12月に福山市に行った折り、
地図上にあった神勝寺の
「禅と庭のミュージウム」という
キャッチコピーに魅かれた。
さっと見られると思い、
隙間時間に立ち寄ったら、
広大な境内だった。
不思議な建物が見えた。
禅を切り口にした「インスタレーション」
の会場と聞いた。
1時間ごとの開始時間に
ぴったりだったので体験。
建物が何しろすごかった。
その場を訪れた人にしかきっと
分からない。
その日、本堂まではとうてい
たどり着けず。
近日中にもう一度行きたいと
思っていた。
初詣を兼ねて妹と再訪した。
「テーマパークだね」と妹が言う。
臨済宗建仁寺派だそう。
禅宗を体験できる施設として
世界中に開かれているようだ。
新興宗教ではないけれど
建物とお庭が広大壮麗で
「あやしい~」とつぶやく妹。
「にいや教」教祖としては
自分の感覚だけが頼り。
怪しい場所には二度と行かない(笑)
ご本尊にたどり着くまで徒歩15分。
雑草一つない手入れが行き届く
お庭や本格的な茶室があって、
その先ではロバがぽつんと
飼われている。
素敵な散歩道の先に本殿が
ど~~~ん。
枯山水が物凄く広くてすんごい。
掛け軸の拝見できるスペースが
素晴らしかった。
許されるならあの空間で
座禅したい。
で、ご本尊とご対面。
手を合わせてから「で、誰?」
と思う不躾さよね。
他に真言を持たない姉妹は
「南無阿弥陀仏」と唱えて終了。
「たぶんそれじゃないよね」と
言う妹。
「だろうね」という姉(笑)
後で弥勒菩薩様と分かった(爆)
本堂が広くてご本尊までの
距離が遠い。
そのせいかご本尊からの
コンタクトなし。
そもそも仏様と対話する
というよりも自己と対話する
っていう宗派なのでしょうか。
予備知識皆無なので黙ります。
お昼時になりうどんを食す。
「うどんしかありません、
ゆであがりに25分掛かります。
良ければどうぞ」という潔さ。
4と9のつく日に雲水さんが
食べるうどんだとか。
食前の言葉があるそう。
食べる行為も修行。
食べ過ぎず食べ物を無駄にしない。
なかなかに深い内容の五か条を
提示される。
御膳に並ぶ小さな器に
数種の薬味と3種類の塗りの器。
鉢で出て来た野菜の煮つけが
おしかった。
そして巨大なお箸。
器は雲水さんが懐中に入れて
持ち帰るので食べる前に
お作法の講釈がある。
大きな桶に太いうどん。
噛み応えがあった。
お腹いっぱいになったところ
へご飯がはいった御櫃。
おちゃわん2杯分が入っている。
うどんの掛け汁にそのご飯を
よそってすする感じ。
「猫まんま」よね。
どちらかというと質素な食べ物。
おなか一杯でもあるし
気乗りせずに食べてみたら
何ておいしい!!!!
薬味の生姜とおつゆに
炊き立てご飯の甘味が絶妙な
味のバランスを醸し出していた。
あれは癖になる。
また食べたい。
そこからいよいよ座禅体験へ。
建物を妹に見せたかった。
細い道を上がりお堂をかすめて
高所の橋を渡ると「洸庭」という
建物がある。
岩だらけの中に降り立った
宇宙船のようだ。
死者が行く「賽の河原」って
こんなところじゃなかろうか。
その向こうにはそれと対比する
ように滝の庭。
あちらはお浄土よね。
橋を渡りいよいよ宇宙船へ。
乗組員は我々二人ともう一組の
計4人。
目を開けても何も見えないくらい
まっくらな中で座っていると
ぼ~~~っとした灯りが
見えてくる。
そこから光や映像が展開。
自分がその世界に入っている
かのような錯覚を味わう。
前夜一睡もできなかったという
妹はきっと寝たなと思った。
そこそこ寝ていても暗くなると
眠りに落ちる人。
やっぱり半分くらい寝たそうだ。
どうして妹を誘ったかと言うと
このインスタレーションの
不思議な感覚を共有したかったから。
リアクションが薄くて姉は
やや残念だった。
暗くなると眠る人を誘ったのが
人選ミス(笑)
境内にお風呂もあるのです。
入る気満々で昨夜お風呂に
入らずに来たほど。
受付から廊下を渡り
戸を開けたら外だった。
下駄をはいて竹林に囲まれた
お風呂場へ。
露天風呂でまったりした。
竹はやっぱり好きだな~と
思う。
あったまった身体に
古い藁ぶきの建物でお抹茶。
「フルコースだね」と笑う妹。
母を誘ったりしたらば
何しろ急ぐ人でまったりも
ゆっくりも出来ない。
半日のんびりしたかった。
妹の夫も誘ったが病み上がりで
固辞したよう。
帰宅した妹が夫にパンフを見せたら
「行けばよかった」だそうだ。
病み上がりだからこそ誘った。
私はまだ冬休み続行中。
日常の垢にまみれた頃、
座禅体験に来たいと目論んで
いる。
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