、本当の名前を知るものは誰もなく、あまりにも、みすぼらしい姿をして歩いていたので、貧乏法師と、呼ばれておりました。
この貧乏法師、もとは、金持ちの家に生まれたのですが、両親がどうしようもないほどの散財家であったため、物心がついたころには、財産も家もなくなってしまい、無一文で、道に倒れ掛かっていたところを、ある寺の住職に拾われたのが、きっかけで、仏門へ入ったのでした。
あるとき、貧乏法師は、猫山という山で1週間の修行をするよう大変えらいお坊さんから命じられました。
山を登り始めたときは、とてもはりきっていて、気合も充分だったのですが、猫山という名だけに、道を進めば進むほどに、1ぴき、2ひき、3びきと次々と、猫がでてくるでは、ありませんか。よくみると、どの猫も痩せこけていて、大変おなかをすかせていることに貧乏法師は気がついてしまいました。
あまりにも、かわいそうなので、ほんの少しだけ、猫たちに自分の持ってきた握り飯をわけてあげることにしました、
ところが、ほんの少しばかりと、思っていたもののの、後から、後から、猫たちは現れて、気がつくと、なんと、背中に背負っていた1週間分の食料は、たったの一日でなくなってしまいました。

猫山での修行2日目の朝を迎えた、貧乏法師は、山道を登りながら、ほんの少し後悔の念に襲われておりました。

「あああ、猫なんかに握り飯をあげるべきでは、なかった。こんなことになるなら、登り始めに全部食べてしまえばよかった」
 あまりにもひどい空腹感と、もう修行を続けらないであろう悔しさから、涙がこみあげてきました。
 それと同時に、ひどいめまいがして、もうこれ以上歩けない、もうだめだ、このままでは、死んでしまう、、、、

 そう思った瞬間、目の前に唐草模様の着物をきた賢そうな男の子がこちらをみて笑っているでは、ありませんか。

 「おじちゃん、どうしたの。お天道様が暑いのかい?この笠あげる。」

 貧乏法師は、藁にもすがる思いで、その男の子に、言いました。
「おじちゃんは、腹が減って、死にそうなんだ。もう腹がぺこぺこで、一歩も動けないんだよ。」
 男の子は、キョトンとした顔をして貧乏法師を見つめ、いいました。
 「それなら、お地蔵さまのとこにいったら、いいよ。お地蔵さまから、お供えものの、お饅頭をもらったらいいよ。」
 男の子の話を聞いて、貧乏法師は、考えました。

(お供えもののお饅頭を盗んでしまったら、仏様に自分はもう、顔向けできなくなってしまう、、、。)

男の子は、貧乏法師の考えていることが、分かったのか、さきほど、手渡そうとした笠をさしだすと、耳元で、こう囁きました。
「おじちゃん、お饅頭をもらうかわりに、この笠をお地蔵さまにあげたらいいよ。」男の子は、そう言い放つと、またニッコリと微笑んで、茂みの中にスーっと消えてしまいました。
(そうか、そんな手があったか!) 男の子の話しを聞いて、貧乏法師の気持ちは、なんと、一瞬にして変わってしまったのです。
もともと、楽観的な性格の上に、いつも、いい加減な気持ちで、ぐうたらな修行を行ってきたものですから、気持ちが変わるのもなんと早いこと。さっきまでの、悲壮感は、どこへやら、貧乏法師は、お供え物の饅頭を手に入れるため、お地蔵さまのもとへと向かうことにしました。やっとの思いで、猫山のふもとにたどりつくと、お地蔵さまの立ち並ぶ、カラッポ峠が見えてきました。

「よーし、やっとたどりついたぞ。」あまりの嬉しさに貧乏法師は声をあげました。
ところが、お地蔵さまの足元をみると、そこには、空っぽの皿と茶碗があるだけで、お饅頭の姿は、どこにも、見当たりません。(お供えものの饅頭が食べられない、、、。もうだめだ、、、。)貧乏法師は、自分の体にとてつもない疲労と空腹感がどっと押し寄せてくるのを感じました。そうして、あまりのショックに、お地蔵さまの横にへたりこみ、倒れこんでしまいました。
貧乏法師が、お地蔵さまの横で、気を失ってから、小1時間ほどが、すぎたでしょうか。
なにやら、誰かの話し声が聞こえてきます。びっくりした貧乏法師は、あわてて、体勢を直し、お地蔵さまの影に隠れて、様子をみることにしました。

