「君の名は。」カフェバスに乗車する数時間前、ひょんなことから、迎賓館赤坂離宮を訪れました。
<<真夏の東京マニアック旅-02>
東京滞在時には、定宿としているホテルの場所の関係で、これまでも、この迎賓館の壮麗な正門前から、西洋風の宮殿を彷彿とさせる華麗な建物を視界の片隅に入れながら、度々通り過ぎてはいたのでした。
今回、少々時間も空いていたこともあり、事前の申込不要で入場自由の、前庭を参観してきました。
<迎賓館赤坂離宮>
迎賓館の正門を入って、正面に本館を望みます。
夏真っ盛りの、8月のとある1日の14時前。
一見スッキリと写っている画像の雰囲気とは裏腹に、じっとしていても全身から汗が噴き出る、うだるような蒸し暑さ;;
朝から大汗をかいて済ませた私用の後、シャワーを浴びて一休みしてから、前の記事にした「君の名は。」カフェバスに乗車しようと、一旦宿泊していたホテルへと戻る道中、この迎賓館の正門前に差し掛かりました。
一般公開していた迎賓館の正門は開いていて、折しも、団体ご一行が正門前の横断歩道を渡っているところに出くわし、正門で入場整理をしていた警備員さん(制服着用)が、こちらへ歩み寄ってきました。
てっきり、団体ご一行を先に入場させる間、正門前の歩道を横切るのを少し待ってほしいと頼まれるのかと思いきや…
「よかったら、迎賓館見ていきませんか?」
え…???客引き?!
思いもよらなかった問いかけに目を瞬き、思わず「は?」と聞き返してしまいましたw
前庭の参観だけなら、今すぐからでも入場可能、とのこと。
そうと分かれば、呼び止められたのも何かの縁、夕方までまだ少し時間もあることだし、せっかくの機会なので、普段の生活とは全く縁のない世界の施設を、垣間見させてもらうことにしました。
入場時に、簡単な手荷物検査があります。
飲みさしのペットボトル飲料は、検査官の目の前でひと口、口に含んで飲んでみせれば、OK。
前庭の撮影もOKでしたが、いきなりの予期せぬ出来事ゆえ、コンデジをホテルに置いてきたことを後悔しつつ、スマホでの撮影となりました。
迎賓館本館へのアプローチの両側は、もの凄く手入れの行き届いた芝生が、広がっています!
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
流石に、外国の王族や首脳といった、VIPをもてなす施設ですね。
雑草一本目立たない、凄まじいまでの美しさに、目を見張りました!
多分、今まで私が目にしてきた中で、一番綺麗な芝生だと思います。
この芝生の庭園は、外国からの賓客に、日本の雰囲気を味わってもらおうと、このように黒松を配したそうです。
凝った噴水が大流行りな昨今、こうしたシンプルな洋風の噴水に、かえって魅かれてしまいます。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
清楚でストイックな雰囲気に、風格や気品を感じます。
噴水の背後に建つのは、衛士のための衛舎です。
正門から本館までのアプローチの東西両側に、噴水は配されています。
先程の、東側の噴水と対象の位置にあった、西側の噴水。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
前庭の参観を終えて、辞去する時に撮影。
真夏の明るい陽光を浴びて、涼やかな飛沫を輝かせつつ、振り舞いていました。
こちらの噴水の背後にも、東側のものと同じ造りの衛舎が、控えるように建っています。
迎賓館の華麗な本館の全容を一望することができるまでに、アプローチを進んできました。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
この迎賓館赤坂離宮は、明治42年(1909年)に、皇太子の居所たる東宮御所として建築されました。
