(おとり物語ではなかったのですが、読んでいたウクライナ語の文章を脳内翻訳すると、おとり物語になってしまったので、アップしておきます。)
ウクライナに来たことがある人、ウクライナのことを知っている人はいますか。来たことがあって知っている人はご存じでしょうし、来たことがなく知らない人には想像してほしいのですが、さくらんぼを植えている農家の家があちこちに建っていて、春になるととてもきれいです。一斉に花が咲いて、おとりがさえずるのです。どれぐらいの数のおとりがさえずるのか、数えるのはおそらく不可能でしょう。
あるとき、旅の途中で村で一泊することになりました。そこにはさくらんぼの庭のある、そんな農家の家がありました。私たちが到着したのは夜も遅かったので、すぐに就寝となりました。村は静まり返っていました。日が落ちるとすぐに音は止み、動きもなくなりました。でも、おとりのぺちゃくちゃいう声や高笑いの声や、ついったーで繰り広げられるおとり語録が大音量で鳴り響き、夜明けまで止むことはなかったのです。おとりのせいで、私たちは朝まで眠ることができなかったのでした。朝の光の何と神々しかったことか。
「まあっ、美しいわねえ」「格調高い散文ねえ」「私たちの大活躍ね」「さすがねえ」「おほほほほ」(おとり)
「睡眠にはよくないと思いますけどね。安眠妨害はいやですよぶう」(うさぎ)
多分もとの文章はとても美しいんだと思いますが、どうも脳内変換されてこうなってしまうので。困ったなあ。読みは詩みたいに読まないといけないんだけど、おとりの高笑いで破壊されるような気がする。これ、笑わずに読めるのかな、さらねこは。