島には公共交通機関が無いため、仕事、買物、子供の送迎などには自家用車は必需品である。自家用車を運用するにはガソリンが必要である。また、農作業のための農業機械、公共工事のためのトラックにも軽油が必要である。このため、島にはJAおきなわが運営するガソリンスタンドが設置されている。唯一の独占企業であることから、営業時間は午前7時30分から午後5時まで、土日祝日は休業となっている。都内のガソリンスタンドのように、24時間年中無休という運営に比べると長閑なものである。しかし、狭い島のことであるため、この程度の営業時間で十分なのであろう。
燃料は二段目の写真にあるような専用のタンクに充填され、貨客船「だいとう」で運ばれてくる。輸送には船賃がかかるため、当然のようにガソリン、軽油の価格は内地よりも高くなる。2023年9月22日のガソリン代は1リットル当たり188円であった。当該日付の全国のガソリン価格は記録が無いため不明であるが、ネットにある「ガソリン価格比較サイト gogo.gs」によれば、2023年9月25日付けで「9月25日時点のレギュラーガソリンの全国平均は、177.2円となり先週から2.4円の値下がり、・・・」と掲載されている。すると、22日頃の全国平均価格は179.6円であったと推測される。島のガソリン代は全国平均に比べて少し高いが、それほどビックリするほど高いものではなさそうだ。しかし、家計を預かる主婦にとって、1リットル当たり10円程の価格差には不満を持たれるのではなかろうか。
ガソリンスタンドでは定期便の運休を想定して予備のガソリンを備蓄しているのだが、台風やしけによって貨客船「だいとう」が運休になるとたちまちガソリンが払底してしまう。1か月も定期船が運休になると給油制限もしくは給油不能となり、島では大変な騒ぎになるらしい。離島での生活は大変なのである。