日本唯一の、ネオ・バロック様式の西洋建築物であり、平成21年(2009年)には、「旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)」として、明治以降の文化財としては初めての国宝に指定されました。
建築後は、東宮御所から赤坂離宮へと変遷、戦後は皇室から国の所管へ移されて、国立国会図書館等の国の機関に使用されました。
その後、昭和42年(1967年)から昭和49年(1974年)に掛けて、外国の賓客をもてなす施設としての改修を施され、迎賓館として今日に至っています。
平成28年(2016年)4月から、一般公開を開始。
入場自由である前庭参観の他に、本館や主庭の参観も、原則ネットでの事前予約で(有料、申込多数時は抽選、当日整理券あり)可能です。
迎賓館本館すぐ前の、華麗な門前にて。
青に金という、日本では珍しい、華やかな色の取り合わせですね。
門の脇に立つ、左右対称の照明の上部も、金色にあしらわれています。
正に、別世界への入口ですw
門の傍らに立つのは、迎賓館を所管する内閣府の職員さんでしょうか。
暑い中大変でしょうが、せっかくの迎賓館公開なのだから、西洋宮殿風の雰囲気に沿う制服を決めた方がよろしいのでは?、と感じてしまいました。
前庭へと入ると、迎賓館の正面玄関へと、突き当たります。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
華麗さと重厚さとが、程良いバランスを保っているように感じられる、迎賓館の本館です。
一見、ヨーロッパのどこかの国の宮殿前にいるような錯覚を覚えますが、装飾に目を凝らしてみると、日本的な雰囲気を感じ取ることができます。
正面玄関の上の屋根の装飾は、鎧兜の意匠が!
外壁の装飾も、人物の彫刻が見当たらないあたりが、日本風ですね。
正面玄関の車寄せの石燈を、仰ぎ見ます。
本当に、ここは東京、日本ではない、異次元の世界に迷い込んだかのようです。
東京の都心のど真ん中に、空間を贅沢に使った、西洋建築が存在する事実に、改めて驚かされました。
建物中央の正面玄関から左右両翼へと描く、建物の美しいカーブも、魅力的です。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
縦長の窓の並ぶ眺めが、個人的に好きです。
屋根に飾られている鳥の意匠は最初、鶏冠の形から孔雀かと思いましたが、羽の様子等から、架空の霊鳥である、鸞(らん)のように思えます。
正面玄関の直上の部屋に、鸞の意匠が施された、「彩鸞の間(さいらんのま)」と呼ばれる部屋があることから、この屋根の鳥も恐らく、鸞なのでしょう。
正面玄関の、車寄せ。
緩やかなスロープは、花崗岩で舗装されています。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
見上げるファサード中央には、菊の御紋が。
元々、御所や離宮であったことの、証ですね。
石造りの建物の質感を、間近に実感します。
正面玄関の扉もまた、煌びやかですね。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
菊の紋章に加えて、五七の桐の紋章が左右の扉それぞれに、施されています。
把手も金色の、豪華な玄関扉です。
これほど金色を使っているのに、けばけばしくならない品の良さも、流石ですね。
先程の本館東翼と同様、西翼へのカーブも魅惑的。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
屋根上の鸞と思しき鳥の意匠も、東翼と同じく、羽ばたく様子で据えられています。
壁面の、横筋の意匠もまた、様式美ですね。
お洒落な庇が印象的な、東西両翼端にある玄関。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
こちらは西翼の、西玄関とされていました。
金色の装飾を上品にあしらった軽快な意匠は、華やかそのもの。
庇の下から見上げると空が見える趣向も、素敵です!
