史上初、ウナギ天然卵採取 東大など マリアナ諸島沖で(産経新聞) - goo ニュース
謎とされてきたニホンウナギの産卵場が確認された。
これは画期的なことだとおもう。もう少しという段階が続いただけに、研究チームの喜びはいかばかりかと思う。
ところで、不思議に思ったのはこの発見がなされた時期だ。
以下の記事によると2009年の5月22日とされている。DNAの確認などに時間が要するとは思えなくて、どうして今になっての発表かとも思う。
国内向けの発表が予算措置への対応だろうとは思うのだが、少なくとも昨年の今頃、あるいは、昨年の水産学会などで発表する機会はあったと思う。
まぁ、些末な話ではあるのだが、昨年はニホンウナギの完全養殖の成功が報じられていた。
そのニュースにウナギの産卵場発見という大ニュースが霞んでしまわないようにという配慮があったのかもしれない。などと考えてみたりする。
ともあれ、塚本先生おめでとうございます。
史上初、ウナギ天然卵採取 東大など マリアナ諸島沖で
■資源保全・養殖技術向上へ
日本列島から南に約2千キロのマリアナ諸島沖で、ニホンウナギの卵を採取したと、東京大と水産総合研究センターの研究チームが1日付の英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表した。人類が初めて目にした天然ウナギの卵だ。世界的に激減しているウナギ資源の保全や養殖技術向上への貢献が期待される。
東大大気海洋研究所の塚本勝巳教授らは2009(平成21)年5月22日、グアム島の西のマリアナ海嶺(かいれい)南端の海山が並ぶ海域で、ニホ ンウナギの受精卵31個を採取した。卵は受精から1日半後には孵化(ふか)するので、船上で遺伝子解析を行い、ニホンウナギと確認。直径1・6ミリほど で、受精後約30時間。産卵水深は約200メートルと推定される。
卵が採取されたのは新月の2日前。ニホンウナギは海山付近で新月のころに産卵するという塚本教授の「海山仮説」と「新月仮説」が完全に証明された。
また、産卵期の親ウナギも捕獲され、ニホンウナギが複数回産卵を行うことや、オオウナギも同じ海域で産卵していることなどが分かった。
水産総合研究センターは10年に、ウナギの完全養殖に成功しているが、稚魚(シラスウナギ)に育つ割合が低く実用化の壁になっている。天然ウナギの産卵生態や環境が分かると、最適な餌の開発などに生かせると期待される。
古代ギリシャの哲学者、アリストテレスは「ウナギは泥の中から自然発生する」と書き残した。卵を持った親ウナギや、生まれてまもない稚魚が見つからなかったからだ。ウナギの産卵場所は、20世紀初めまで知られていなかった。
1920年代に、大西洋のバミューダ島の南にあるサルガッソー海がヨーロッパウナギの産卵場所だと分かり、60年代からは太平洋でニホンウナギの 産卵場所調査が本格化。2005年には塚本教授らが孵化後2日目の仔魚(しぎょ)(プレレプトセファルス)を採取し、マリアナ諸島沖の産卵場所を絞り込ん でいた。
南の海で生まれた仔魚は、北赤道海流と黒潮に乗って日本や台湾、中国、韓国の近海にたどりつき、シラスウナギに姿を変えて河川を遡上(そじょう) する。塚本教授によると、仔魚が採取される海域が南下する傾向があり、こうした変化がシラスウナギの資源量激減に関与している可能性がある。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます