時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

長野・富山へ 美味しい年の瀬 列車旅-04~富山地方鉄道で魚津到着

2016-02-17 15:16:17 | 中部/日本
 長野から、まだまだ真新しさを感じさせる北陸新幹線で束の間の旅を楽しみ、黒部宇奈月温泉で下車、ここから富山県内に路線を持つ富山地方鉄道に乗り換えて、この日(この旅)の最終目的地、魚津(うおづ)を目指します。

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 時代の先端を行く新幹線から、郷愁漂う地方私鉄へ…暖かな雰囲気を纏った電車での、魚津までのノンビリ行程は、所要時間にすると、僅かに20分強。
 しかしながら、もう何十年もの間、この地を走り込んできたであろう電車の車内や停車駅の、旅情豊かな風情に接して、ゆったり穏やかな心地で魚津の地に立つことができました。



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 長野から46分と、1時間足らずの所要時間で到着した、黒部宇奈月温泉。
 ここで、北陸新幹線から富山地方鉄道へ乗り換えます。

 北陸新幹線の駅名は「黒部宇奈月温泉」ですが、ここを通る富山地方鉄道線の終着駅が「宇奈月温泉」であるために、北陸新幹線との乗換駅となる富山地方鉄道のこの駅は、「新黒部」の名称となっています。



 新黒部駅側からも、黒部の方向に連なる山並みを、眺めることができます。
 時刻は、もうすぐ16:30になろうかとしている頃…雲間から差し込んだ冬の夕陽にてらされた、雪で覆われた山肌が、美しくオレンジに染め上げられていました。

 北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅は、この画像の左端すぐの所にあります。



 地元では「地鉄」と呼ばれている富山地方鉄道の、新黒部駅のホームに設置されている駅名標。

 駅名標の背後、ガラス越しに、北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅が見えています。

 新黒部は、宇奈月温泉と富山とを結ぶ、富山地方鉄道本線にある駅。
 単線に1つだけのホームで、宇奈月温泉と富山の両方向への乗降を捌きます。



 富山方面への電車を待っている間、まずやって来たのは、これから向かう魚津方面からやって来た、宇奈月温泉行の電車。

 どこかで見たような、既視感のあるこの電車、自宅からの最寄駅がある京阪電車でかつて特急用車両として活躍していた車両でした。
 関西から遠く離れた場所で、こうして活躍している姿を見ると、懐かしさと嬉しさの、両方の感情が湧き上がってきますね^^



 何やら、ヘッドマークが取り付けられていました…。

 魚津市のイメージキャラクターのようです。
 富山地方鉄道 らしいですw



 切符にも、立山連峰や黒部峡谷らしき意匠が施されていました!

 切符の行先は電鉄魚津となっていますが、私の目的地はその1つ手前となる新魚津です。
 切符を買う時には、無意識に新魚津を電鉄魚津と勘違いして認識していたような気もします。。。
 幸いにも、新黒部からの運賃は、電鉄魚津も新魚津も同額でしたので、結果オーライということにしました(^^;)



 宇奈月温泉行の電車が出発して数分後、その走り去っていった方向から、電鉄富山行の電車が到着しました。
 宇奈月温泉の方向に聳える、黒部の山々…こうしてズームアップすると、一層の迫力で迫ってくるようです。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 時刻は、16:29。
 日没直前の、最後の日差しに輝く、美しい山肌に見送られて、新黒部を出発します!



 新魚津へと向かう、電車の車内。
 古いながらも、丁寧に造り込まれた頑丈な車体と、ゆったりしたシート…今日びの安っぽく薄っぺらな印象が拭えない、日本各地に増殖する新造車両にはない、重厚感と不思議な寛ぎ感に身を委ねていると、走行中の揺れまでもが心地よく感じていました♪

 私が乗車していたこの車両は、14720形という形式の制御車である、クハ170形という形式のようです。
 昭和37年(1962年)に製造された、平成27年(2015年)12月現在で、富山地方鉄道最古の車両とのこと。
 もう、半世紀以上にわたり、富山の地を駆け巡っているのですね…情感溢れる車内の風情なのも、納得です。

 網棚も、その名のとおり、網が張られていました。



 途中の電鉄黒部で、4分間停車。
 こぢんまりとしていながら、3つあるホームの全てを覆う大屋根が貫禄を感じさせる、黒部市の中心的な駅です。

 電車離合のための長時間停車(といっても4分間ですが)と思いましたが、対向電車は現れず、単なる時間調整のようでした。



 こうして、電車がこれから進む行く手へ向けて延びていくレールを見ていても、ワクワクと気分が高揚する旅情を感じます!
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 この行く手に延びる富山地方鉄道本線のレール、電鉄黒部を富山方面へと出発すると間もなく、北陸新幹線の金沢延伸開業と同時にJR西日本から並行在来線として経営分離された、北陸本線改め「あいの風とやま鉄道線」となった路線を、左へカーブを描きながら跨ぎ、魚津市へと入っていきます。



 新黒部を出発して23分後の16:52、新魚津に到着。
 この日の朝に、大阪から長野を経てきた大回りの行程の目的地へ、辿り着きました!