日本唯一のネオ・バロック建築様式である、迎賓館本館の前庭参観をひとしきり堪能。
人波の途切れた一瞬、奇跡的にタイミングを捉えることができました^^
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
斜めからのアングルも、建物のカーブの優美な雰囲気を感じることができて、素敵な眺めですね。
車寄せの4基の石燈が、一列に整列している様子も、見応えがあります。
関東大震災でも倒壊しなかった、貴重な明治の西洋建築は、思っていた以上に魅力的でした。
また東京を訪れた機会には、もっとゆっくりと時間を割いて、立ち寄ってみたいですね。
その時には、本館の内部も是非、参観してみたいと思います。
図らずも、突発的に実現した、迎賓館の飛び込み駆け足参観。
一風変わった経緯から、この「真夏の東京マニアック旅」に加えることにしましたw
<真夏の東京マニアック旅 了>
<<真夏の東京マニアック旅-02>
東京滞在時には、定宿としているホテルの場所の関係で、これまでも、この迎賓館の壮麗な正門前から、西洋風の宮殿を彷彿とさせる華麗な建物を視界の片隅に入れながら、度々通り過ぎてはいたのでした。
今回、少々時間も空いていたこともあり、事前の申込不要で入場自由の、前庭を参観してきました。
<迎賓館赤坂離宮>
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
迎賓館の正門を入って、正面に本館を望みます。
夏真っ盛りの、8月のとある1日の14時前。
一見スッキリと写っている画像の雰囲気とは裏腹に、じっとしていても全身から汗が噴き出る、うだるような蒸し暑さ;;
朝から大汗をかいて済ませた私用の後、シャワーを浴びて一休みしてから、前の記事にした「君の名は。」カフェバスに乗車しようと、一旦宿泊していたホテルへと戻る道中、この迎賓館の正門前に差し掛かりました。
一般公開していた迎賓館の正門は開いていて、折しも、団体ご一行が正門前の横断歩道を渡っているところに出くわし、正門で入場整理をしていた警備員さん(制服着用)が、こちらへ歩み寄ってきました。
てっきり、団体ご一行を先に入場させる間、正門前の歩道を横切るのを少し待ってほしいと頼まれるのかと思いきや…
「よかったら、迎賓館見ていきませんか?」
え…???客引き?!
思いもよらなかった問いかけに目を瞬き、思わず「は?」と聞き返してしまいましたw
前庭の参観だけなら、今すぐからでも入場可能、とのこと。
そうと分かれば、呼び止められたのも何かの縁、夕方までまだ少し時間もあることだし、せっかくの機会なので、普段の生活とは全く縁のない世界の施設を、垣間見させてもらうことにしました。
入場時に、簡単な手荷物検査があります。
飲みさしのペットボトル飲料は、検査官の目の前でひと口、口に含んで飲んでみせれば、OK。
前庭の撮影もOKでしたが、いきなりの予期せぬ出来事ゆえ、コンデジをホテルに置いてきたことを後悔しつつ、スマホでの撮影となりました。
迎賓館本館へのアプローチの両側は、もの凄く手入れの行き届いた芝生が、広がっています!
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
流石に、外国の王族や首脳といった、VIPをもてなす施設ですね。
雑草一本目立たない、凄まじいまでの美しさに、目を見張りました!
多分、今まで私が目にしてきた中で、一番綺麗な芝生だと思います。
この芝生の庭園は、外国からの賓客に、日本の雰囲気を味わってもらおうと、このように黒松を配したそうです。
凝った噴水が大流行りな昨今、こうしたシンプルな洋風の噴水に、かえって魅かれてしまいます。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
清楚でストイックな雰囲気に、風格や気品を感じます。
噴水の背後に建つのは、衛士のための衛舎です。
正門から本館までのアプローチの東西両側に、噴水は配されています。
先程の、東側の噴水と対象の位置にあった、西側の噴水。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
前庭の参観を終えて、辞去する時に撮影。
真夏の明るい陽光を浴びて、涼やかな飛沫を輝かせつつ、振り舞いていました。
こちらの噴水の背後にも、東側のものと同じ造りの衛舎が、控えるように建っています。
迎賓館の華麗な本館の全容を一望することができるまでに、アプローチを進んできました。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
この迎賓館赤坂離宮は、明治42年(1909年)に、皇太子の居所たる東宮御所として建築されました。
日本唯一の、ネオ・バロック様式の西洋建築物であり、平成21年(2009年)には、「旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)」として、明治以降の文化財としては初めての国宝に指定されました。
建築後は、東宮御所から赤坂離宮へと変遷、戦後は皇室から国の所管へ移されて、国立国会図書館等の国の機関に使用されました。
その後、昭和42年(1967年)から昭和49年(1974年)に掛けて、外国の賓客をもてなす施設としての改修を施され、迎賓館として今日に至っています。
平成28年(2016年)4月から、一般公開を開始。
入場自由である前庭参観の他に、本館や主庭の参観も、原則ネットでの事前予約で(有料、申込多数時は抽選、当日整理券あり)可能です。
迎賓館本館すぐ前の、華麗な門前にて。
青に金という、日本では珍しい、華やかな色の取り合わせですね。
門の脇に立つ、左右対称の照明の上部も、金色にあしらわれています。
正に、別世界への入口ですw
門の傍らに立つのは、迎賓館を所管する内閣府の職員さんでしょうか。
暑い中大変でしょうが、せっかくの迎賓館公開なのだから、西洋宮殿風の雰囲気に沿う制服を決めた方がよろしいのでは?、と感じてしまいました。
前庭へと入ると、迎賓館の正面玄関へと、突き当たります。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
華麗さと重厚さとが、程良いバランスを保っているように感じられる、迎賓館の本館です。
一見、ヨーロッパのどこかの国の宮殿前にいるような錯覚を覚えますが、装飾に目を凝らしてみると、日本的な雰囲気を感じ取ることができます。
正面玄関の上の屋根の装飾は、鎧兜の意匠が!
