【from Editor】そんな組織は解散すべし(産経新聞) - goo ニュース
ミドリ十字は生きている
事件を同じ思いで追った署名記事があった。
☆テキスト版
【from Editor】そんな組織は解散すべし
産経新聞2010年5月11日(火)08:00
組織の名前を変えても、過去の悪い体質は変わらない。先日それを痛感したニュースがあった。
どこぞの政党や役所の話ではない。製薬会社に関するニュースだった。厚生労働省が4月、田辺三菱製薬と子会社を業務停止処分にした。新薬承認に必要なデータの不正差し替えや、捏造(ねつぞう)をしていたためだ。
「しまった!」と1年前の自分を悔いた。不正の話は知っていた。自分が厚労省担当だった昨年3月、田辺三菱製薬が不正を公表し、それを記事にした。
悔いたのは、同社の調査委員会の報告に「ミドリ十字」の関与が指摘されていたからだ。
旧ミドリ十字と関連企業が製造した薬は、過去に薬害エイズ、薬害肝炎などを起こしている。繰り返された合併で社名は消えたが、ミドリ十字の血統を継ぐ組織は生き残っていた。
今回不正を行った田辺三菱の子会社は、旧ミドリ十字出身者らが管理職だった。
調査委員会の報告書には「旧ミドリ十字で繰り返し指摘された利益重視、安全性軽視の姿勢が、重要な要因であったことは否定できない」「旧ミドリ十字の企業文化や体質に起因するとの見方も可能である」とあった。
報告書に書かれているような内容をえぐり出す取材をすることこそ、1年前の自分が直面していたテーマだったのではないか。そんな思いにかられた。
同時に脈々と受け継がれてきたミドリ十字のずさんな体質に憤りを覚えた。薬害C型肝炎訴訟などの取材で、同社を吸収した田辺三菱などが、製薬の安全を繰り返し誓う姿を見てきたからだ。
同列に扱うことに迷いがあるのは確かだが、ミドリ十字と、最近のオウム真理教が重なるように思えて仕方がない。
「アレフ」「ひかりの輪」などと名を変え、口では「反省」を繰り返しながら、いまだに事件を生んだ教義を脈々と受け継ぐ彼ら。損害賠償の支払いを拒み、自分たちの権利だけを主張するなど、独善的な思考も以前のままだ。被害者の中には「組織が続く限り痛みは消えない」「早く解散して」と訴え続ける人も多い。
同じく、過去の体質がまったく改められないミドリ十字。薬害被害者らからは「あきれた」といった声が出ている。
この際、田辺三菱の中で旧ミドリ十字を引き継ぐ部分は、解散してしまったらどうか。(副編集長 赤堀正卓)
ミドリ十字は生きている
事件を同じ思いで追った署名記事があった。
☆テキスト版
【from Editor】そんな組織は解散すべし
産経新聞2010年5月11日(火)08:00
組織の名前を変えても、過去の悪い体質は変わらない。先日それを痛感したニュースがあった。
どこぞの政党や役所の話ではない。製薬会社に関するニュースだった。厚生労働省が4月、田辺三菱製薬と子会社を業務停止処分にした。新薬承認に必要なデータの不正差し替えや、捏造(ねつぞう)をしていたためだ。
「しまった!」と1年前の自分を悔いた。不正の話は知っていた。自分が厚労省担当だった昨年3月、田辺三菱製薬が不正を公表し、それを記事にした。
悔いたのは、同社の調査委員会の報告に「ミドリ十字」の関与が指摘されていたからだ。
旧ミドリ十字と関連企業が製造した薬は、過去に薬害エイズ、薬害肝炎などを起こしている。繰り返された合併で社名は消えたが、ミドリ十字の血統を継ぐ組織は生き残っていた。
今回不正を行った田辺三菱の子会社は、旧ミドリ十字出身者らが管理職だった。
調査委員会の報告書には「旧ミドリ十字で繰り返し指摘された利益重視、安全性軽視の姿勢が、重要な要因であったことは否定できない」「旧ミドリ十字の企業文化や体質に起因するとの見方も可能である」とあった。
報告書に書かれているような内容をえぐり出す取材をすることこそ、1年前の自分が直面していたテーマだったのではないか。そんな思いにかられた。
同時に脈々と受け継がれてきたミドリ十字のずさんな体質に憤りを覚えた。薬害C型肝炎訴訟などの取材で、同社を吸収した田辺三菱などが、製薬の安全を繰り返し誓う姿を見てきたからだ。
同列に扱うことに迷いがあるのは確かだが、ミドリ十字と、最近のオウム真理教が重なるように思えて仕方がない。
「アレフ」「ひかりの輪」などと名を変え、口では「反省」を繰り返しながら、いまだに事件を生んだ教義を脈々と受け継ぐ彼ら。損害賠償の支払いを拒み、自分たちの権利だけを主張するなど、独善的な思考も以前のままだ。被害者の中には「組織が続く限り痛みは消えない」「早く解散して」と訴え続ける人も多い。
同じく、過去の体質がまったく改められないミドリ十字。薬害被害者らからは「あきれた」といった声が出ている。
この際、田辺三菱の中で旧ミドリ十字を引き継ぐ部分は、解散してしまったらどうか。(副編集長 赤堀正卓)
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