ぶにょぶにょの実。

朝、布団を片付けたいのに、意地でも起きない猫。

起きろっちゅーねん。こっちは仕事やねん。と、文句を言いつつも、パパラッチ化する下僕。どんなに時間がなくても、迸る可愛さに抗えない。これぞ、猫好きの悲しい性。
そして昼間、ぼけえっと写真を見ながら、しみじみ思った。

うちの子、太ったわ……。

いや、ふとましい猫は大好きなんだけどね。きいちゃんは小さい頃から何かと体が弱くて、その体質のせいかどうかは不明だけど、他の猫と比べるとふくふく感がなかったから、ある意味、ふくよかな彼女の姿は、長年の私の密かな願いでもあったんだけどね。
いくらなんでも、この一年弱で急激に肉が付き過ぎじゃないですか、あなた。
なに、この腹。

この前、病院でお医者さんにも、「おお、貫禄出てきたなあ」って笑われていた。そして私は、「すこーしダイエットさせたほうがいいね」と笑顔で怒られた。うふふふ……。

さっき夜ご飯食べて、だらだらとテレビ見てたら、撫でろと言わんばかりに人の膝の上でごろ寝なさったので、撫でさせていただくついでに腹肉揉んだら、ものすごく気持ち良かった。まさしく、ぶにょぶにょだった。あまりの気持ち良さに、言葉を失ったよ、マジで。念願叶いすぎだわ、どうしよう。


「なに？　なつ姐さんが、ぶにょぶにょ？」

「ははあ。そいつは多分、あれでやんすよ。ぶにょぶにょの実。きっと、なつ姐さんは、ぶにょぶにょの実を食べたに違いねえ。オイラには分かる。何せオイラも同じ、ぶにょぶにょの実の能力者でやんすからね」

ぶにょ～ん。


うちに悪魔の実の能力者が。
ルフィ、仲間にしてあげて。