2012年に激減した琵琶湖のアユの産卵数が今年は二年目にして10倍に回復したという。
ただし、まだ平年の半分程度。アユの産卵は例年よりも2週間ほど 早いようだったが、ビワマスの産卵数も少なかったし産卵遡上も遅かった。琵琶湖に何かが起こっている?または何かが起きていない!
滋賀)アユの産卵、2年で10倍 県水産試験場が調査
坂田達郎
2014年12月21日03時00分
県水産試験場(彦根市)が9~10月、県内11河川で琵琶湖のアユの産卵数を調べたところ、平年の約65%にあたる71億粒を確認でき、過去最低だった2年前の7億粒から回復傾向にあることがわかった。試験場は、産卵数が激減した原因や生息に適した環境を調査している。
主要な産卵場の野洲川や安曇川、姉川など11河川で9月1日~10月29日、5回にわたり調べた。2004年以降、10年に252億粒を記録するなど年平均110億粒で推移。しかし、12年は7億粒と激減し、13年は45億粒となっていた。
アユは産卵期の9月初めごろ遡上(そじょう)する。今年は台風で川が増水。遡上に適した水温まで下がったため、平年より半月ほど早い8月半ばに遡 上が確認されていた。川にはアユを食べるカワウが多いため、産卵への影響が懸念されたが、9月半ばの3日間に37億粒が確認されるなど71億粒を確認でき たという。
県は毎年、8月末ごろからアユの親魚12トンを放流。12年は産卵が減ったため7トンを追加し、13年は23トンを放流するなどの対策を取った。今年は平年通りの12トンに戻していた。
水産試験場の担当者は「産卵の回復が確認でき、安心した。2年前の産卵数の激減はエサの動物プランクトンが減ったことが一因とみられるが、原因は特定できていない。引き続き調べたい」と言う。
今月1日に始まった稚魚のヒウオ(氷魚)漁も順調で、県漁業協同組合連合会によると、水産業者から注文のあった23トンは10日間で漁獲でき、平年並みだという。
県は今年度、県内の8研究機関が連携し、琵琶湖の課題解決に取り組む「琵琶湖環境研究推進機構」を新設。「在来魚のにぎわい復活」をテーマに掲げている。県水産課の担当者は「研究機関の成果を共有して現状を多角的に把握し、琵琶湖漁業を支えるアユなどの在来魚を増やしたい」と話している。(坂田達郎)
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