すでに日本各地で大量に導入されているメガソーラーでは、いま頻繁に「出力抑制」が行われています。太陽光パネルは、電力需要があろうがなかろうが、日が照れば一斉に発電してしまうので、電気が余ってしまいます。そのため、余った電気は捨てているのです。
電力の供給が需要量を越えてしまうと、電圧が上がったり、周波数が上がったりして、電気の品質が損なわれるからです。「電気を捨てることを回避するため蓄電池や送電線を建設すればよい」という意見もありますが、それではますますコストがかさみます。
また、太陽光発電は「電力不足」という弊害ももたらしています。「発電」したら「電力不足」になる、というのはいったいどういうことでしょうか。
何が起きているかといえば、莫大な補助を受けた太陽光発電が大量に導入されてきたことで、火力発電所は稼働率が低下して採算が合わなくなり、休廃止を余儀なくされました。このため、電力不足が常態化するようになったのです。
太陽光発電システム導入のコストは、建築主だけが負うわけではなく、むしろ、国民全体が負うことになります。東京都による義務化は都民にだけ関係しているわけではなく、国民全体への負担となっているのです。以下では、その金額を具体的に計算してみましょう。
負担のツケはすべて一般国民へのしかかる
「1kWの電気1時間分の発電コストを、ほかの発電方法と比較すると太陽光発電は安い」という意見をよく聞きます。2020年当時の発電コストは、事業用太陽光発電で1kWhあたり12.9円でした。資源エネルギー庁は、2030年には1kWhあたり8.2円から11.8円程度まで安くなるとしています。
しかし、安くなるといっても、太陽光発電は欲しいときに発電してくれるわけではないので、実際にはあまりありがたくないのです。
実は太陽光発電は全然“安く”ありません。
太陽光発電は日照に左右されるので、日照のないあいだは火力や原子力などの既存の発電所が電気を作ります。太陽光発電システムを導入したことで、国民全体が節約できるお金というのは、天気の良いときに火力発電所で燃料の消費量を減らせる分だけです。
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