よくみると、恰幅のいい、えらそうな顔をした男と大きな米俵を抱えた小ザルが、こちらに向かってやってくるでは、ありませんか。
「よく、働いてくれた、礼をいおう、」
小ザルは、米俵を男に手渡すと蚊の鳴くような声でいいました。「あのう、この米俵を運んだら、報酬をもらえるはずなのですが、、、」男は、子ザルの言葉には、耳を傾けず「残念だが、この米は、白米では、ないから報酬はあげられん。それでは、またな。ごくろうさん!」と言い放つと米俵をかかえ、さっさと言ってしまいました。

お地蔵さまの影から一部始終をみていた、貧乏法師は、思いました。
(あの子ザル、気の毒にも、だまされたんだな。)
と、貧乏法師が、ぼうっとしているのもつかの間、なんとさっきの子ザルが目の前に立っているではありませんか。

「あなたは、お地蔵さまの使いですね。だって、お地蔵さまとおんなじ、笠をかぶっていらっしゃる。お地蔵さま、僕は、また騙されてしまいました。いつも、都合よく人に利用されて、損ばかりして、苦しんでいるのです。もうこれ以上、損はしたくないのです。」

貧乏法師は、びっくりした顔をして、子ザルの顔をみつめました。そして、その瞬間、貧乏法師のお腹は、グーグーとなり響きました。

今度は、子ザルは、びっくりして、言いました。「お地蔵さまもお腹がすくのですね、ぜひ、このお饅頭を食べてくださいな」
 
死ぬほど、お腹のすいていた、貧乏法師は、子ザルのくれた饅頭にものすごい勢いでかじりついたのでした。

こうして、貧乏法師と損を空は、饅頭が縁で、運命的な出会いをしたのです。

さてさて、これは、この物語のほんのはじまりにすぎません、
この二人の運命はいかに!!!!


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ということで、ワタクシ猫山オリジナルの物語、第一話で、ございました、
思った以上に長くなってしまったので、次回は簡潔にいたします。
ということで、次回へ続く!!

 

災難記 ~糖尿に苦しむ4人の勇者の物語 あらすじ編

2013-03-06 22:48:44 | 自作物語
<災難記 ~糖尿に苦しむ4人の勇者の物語>とは、
わたくし、猫山が、<西遊記>を文字って、いろんな童話からアイデアを寄せ集め、つくってみたオリジナルの物語です。極貧生活の中で、実際に体験したことをもとに書いてみました。

第一回目は、あらすじと登場人物のキャラクターをご紹介します

主な登場人物
貧乏法師(びんぼうほうし)いわずとしれた、三蔵法師のパクリ。幼少期に暴飲暴食のすえ糖尿病となった。もともと、金持ちの家に生まれたが、金遣いの荒かった両親の影響で、散財をつくし、無一文に。
損を空(そんをくう)孫悟空では、ありません。とにかく、いつも、損をして生きている。根っからのお人よしで、いつも他人に自分のものを分け与えてるうちに無一文に。極貧生活の中で、長年 低血糖で生活をしていたことが原因で、糖尿になる。高血圧にも悩む。
厄介(やっかい)他人から常に厄介者扱いされているため、誰も信じられない。生まれたときから、太っていて、醜かったため豚小屋に捨てられていた悲しい過去を持つ。。太りすぎのため、糖尿と高血圧に常に苦しむ。
詐欺浄 (さぎじょう)いつも人から騙されている。どこへいっても詐欺のカモとなる。幼馴染の借金の肩代わりをしたため、全財産を失い、一家離散。また、騙されて購入した健康食品の副作用で糖尿になった。

あらすじ
あるところに、貧困と糖尿病に苦しむ4人の男がおりました。
その名も、貧乏法師、損を空、厄介、詐欺浄。ひょんなことから、4人はめぐり合い、糖尿でも
幸せに楽をして暮らせるという極楽、仰天国(ぎょうてんこく)のカンダーラ(噛んだーら:なんでも自由に食べられる国、どんなに食べても血糖値は安定したままだという)とノンダーラ(飲んだーら:なんでも飲み放題の国、どんなに飲んでも健康でいられるという)を目指し旅にでる。途中、いろいろな災難にあいながらも、貧乏人的発想とで、危機を乗り越えていく。 果たして4人は、糖尿でも、楽して生きることが出来る仰天国へたどりつくことができるのでしょうか


ということで、次回へ続きます!


:趣味で書き始めた、くだらない物語ですが、一応、わたくし猫山のオリジナルなので、著作権は
放棄いたしません。