リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

さらば ヴィエンチャン

2010-03-27 12:13:51 | メコン川研究所(メコンの目改題)
この場所が、2年前はメコン川の岸辺だった。
岸沿いに、露天が店を開いていた。そのプラスチックの椅子に座って、ビアラオを飲む。ビエンチャンというのもなかなかいい街だと思った。

 その場所はいま、こんな有様となっている。

 初めて来たとき、この堤防からはなだらかなヨシ原が続いていて、水辺には小舟がもやってあった。
 水辺に近づいた時、サワサワサワという音にならないような気配がした。
砂泥地に開いた小さな穴がその音の主のようだった。
 なんの穴か?といぶかっていると、通りかかった男性が、肩にした櫂でその部分を掬って見せた。

 そこには、おびただしい、ミミズがいて、驚くべきスピードで、穴に潜り込んでいった。
 このミミズたちが、莫大な有機物を分解してメコン川を浄化し、また、多くの魚を養っているのだな。
 メコンの秘密にすこし、ふれた気がした。


 そのミミズたちも、いまでは、深い硬い、乾いた土のしたに眠ることになった。


 渇水の時期ではあるが、メコンの水辺は遙かに遠く、すこしの露天が元の岸辺に取り残されたように店を開いていた。




 ラオスで初めてというコンクリートの護岸を造っている。韓国からの援助だという。
 護岸を固めてしまうと、水辺の環境が変わって、ミミズがいなくなるだろうと思っている。
 
 ところで、ラオス大学の生物学教室に行くと、奥まった良い場所にミミズの標本があった。ミミズの研究者が在籍しているのだという。そして、その研究の援助を行っているのは韓国政府であるということだ。
 たまたまの偶然か、ラオスのミミズ専門家をいち早く、取り込んでしまったのか? それは定かではないのだが…。

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