外壁の装飾も、人物の彫刻が見当たらないあたりが、日本風ですね。
正面玄関の車寄せの石燈を、仰ぎ見ます。
本当に、ここは東京、日本ではない、異次元の世界に迷い込んだかのようです。
東京の都心のど真ん中に、空間を贅沢に使った、西洋建築が存在する事実に、改めて驚かされました。
建物中央の正面玄関から左右両翼へと描く、建物の美しいカーブも、魅力的です。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
縦長の窓の並ぶ眺めが、個人的に好きです。
屋根に飾られている鳥の意匠は最初、鶏冠の形から孔雀かと思いましたが、羽の様子等から、架空の霊鳥である、鸞(らん)のように思えます。
正面玄関の直上の部屋に、鸞の意匠が施された、「彩鸞の間(さいらんのま)」と呼ばれる部屋があることから、この屋根の鳥も恐らく、鸞なのでしょう。
正面玄関の、車寄せ。
緩やかなスロープは、花崗岩で舗装されています。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
見上げるファサード中央には、菊の御紋が。
元々、御所や離宮であったことの、証ですね。
石造りの建物の質感を、間近に実感します。
正面玄関の扉もまた、煌びやかですね。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
菊の紋章に加えて、五七の桐の紋章が左右の扉それぞれに、施されています。
把手も金色の、豪華な玄関扉です。
これほど金色を使っているのに、けばけばしくならない品の良さも、流石ですね。
先程の本館東翼と同様、西翼へのカーブも魅惑的。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
屋根上の鸞と思しき鳥の意匠も、東翼と同じく、羽ばたく様子で据えられています。
壁面の、横筋の意匠もまた、様式美ですね。
お洒落な庇が印象的な、東西両翼端にある玄関。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
こちらは西翼の、西玄関とされていました。
金色の装飾を上品にあしらった軽快な意匠は、華やかそのもの。
庇の下から見上げると空が見える趣向も、素敵です!
日本唯一のネオ・バロック建築様式である、迎賓館本館の前庭参観をひとしきり堪能。
人波の途切れた一瞬、奇跡的にタイミングを捉えることができました^^
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
斜めからのアングルも、建物のカーブの優美な雰囲気を感じることができて、素敵な眺めですね。
車寄せの4基の石燈が、一列に整列している様子も、見応えがあります。
関東大震災でも倒壊しなかった、貴重な明治の西洋建築は、思っていた以上に魅力的でした。
また東京を訪れた機会には、もっとゆっくりと時間を割いて、立ち寄ってみたいですね。
その時には、本館の内部も是非、参観してみたいと思います。
図らずも、突発的に実現した、迎賓館の飛び込み駆け足参観。
一風変わった経緯から、この「真夏の東京マニアック旅」に加えることにしましたw
<真夏の東京マニアック旅 了>
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