リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

伊藤若冲 モザイク画の系譜 補遺

2010-05-03 13:53:31 | アユの流し目/雑記帳
朝日新聞

 若冲屏風は本人の作? より


この中で以下のように紹介されている。

東京大学 佐藤康宏教授(日本美術史)の説

■「工房作や後世の模倣」

 佐藤氏の論文は、東京大学・美術史学研究室の紀要に掲載された「若冲・蕭白(しょうはく)とそうでないもの」。そこで「樹花鳥獣図屏風」(以下「樹花」)を「工房作」、「鳥獣花木図屏風」(以下「鳥獣」)を「模倣作」と指摘した。若冲作とされる桝目描きの作品は、ほかに「白象群獣図」(以下「白象」)がある。

 佐藤説はこうだ。

 まず「白象」について。(1)印章を押した紙が張ってある(2)若冲の描く形に通じるものがある(3)極めて手の込んだ方法で制作されている――ことから、通説通り若冲作とした。

 同図では9ミリに区切った約1万個の方眼の内側を二重の正方形に塗り分けている。目的について佐藤氏は「織物に描いたように見せるため」とみる。

 一方、「白象」と他の二つの屏風を比較し、「樹花」「鳥獣」の順に若冲作から遠くなる、と位置づける。

 二つの屏風に署名や印章はない。桝目の塗り分けについて「樹花」を「ひどく粗雑」、「鳥獣」を「ていねいだが『白象』の彩色の論理を完全に放棄している」とみる。

 また、動物の形態について、「樹花」を「ゆるみはあるが若冲の形に近い」とし、「鳥獣」のモザイクのような形については「形態の単純化と鈍化が目立つ」とする。

 論文では「『樹花』は若冲の下絵を元に弟子が描き彩色した工房作。『鳥獣』は作者不明の模倣作」と結論づけた。


 以上

 

 ボクは結局、これらの3作を見たことになるのだが、果たして真贋についてはどうだろう。
 モザイク画の系譜 より

 印象として「樹下」にしても、鳥の書き方が下手すぎる。鶏なんかはプロポーションからして他の鶏図とは別物だし、オシドリについては酷い出来だ。
 「鳥獣」は華やかだけど、もっとも若冲から遠いというのは 佐藤説の通りだと思う。

 それにしても、ことさらこの2枚の屏風をもって若冲とする必要は無いようににおもうけどね。


 
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