ナショナルジオグラフィック 日本版web より
このところ関心を持っているメコン本流ダム計画について、ナショナルジオグラフィック 日本版が報じている。
滝にダムを作るとなぜメコンオオナマズが絶滅するのか?
こちらの動画がわかりやすいと思う。
低解像度 こちらから
高解像度 こちらから
メコン河のラオスカンボジア国境近くには、浅瀬が連続する地方がある。その場所では巨大な滝が連なっていて魚の移動を妨げているのだが、一カ所だけ雨季でも乾季でも魚が移動できる水路がある。その水路(分流とてもいうか?)フー サホンを堰き止めてダムを作ろうという計画があるのだ。
ダムの計画されている フー サホンの映像ただいま、YOUTUBEでの配信準備中
☆テキスト版
ダムに脅かされている世界最大のナマズ
Stefan Lovgren at Khone Falls, Cambodia
for National Geographic News
April 8, 2008
ラオスが建設を予定しているダムのために、絶滅危惧種に指定されている巨大ナマズの姿がメコン川から消えてしまうかもしれない。
メコン川は、中国、ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムの6カ国を蛇行しながら海に注いでいるが、カンボジアとの国境線近くに位置するラオスのコーン滝に巨大な水力発電ダムを建設する計画がある。この計画が実現すれば、東南アジアから手付かずの自然の一つが永久に失われてしまうだろう。
先ごろ、ラオスの首都ビエンチャンで関係各国の首相による地域サミットが開催されたが、メコン川の将来が重要な議題の1つとなった。ラオスがメコン川に計画している五つのダムのうちの1つであるコーン滝のドンサホン・ダムが建設されると、最低水位に回遊魚が通過できていた川の最深部が封鎖されてしまう。それらの回遊魚の1つに、絶滅危惧種であるメコンオオナマズが含まれているのだ。このナマズはいままで捕獲された淡水魚のうちで最大のものと記録されている。
「コーン滝のダムの建設で回遊ができなくなれば、メコンオオナマズは絶滅するかもしれない」と、ネバダ大学リノ校の漁業生物学者で、ナショナルジオグラフィック巨大魚保護プロジェクトのリーダーも務めているゼブ・ホーガン氏は言う。同氏は「かつて巨大ナマズはメコン川流域の至るところにいたが、 20世紀にその総数の95~99%が減少してしまった」と語る。
コーン滝付近の漁師は、巨大ナマズがその区域を通って回遊することを昔から知っていた。漁師たちは巨大魚をターゲットとはしないが、ときどき対象魚に交じって捕獲されてしまう。巨大ナマズの発見総数が最も多いカンボジアでは、昨年、8種類の巨大魚が捕獲された。メコン川の巨大ナマズに対する差し迫った最大の脅威は漁獲であるが、「ダムや生息環境の分割は動物の繁殖能力に悪影響を与える可能性がある」とホーガン氏は話している。
Photograph by Suthep Kritsanavarin
このところ関心を持っているメコン本流ダム計画について、ナショナルジオグラフィック 日本版が報じている。
滝にダムを作るとなぜメコンオオナマズが絶滅するのか?
こちらの動画がわかりやすいと思う。
低解像度 こちらから
高解像度 こちらから
メコン河のラオスカンボジア国境近くには、浅瀬が連続する地方がある。その場所では巨大な滝が連なっていて魚の移動を妨げているのだが、一カ所だけ雨季でも乾季でも魚が移動できる水路がある。その水路(分流とてもいうか?)フー サホンを堰き止めてダムを作ろうという計画があるのだ。
ダムの計画されている フー サホンの映像ただいま、YOUTUBEでの配信準備中
☆テキスト版
ダムに脅かされている世界最大のナマズ
Stefan Lovgren at Khone Falls, Cambodia
for National Geographic News
April 8, 2008
ラオスが建設を予定しているダムのために、絶滅危惧種に指定されている巨大ナマズの姿がメコン川から消えてしまうかもしれない。
メコン川は、中国、ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムの6カ国を蛇行しながら海に注いでいるが、カンボジアとの国境線近くに位置するラオスのコーン滝に巨大な水力発電ダムを建設する計画がある。この計画が実現すれば、東南アジアから手付かずの自然の一つが永久に失われてしまうだろう。
先ごろ、ラオスの首都ビエンチャンで関係各国の首相による地域サミットが開催されたが、メコン川の将来が重要な議題の1つとなった。ラオスがメコン川に計画している五つのダムのうちの1つであるコーン滝のドンサホン・ダムが建設されると、最低水位に回遊魚が通過できていた川の最深部が封鎖されてしまう。それらの回遊魚の1つに、絶滅危惧種であるメコンオオナマズが含まれているのだ。このナマズはいままで捕獲された淡水魚のうちで最大のものと記録されている。
「コーン滝のダムの建設で回遊ができなくなれば、メコンオオナマズは絶滅するかもしれない」と、ネバダ大学リノ校の漁業生物学者で、ナショナルジオグラフィック巨大魚保護プロジェクトのリーダーも務めているゼブ・ホーガン氏は言う。同氏は「かつて巨大ナマズはメコン川流域の至るところにいたが、 20世紀にその総数の95~99%が減少してしまった」と語る。
コーン滝付近の漁師は、巨大ナマズがその区域を通って回遊することを昔から知っていた。漁師たちは巨大魚をターゲットとはしないが、ときどき対象魚に交じって捕獲されてしまう。巨大ナマズの発見総数が最も多いカンボジアでは、昨年、8種類の巨大魚が捕獲された。メコン川の巨大ナマズに対する差し迫った最大の脅威は漁獲であるが、「ダムや生息環境の分割は動物の繁殖能力に悪影響を与える可能性がある」とホーガン氏は話している。
Photograph by Suthep Kritsanavarin