山形県は8日、初の県産サーモン「ニジサクラ」が令和5年度から本格デビューするとして「ニジサクラブランド推進協議会」を設立した。県内のホテルや旅館、飲食店で限定販売していく。全国各地で「ご当地サーモン」が人気を呼ぶ中、後発の山形サーモンとして産地間競争への参入となるが本格出荷となる5年度は約5000匹の出荷を目指す。
平成25年の開発開始から苦節10年での本格デビューとなったニジサクラは、県内水面水産研究所(米沢市)で、県魚のサクラマスのオスと、東根市が養殖発祥地とされるニジマスのメスを掛け合わせてつくった新魚種。
産卵などで魚肉の味が変化しないよう、すべてメスになるような掛け合わせをして栄養を身に集め、うま味を凝縮させる。その結果、上品な味わいで魚肉のやわらかさが定評のサクラマスのよさをニジサクラも受け継いだ。3年かけて1キロ超にして出荷する。
一部の旅館ではすでに提供を始めているところもあるが、県水産振興課の土田美穂子課長補佐は「刺し身でもよいし、和洋中のさまざまな料理にも合う」という。設立総会の開かれたホテルメトロポリタンで2品披露した後藤博甲総料理長の新メニューには、香草ソースの低温調理のニジサクラが提供されたが、試食した人からは「肉がやわらかく、とろけそうだ」と好評だった。
ニジサクラの養殖業者は9社だが、11社に増やし、5年度以降の年間出荷数は約5000匹(約6トン)にまで生産規模の拡大を進めていく。
4月以降、県内のホテルや旅館、飲食店に限定して出荷され、新メニューが登場する予定だが、後発のご当地サーモンのニジサクラは今後、認知度アップが問われてくる。
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