夏休みはそこそこあったが
どっこにも行かず仕舞で
夏のおもひでは皆無なのです。
このたびの集中豪雨で
町内に床下浸水被害が
たくさん出ていることを思えば
夏のおもひでが全然ないっ
てことぐらいどうでも良いけれど。
母にとってはお盆は一大行事。
親戚がたくさん集まった時代が
脳理に焼き付いている。
盆暮のイベント以外に楽しみが
なかった時代が永かった母には
この時期が今でも特別。
墓掃除したか、花は買ったかと
何度も繰り返し言っていた。
コロナのことがあり客人を断ったのに
飲み物を用意しろだの
お菓子をどうするかだの、
天気が悪いから墓参りがどうだと
騒ぐばかり。
結局、我が家のお墓参りに行かず
母の里のお墓参りに一緒に行った。
山道を上がるので母の脚にはきつい。
「これが最後かもしれん」と
ポツリ言う。
母方の元々のお墓は
そこそこ離れた別の場所にある。
何代か前は武家だったようだ。
私が高校生くらいの頃、
母から妙な話を聞いていた。
いわく、お墓の工事をしていた
業者さんから早朝電話があった。
墓から傘をかぶった武士が出て来て
手をひっぱられたと。
「お宅の場合はきつい」
と言われたという下りで
「ああ、この人は良くそんな目に
あっているんだ」
と10代の私は案外冷静に思った。
そのお墓へ私は何度か行っている。
そもそもは私が意図した出会いでは
なかったのだが、
紹介されたのが縁で
その方から10年に亘り、
家系や自分の過去世に関して
色々な面でご指南を頂いた。
その中で出た話だ。
母方の四代前のおじいさんが
「切り捨てご免」みたいなことを
やっていたので(あの世で)
責め苦にあっていると指摘された
のだ。
すぐに思い当った。
亡くなった人とは言え
係累に悪い影響があるから
放置しない方がよい。
そのお墓は寄せ墓になっていて
小さな石がたくさん並んでいる。
遠方におられる先生には
どの石か見えているようだった。
「変哲のない石よ。
あなた分からないの?」と
電話の向こうから叱られた。
ある石の前に立つとわけもなく
込み上げた。
その石に向かって手を合せて
話しかける。
人としての強さは刀を
持っているかどうかではない。
もう刀を手放してくださいと。
墓石に向かって話しかけるのは
実は何回もある。
生きている人間に対峙するより
得意かも(笑)
亡くなった人の思いは
何か1点に集中しているから
その思いをシェアできれば
案外素直に聞いてもらえる。
お墓参りに行こうと言う母が
サムライが出てきての~
いびせ~の~(こわいね)と
言いながら笑う余裕はある。
「ああ、あれね。だいぶ前に
解決したからもう大丈夫よ。」
と言っておく。
「お墓絡み」で母と私の目下の懸念は
我が家の墓所の骨が満杯で
もう入りきらないこと。
2年前に墓所に手入れをする時に
内部を覗いたのだが
土の位置までぎっちりと骨で
埋まっていた。
墓石に「倶会一処」と書いてあるが、
皆ここで一緒に土に還るのだ。
で、
「もう骨がぎっちりで入らない」
と家族に進言しておく。
「骨は何本も何本も
骨壺いっぱいに取らんのよ!
1本でええんで~!」と
今年も母のたまわく。
我も我もとついつい取り過ぎる(笑)
←父の場合。
順当にいけば次は母の番。
母の骨1本でギリギリ。
その次の人からは
誰がどうするんかなぁ。
そうそう、以前のことだが
このお墓を倉庫付近に降ろす
という話が家人から出た。
そこは絶対にダメだ、
家が傾くと件の先生に言われた。
だれがそんなことを言うのか、
その手の話は大嫌いだと
家人を怒らせたが家が傾くのは
避けたいじょ。
お墓の方位とか位置は重要らしい。
たかがお墓されどお墓なのだ。
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