極貧糖尿生活始まる

極度の貧乏と、戦いながら、糖尿に打ち勝つことを決めた中年男の徒然日記

災難記 ~糖尿に苦しむ4人の勇者の物語 第一話~貧乏法師 損を空(そんをくう) と出会う。

2014-07-05 15:03:33 | 自作物語
今回は、ずっと、書いていていなかった自作の物語の続きを書こうと思います。

この物語の概要および、詳細を知りたい方はは コチラをみてください。

ということで、第一話のはじまり~はじまりい~

むかし、むかし、あるところに、糖尿と極貧に苦しむ一人の坊主がおりました。 
この坊主の、本当の名前を知るものは誰もなく、あまりにも、みすぼらしい姿をして歩いていたので、貧乏法師と、呼ばれておりました。
この貧乏法師、もとは、金持ちの家に生まれたのですが、両親がどうしようもないほどの散財家であったため、物心がついたころには、財産も家もなくなってしまい、無一文で、道に倒れ掛かっていたところを、ある寺の住職に拾われたのが、きっかけで、仏門へ入ったのでした。
あるとき、貧乏法師は、猫山という山で1週間の修行をするよう大変えらいお坊さんから命じられました。
山を登り始めたときは、とてもはりきっていて、気合も充分だったのですが、猫山という名だけに、道を進めば進むほどに、1ぴき、2ひき、3びきと次々と、猫がでてくるでは、ありませんか。よくみると、どの猫も痩せこけていて、大変おなかをすかせていることに貧乏法師は気がついてしまいました。
あまりにも、かわいそうなので、ほんの少しだけ、猫たちに自分の持ってきた握り飯をわけてあげることにしました、
ところが、ほんの少しばかりと、思っていたもののの、後から、後から、猫たちは現れて、気がつくと、なんと、背中に背負っていた1週間分の食料は、たったの一日でなくなってしまいました。

猫山での修行2日目の朝を迎えた、貧乏法師は、山道を登りながら、ほんの少し後悔の念に襲われておりました。

「あああ、猫なんかに握り飯をあげるべきでは、なかった。こんなことになるなら、登り始めに全部食べてしまえばよかった」
 あまりにもひどい空腹感と、もう修行を続けらないであろう悔しさから、涙がこみあげてきました。
 それと同時に、ひどいめまいがして、もうこれ以上歩けない、もうだめだ、このままでは、死んでしまう、、、、

 そう思った瞬間、目の前に唐草模様の着物をきた賢そうな男の子がこちらをみて笑っているでは、ありませんか。

 「おじちゃん、どうしたの。お天道様が暑いのかい?この笠あげる。」

 貧乏法師は、藁にもすがる思いで、その男の子に、言いました。
「おじちゃんは、腹が減って、死にそうなんだ。もう腹がぺこぺこで、一歩も動けないんだよ。」
 男の子は、キョトンとした顔をして貧乏法師を見つめ、いいました。
 「それなら、お地蔵さまのとこにいったら、いいよ。お地蔵さまから、お供えものの、お饅頭をもらったらいいよ。」
 男の子の話を聞いて、貧乏法師は、考えました。

(お供えもののお饅頭を盗んでしまったら、仏様に自分はもう、顔向けできなくなってしまう、、、。)

男の子は、貧乏法師の考えていることが、分かったのか、さきほど、手渡そうとした笠をさしだすと、耳元で、こう囁きました。
「おじちゃん、お饅頭をもらうかわりに、この笠をお地蔵さまにあげたらいいよ。」男の子は、そう言い放つと、またニッコリと微笑んで、茂みの中にスーっと消えてしまいました。
(そうか、そんな手があったか!) 男の子の話しを聞いて、貧乏法師の気持ちは、なんと、一瞬にして変わってしまったのです。
もともと、楽観的な性格の上に、いつも、いい加減な気持ちで、ぐうたらな修行を行ってきたものですから、気持ちが変わるのもなんと早いこと。さっきまでの、悲壮感は、どこへやら、貧乏法師は、お供え物の饅頭を手に入れるため、お地蔵さまのもとへと向かうことにしました。やっとの思いで、猫山のふもとにたどりつくと、お地蔵さまの立ち並ぶ、カラッポ峠が見えてきました。

「よーし、やっとたどりついたぞ。」あまりの嬉しさに貧乏法師は声をあげました。
ところが、お地蔵さまの足元をみると、そこには、空っぽの皿と茶碗があるだけで、お饅頭の姿は、どこにも、見当たりません。(お供えものの饅頭が食べられない、、、。もうだめだ、、、。)貧乏法師は、自分の体にとてつもない疲労と空腹感がどっと押し寄せてくるのを感じました。そうして、あまりのショックに、お地蔵さまの横にへたりこみ、倒れこんでしまいました。
貧乏法師が、お地蔵さまの横で、気を失ってから、小1時間ほどが、すぎたでしょうか。
なにやら、誰かの話し声が聞こえてきます。びっくりした貧乏法師は、あわてて、体勢を直し、お地蔵さまの影に隠れて、様子をみることにしました。

よくみると、恰幅のいい、えらそうな顔をした男と大きな米俵を抱えた小ザルが、こちらに向かってやってくるでは、ありませんか。
「よく、働いてくれた、礼をいおう、」
小ザルは、米俵を男に手渡すと蚊の鳴くような声でいいました。「あのう、この米俵を運んだら、報酬をもらえるはずなのですが、、、」男は、子ザルの言葉には、耳を傾けず「残念だが、この米は、白米では、ないから報酬はあげられん。それでは、またな。ごくろうさん!」と言い放つと米俵をかかえ、さっさと言ってしまいました。

お地蔵さまの影から一部始終をみていた、貧乏法師は、思いました。
(あの子ザル、気の毒にも、だまされたんだな。)
と、貧乏法師が、ぼうっとしているのもつかの間、なんとさっきの子ザルが目の前に立っているではありませんか。

「あなたは、お地蔵さまの使いですね。だって、お地蔵さまとおんなじ、笠をかぶっていらっしゃる。お地蔵さま、僕は、また騙されてしまいました。いつも、都合よく人に利用されて、損ばかりして、苦しんでいるのです。もうこれ以上、損はしたくないのです。」

貧乏法師は、びっくりした顔をして、子ザルの顔をみつめました。そして、その瞬間、貧乏法師のお腹は、グーグーとなり響きました。

今度は、子ザルは、びっくりして、言いました。「お地蔵さまもお腹がすくのですね、ぜひ、このお饅頭を食べてくださいな」
 
死ぬほど、お腹のすいていた、貧乏法師は、子ザルのくれた饅頭にものすごい勢いでかじりついたのでした。

こうして、貧乏法師と損を空は、饅頭が縁で、運命的な出会いをしたのです。

さてさて、これは、この物語のほんのはじまりにすぎません、
この二人の運命はいかに!!!!


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ということで、ワタクシ猫山オリジナルの物語、第一話で、ございました、
思った以上に長くなってしまったので、次回は簡潔にいたします。
ということで、次回へ続く!!

 


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