リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

さくら咲く

2010-06-13 18:03:24 | アユの流し目/雑記帳
久方ぶりの満開だからさくらを見に行こう。
友人がそんな事を言う。

 そのサクラは例年、ツグミに花芽を食べられて、大樹には似合わないささやかな花の季節を迎えるだけだった。
 ダム湖に沈む運命を救われてたという美談のサクラは、春の鳥たちの食欲から花芽を守るために、巨大な網に包まれて春を迎える。
 サクラの姿も哀れだが、鳥たちにしても、豊かだっだだろう花の里が水底に沈んで、唯一残ったさくらの大樹たちに糧を求めたといって、責められる筋合いのものでは無い。
ダム開発の美談の象徴のようなそのサクラは、サクラが故郷を失った人々の縁として紹介されているだけに、ボクはそのサクラがあまり好きではなかった。

 今年は、花の季節がおくれ、山の雪解けは遅く、さくらは5月連休に満開になった。
 その他の、サクラ、道路沿いに植えられたソメイヨシノなども満開になって、そんなこともあるのだろうか、食害は少なかったものらしい。
 昔、この地で暮らしたという方が、久しぶりの満開だと話されていた。


 夜のサクラを見た。恥ずかしながら感動した。

 翌朝、昼のサクラを見た。
 晴れわたった空の元で、サクラは空を行く雲にもまして、光を放っていた。美しいものだと思った。

 その日は、亡くなった友人を仲間達が弔うために、皆で山小屋に集ったのだった。その山小屋は友人兄弟と仲間達が自分たちで作り上げたものだった。

 ボクは知らなかったのだが、その山小屋には、ダムで沈んだ徳山の小学校の備品、机や椅子、そして廃校になった校舎の階段が運ばれて、使われていた。

 亡くなったSさんは、徳山の小学校で教鞭を執られていた方だった。

 ありがとうございました。
 サクラ 見せてくれたんだね。
 荘川のさくらを。


 荘川桜

 













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1 コメント

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高速 (けら)
2010-06-14 12:25:14
東海北陸道が貫通して
GW前の荘川桜渋滞にハマらなくてよくなったのは
とても嬉しいことです

あの頃は通常所要時間プラス2時間を
みとかないと遅刻してしまう状態でした
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