政策としての有機農法が環境とどうかかわるか、気になるテーマとなっている。
有機農業に新時代 データ農法に高い関心(神戸新聞) - goo ニュース
☆テキスト版
有機農業に新時代 データ農法に高い関心
2007年3月4日(日)11:38
* 神戸新聞
環境に優しい方法で作物を育てる「有機農業」が、変わろうとしている。国や地方自治体が普及する責任を定めた「有機農業推進法」が昨年十二月に施行され、増産への取り組みが二〇〇七年度から始まるためだ。こうした動きを追い風に、生産現場では土壌分析などで得られたデータに基づく農法が注目を集め、若い農業者の参入も相次いでいる。これまでは“勘と経験”に依存することが多かった有機農業が新時代を迎えようとしている。
「害虫が発生したとき有機農業ではどう対策すればいいのか」「どんな人を対象に普及すればいいのか」-
二月十六日、神戸市北区で、兵庫県やJA兵庫六甲の営農担当者約十人を集めて有機農業の普及のあり方を考える会合が開かれた。主催は特定非営利活動法人(NPO法人)兵庫県有機農業研究会(神戸市)。メンバーの研究者や栽培のプロを前に、現場で指導役となる担当者から切実な声が相次いだ。
背景には推進法によって都道府県に有機農業普及の計画作りが義務付けられることがある。現在、有機農産物の生産量は全体の0・16%程度。そうした中で、栽培技術の確立や生産者支援を進める施策が始まると、行政やJAも具体的な対応が求められるのだ。
農水省は現在、基本方針を策定中。今後五年間の目標として、全都道府県で推進体制を整備する▽産官学で安定生産の技術体系を作る-という案を掲げる。同省は「広く意見を集めて、三月末にも方針を決定したい」とする。
■ ■
こうした政策的な動きに合わせて生産現場では栽培技術に対する関心がこれまでになく高まっている。これまで有機農業は個人の力量に依存した栽培が多かったが、新法の施行で、より科学的で普及しやすい農法が求められてくるためだ。
県有機農業研究会は、栽培コンサルタント会社ジャパンバイオファーム(長野県)の小祝政明代表を講師とした研修会を三年前から続けている。
小祝さんは有機農業研究では有名な存在。その主張は明快で、「化学肥料よりも有機肥料の方が、味、栄養、収量で優れている」とする。
小祝さんによると、有機肥料にはタンパク質に変わるアミノ酸が多く含まれ、「根から取り込める分だけ野菜の成長が進む」。こうした力を発揮させるには土の微生物と鉄やマグネシウムといったミネラルのバランスが取れていることが必要という。「自分の田畑の健康状態を知るための土壌分析と植物の生理の理解が欠かせない」とする。
「農薬を使えない有機農法は収量が少ない」というこれまでの“常識”を覆す理論に基づき、全国で多収量の有機農業者を増やしている。兵庫の研修会でも、若手が全体の半数を占める人気となっている。
県有機農業研究会事務局の兼田幸子さん(58)は「『手応えがある』『農業が面白くなった』という声が多い。今回の推進法をきっかけに有機農業を広めていきたい」と意欲を見せている。
有機農業に新時代 データ農法に高い関心(神戸新聞) - goo ニュース
☆テキスト版
有機農業に新時代 データ農法に高い関心
2007年3月4日(日)11:38
* 神戸新聞
環境に優しい方法で作物を育てる「有機農業」が、変わろうとしている。国や地方自治体が普及する責任を定めた「有機農業推進法」が昨年十二月に施行され、増産への取り組みが二〇〇七年度から始まるためだ。こうした動きを追い風に、生産現場では土壌分析などで得られたデータに基づく農法が注目を集め、若い農業者の参入も相次いでいる。これまでは“勘と経験”に依存することが多かった有機農業が新時代を迎えようとしている。
「害虫が発生したとき有機農業ではどう対策すればいいのか」「どんな人を対象に普及すればいいのか」-
二月十六日、神戸市北区で、兵庫県やJA兵庫六甲の営農担当者約十人を集めて有機農業の普及のあり方を考える会合が開かれた。主催は特定非営利活動法人(NPO法人)兵庫県有機農業研究会(神戸市)。メンバーの研究者や栽培のプロを前に、現場で指導役となる担当者から切実な声が相次いだ。
背景には推進法によって都道府県に有機農業普及の計画作りが義務付けられることがある。現在、有機農産物の生産量は全体の0・16%程度。そうした中で、栽培技術の確立や生産者支援を進める施策が始まると、行政やJAも具体的な対応が求められるのだ。
農水省は現在、基本方針を策定中。今後五年間の目標として、全都道府県で推進体制を整備する▽産官学で安定生産の技術体系を作る-という案を掲げる。同省は「広く意見を集めて、三月末にも方針を決定したい」とする。
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こうした政策的な動きに合わせて生産現場では栽培技術に対する関心がこれまでになく高まっている。これまで有機農業は個人の力量に依存した栽培が多かったが、新法の施行で、より科学的で普及しやすい農法が求められてくるためだ。
県有機農業研究会は、栽培コンサルタント会社ジャパンバイオファーム(長野県)の小祝政明代表を講師とした研修会を三年前から続けている。
小祝さんは有機農業研究では有名な存在。その主張は明快で、「化学肥料よりも有機肥料の方が、味、栄養、収量で優れている」とする。
小祝さんによると、有機肥料にはタンパク質に変わるアミノ酸が多く含まれ、「根から取り込める分だけ野菜の成長が進む」。こうした力を発揮させるには土の微生物と鉄やマグネシウムといったミネラルのバランスが取れていることが必要という。「自分の田畑の健康状態を知るための土壌分析と植物の生理の理解が欠かせない」とする。
「農薬を使えない有機農法は収量が少ない」というこれまでの“常識”を覆す理論に基づき、全国で多収量の有機農業者を増やしている。兵庫の研修会でも、若手が全体の半数を占める人気となっている。
県有機農業研究会事務局の兼田幸子さん(58)は「『手応えがある』『農業が面白くなった』という声が多い。今回の推進法をきっかけに有機農業を広めていきたい」と意欲を見せている。
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