 画像の右隣すぐが、あいの風とやま鉄道線(元北陸本線)の魚津駅となっています。
 新魚津駅と魚津駅とは、別会社で改札は別々に設けられていますが、同じ場所にある、事実上同一の駅で、両社路線の乗換駅でもあります。



 私が新黒部から乗車してきた電鉄富山行の電車は、ここ新魚津で、宇奈月温泉行の電車と離合のために、少々出発待ち。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 富山方面からやって来た電車は、14760形
 昭和54年(1979年)製造の、こちらもベテラン電車。
 富山地方鉄道オリジナルの車両同士の、離合でした。



 新魚津の駅名標。

 駅名に「新」と付いているものの、時の流れを感じる雰囲気に包まれていた新魚津駅。
 黄昏時と相俟って、郷愁たっぷりの情感に浸ることができたホームでした。



 ホーム部分はレトロな新魚津駅ですが、現在はホーム端にある改札口から階段で地下通路と繋がっています。

 地下通路へと至る階段の新しさとの、奇妙なギャップが印象的でした。

 案内標識の右方向にある、「あいの風とやま鉄道 魚津駅」の表記は、かつては「JR 魚津駅」であったのでしょうね。



 地下通路から階段を上がるとすぐ、あいの風とやま鉄道 魚津駅の駅舎があります。
 夕暮れ時、静かに佇む素敵な風情に、しばし見とれていました。

 北陸新幹線の金沢延伸開業までは、「特急銀座」JR北陸本線の主要駅として、新潟、越後湯沢、金沢、大阪へと直通する数多くの特急が停車していた魚津駅。
 北陸新幹線の開業に伴い、これらの特急は全廃されて姿を消し、地域輸送を担う第三セクター、あいの風とやま鉄道の拠点駅の1つとして、新たな使命を帯びた歴史を刻み始めました。

 他都市へのアクセスの利便性は確実に低下し、街の今後の発展に関わる厳しい現実ですが、何とかこの逆境をバネに、魚津の奮起を期待したいです!
 「ミラたん」もいることだし、頑張って~(^o^)/
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 魚津駅前正面から、東へ一直線に伸びる大通り。
 片側2車線の広々とした通りと、同じく広々な歩道…点った街灯が整然と並び、空の広さも同時に感じることのできた、素敵な魚津の景観でした。

 予約してあった「魚津マンテンホテル駅前」は、魚津駅から歩いてすぐの所に建っていました。



 チェックイン後、部屋で一休み。

 魚津マンテンホテル駅前、ロビーも部屋も綺麗なホテルで、シングルルームもゆとりのスペースでした♪
 枕もしっかり固めで、柔らか枕が苦手な私には嬉しい仕様^^
 露天風呂やサウナまで完備の大浴場付きと、言うことなしの充実設備でした。

 富山まで、あいの風とやま鉄道で25分前後で行けますし、黒部や宇奈月温泉方面へのアクセスの良さも考えると、この快適なホテルは、憶えておいて損はないと思います。



 部屋から眺めた、魚津の夕景。
 灯りの点り始めた夕暮れの街の姿に、感情を揺さぶられます。
 雲と夕焼けの絡み合いも、情感豊かですね。

 弧を描くように富山湾に臨む海岸線が、この夕暮れ時にこんなにもはっきりと、街と海とを区切って見えるとは思いませんでした。



 一息ついたところで、時刻は17:30を迎えました。
 既に外は、夜の帳が降りて真っ暗。

 少し早い目の時間ですが、夕食へと繰り出します。

 街の名前からして、期待が膨らんでしまう魚津♪
 「天然の生け簀」富山湾に臨む港町の味覚を、胸躍らせながら思い浮かべつつ、ホテルから出掛けました。

 <長野・富山へ 美味しい年の瀬 列車旅-05>>



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2 コメント

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Unknown (タヌ子)
2016-02-22 05:56:03
レトロな富山地方鉄道の車両、ゆったりしててその時代の余裕を感じますね。
白いシートカバー、日本ならではですね。
オレンジと緑の電車、湘南電車を懐かしく思い出しました。
マンテンホテル、私も金沢で2回利用しましたが、清潔で温泉付きでリーズナブルな料金。
朝食も充実しててすっかり気に入りました。
魚津での初ご飯、どんなものが出てくるのか、楽しみなような、怖いような…(笑)
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タヌ子さん。 (taろう)
2016-02-22 21:26:03
製造後半世紀を経てなお、大切に手入れされて走り続ける車両には、利用されてきた趣を感じることができて、車内も和らぎと落ち着き溢れる空気に満ちて、心地の良いものでした。
臙脂のシートに白いカバー、今なお華やいだ雰囲気を醸し出していますね。
今日では、他社からの中古車導入を余儀なくされるとはいえ、「目利き」は確かなようで、良い車両を購入しています^^
マンテンホテル、全国展開して欲しい位の、素敵なビジネスホテルです!
「魚の津」と書く位ですから、この後の夕食、それはそれは期待が膨らんでしまいましたw
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