夕刻を迎えたサロベツ海岸…他の人影も全くない浜辺に独り佇み、5月に入ってなお雪を纏った利尻富士の、荒々しさに気品の加わった夕景の、すっかり虜となっていました。
<<北を目指す旅-28>
時が経つにつれ、風の勢いも増してゆき、天候も荒れつつありました。
利尻山の頂上には、いつしか笠雲が掛かり、折からの強風で、その笠雲が変幻自在に姿を変えてゆく様子を、夕陽が海を彩る光景の中で、眺め続けました。
<利尻山>
<サロベツ原野>
記事中の画像クリックで、別ウィンドウが開きます。
時間の経過に伴い、空に漂う雲は厚みを増し、海岸を吹き抜ける風の勢いも増してきました。
浜へ寄せる波もまた一層泡立って、白い波頭が目立つようになっていました。
水平線上に浮かぶ利尻島そのものでもある利尻山の山頂には、笠雲が掛かっています。
恐らく、私が独り立っていた、サロベツ海岸の波打ち際よりも、遥かに強い風にさらされているのでしょう。
利尻富士頂上附近の笠雲が、風に流されているように、長い尾を引いてたなびいていました。
引きちぎられていくかのように、扁平な穴の開いた、特異な眺めが印象的な眺めです。
長く尾を引いた笠雲は、荒々しく躍動的な利尻の山肌とは対照的に、無機的な質感が、不思議な雰囲気を醸し出していますね。
直上の雲間から降り注ぐ、セピア色のトワイライトとのコントラストも、素晴らしい!
波に洗われた砂浜に、セピア調を帯びた黄金色の陽光が映えて、この砂浜を、空の写し鏡へと変えました。
輝く空の様子が映し出されて、その色彩に染まった、鏡面の砂浜の美しさには、ただただ息を呑むばかり…!
色彩とコントラストの妙に、魅了されどおしでした。
砂浜が海水を吸って、鏡の輝きを失う前に、次の波が滑らかに寄せて覆い、再び輝く潤いをもたらします。
薄膜のような波の表面と、鏡面のように滑らかな砂浜との、質感の違いが、隣り合いながら微妙に風合いの異なる光の映える様子を、同時に楽しませてくれました。
これまで、写真撮影に夢中となっていましたが、動画も撮らなくては、と、ようやく思い至りました。
幾重にも重なるように浜辺へ寄せる波や、波に洗われる度、綺麗に拭き取られたように滑らかな鏡面状になる砂浜の様子に、意識が今でも、ここサロベツ海岸へと翔んでいきます^^
波の動きに合わせて細かく揺らぐような、トワイライトの煌めきが、とても美しい風景でした。
もう少し、利尻富士をズームで、大きく引き寄せてみました。
頂上にすっぽりと帽子を被り、相変わらずユーモラスな尾を長く引く、印象的な笠雲です。
海面の煌めきも、よりきめ細かく、その様子を見て取ることができました♪
海面近くの、標高の低い部分の、煙ったように見えている部分も、海上に聳える利尻を、より幻想的な姿に演出しているかのように見えます。
見事なまでに、頂上の形状に沿って、スッポリと分厚く、笠雲が覆っていますね!
太陽の周りの、空の高い所、利尻山の山頂附近、そして海面近くの低い所と、三層に分かれて漂う雲の立体的な、見事な配置。
人為的な意図が入り込む余地のない、自然の営みの謀らざる巧みさには、本当に感嘆するばかり。
砂粒の流れようが分かるような、夕陽に照らされた砂浜の輝きもまた、感動的な美しさです。
砂浜とは思えない、黄金の輝きを返す、幻想的な夕暮れ時のサロベツ海岸。
間断なく浜辺へ寄せる波頭に断たれながらも、利尻へと至る光の帯が、彗星の尾のように、砂浜に映る太陽の輝きから延びていく、幻想的な光景でした。
一時も目を離すことができない、その瞬間限りの、素晴らしい絶景が、次々と目の前に表れては次の絶景へと変化していきます。
どうしようもない位の、茫漠とした荒涼感に身を包まれ、広大な風景の中に一人佇む孤独感が、妙に心地良く、不思議な高揚感を覚えていました。
風が強まっていたとはいえ、まだ暴風という程には至らず、聞こえてくるのは、寄せる波の音だけ…。
私の心に、深く深く感銘を刻み込んでくれた、忘れ難い夕景となりました!
刻々と暮れゆく、サロベツ海岸で過ごした、束の間ながら至高のひと時。
煌めく利尻水道越しに眺める利尻富士の雄姿…憧れ、求めて、この旅を企図し、はるばる北の大地の果て近くまでやって来た甲斐がありました!
当初思い描いていたのは、快晴の空を赤く染めながら没する夕陽をバックに、シルエットを浮かび上がらせる利尻の姿。
しかし、実際に実際にサロベツ海岸を訪れた時の、幾層もの厚い雲が自在に描き出す、幻想的な空模様を従えた利尻富士の夕景は、初めに期待していた快晴の絶景のイメージとはまた別の、実に情感を醸し出す明暗のコントラストが、とても印象深い風景でした。
トワイライトの陽光が、周囲のモノトーンの色彩によって、より一層引き立つような、感動的な輝きを独り占めで堪能することができ、幸せいっぱいに心も満たされました!
名残は尽きませんが、間もなく訪れるであろう夜の、漆黒の闇をその身に纏う直前、この日最後の輝きに塗れる利尻に、別れを告げます。
<北を目指す旅-30>>
<<北を目指す旅-28>
時が経つにつれ、風の勢いも増してゆき、天候も荒れつつありました。
利尻山の頂上には、いつしか笠雲が掛かり、折からの強風で、その笠雲が変幻自在に姿を変えてゆく様子を、夕陽が海を彩る光景の中で、眺め続けました。
<利尻山>
<サロベツ原野>
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時間の経過に伴い、空に漂う雲は厚みを増し、海岸を吹き抜ける風の勢いも増してきました。
浜へ寄せる波もまた一層泡立って、白い波頭が目立つようになっていました。
水平線上に浮かぶ利尻島そのものでもある利尻山の山頂には、笠雲が掛かっています。
恐らく、私が独り立っていた、サロベツ海岸の波打ち際よりも、遥かに強い風にさらされているのでしょう。
利尻富士頂上附近の笠雲が、風に流されているように、長い尾を引いてたなびいていました。
引きちぎられていくかのように、扁平な穴の開いた、特異な眺めが印象的な眺めです。
長く尾を引いた笠雲は、荒々しく躍動的な利尻の山肌とは対照的に、無機的な質感が、不思議な雰囲気を醸し出していますね。
直上の雲間から降り注ぐ、セピア色のトワイライトとのコントラストも、素晴らしい!
波に洗われた砂浜に、セピア調を帯びた黄金色の陽光が映えて、この砂浜を、空の写し鏡へと変えました。
輝く空の様子が映し出されて、その色彩に染まった、鏡面の砂浜の美しさには、ただただ息を呑むばかり…!
色彩とコントラストの妙に、魅了されどおしでした。
砂浜が海水を吸って、鏡の輝きを失う前に、次の波が滑らかに寄せて覆い、再び輝く潤いをもたらします。
薄膜のような波の表面と、鏡面のように滑らかな砂浜との、質感の違いが、隣り合いながら微妙に風合いの異なる光の映える様子を、同時に楽しませてくれました。
これまで、写真撮影に夢中となっていましたが、動画も撮らなくては、と、ようやく思い至りました。
幾重にも重なるように浜辺へ寄せる波や、波に洗われる度、綺麗に拭き取られたように滑らかな鏡面状になる砂浜の様子に、意識が今でも、ここサロベツ海岸へと翔んでいきます^^
波の動きに合わせて細かく揺らぐような、トワイライトの煌めきが、とても美しい風景でした。
もう少し、利尻富士をズームで、大きく引き寄せてみました。
頂上にすっぽりと帽子を被り、相変わらずユーモラスな尾を長く引く、印象的な笠雲です。
海面の煌めきも、よりきめ細かく、その様子を見て取ることができました♪
海面近くの、標高の低い部分の、煙ったように見えている部分も、海上に聳える利尻を、より幻想的な姿に演出しているかのように見えます。
見事なまでに、頂上の形状に沿って、スッポリと分厚く、笠雲が覆っていますね!
太陽の周りの、空の高い所、利尻山の山頂附近、そして海面近くの低い所と、三層に分かれて漂う雲の立体的な、見事な配置。
人為的な意図が入り込む余地のない、自然の営みの謀らざる巧みさには、本当に感嘆するばかり。
砂粒の流れようが分かるような、夕陽に照らされた砂浜の輝きもまた、感動的な美しさです。
砂浜とは思えない、黄金の輝きを返す、幻想的な夕暮れ時のサロベツ海岸。
間断なく浜辺へ寄せる波頭に断たれながらも、利尻へと至る光の帯が、彗星の尾のように、砂浜に映る太陽の輝きから延びていく、幻想的な光景でした。
一時も目を離すことができない、その瞬間限りの、素晴らしい絶景が、次々と目の前に表れては次の絶景へと変化していきます。
どうしようもない位の、茫漠とした荒涼感に身を包まれ、広大な風景の中に一人佇む孤独感が、妙に心地良く、不思議な高揚感を覚えていました。
風が強まっていたとはいえ、まだ暴風という程には至らず、聞こえてくるのは、寄せる波の音だけ…。
私の心に、深く深く感銘を刻み込んでくれた、忘れ難い夕景となりました!
刻々と暮れゆく、サロベツ海岸で過ごした、束の間ながら至高のひと時。
煌めく利尻水道越しに眺める利尻富士の雄姿…憧れ、求めて、この旅を企図し、はるばる北の大地の果て近くまでやって来た甲斐がありました!
当初思い描いていたのは、快晴の空を赤く染めながら没する夕陽をバックに、シルエットを浮かび上がらせる利尻の姿。
しかし、実際に実際にサロベツ海岸を訪れた時の、幾層もの厚い雲が自在に描き出す、幻想的な空模様を従えた利尻富士の夕景は、初めに期待していた快晴の絶景のイメージとはまた別の、実に情感を醸し出す明暗のコントラストが、とても印象深い風景でした。
トワイライトの陽光が、周囲のモノトーンの色彩によって、より一層引き立つような、感動的な輝きを独り占めで堪能することができ、幸せいっぱいに心も満たされました!
名残は尽きませんが、間もなく訪れるであろう夜の、漆黒の闇をその身に纏う直前、この日最後の輝きに塗れる利尻に、別れを告げます。
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