あめつちの詩

「あめつち」に響く歌声の持ち主「にいや」こと「新屋まり」が奮闘の日々を綴る。

珍なる旅~山陰(前編)

2021-10-25 | 心の栄養

半袖で過ごした翌週、

いきなり冬が来た。

午後から降ったりやんだりの

「荒天」予報。

身支度をするばーちゃんを見て

置いてけぼりを警戒した麻呂は

尻尾が下がりに下がって、

お尻の下にもぐらせていた。

人にも尻尾があったら

気分が丸わかりだ(笑)

麻呂も行くんだよと声を掛ける。

多分理解した。

愛犬とお泊りできる宿ありき。

行き先は山陰の皆生温泉。

ばーちゃん(母)は杖をついて

麻呂は大喜びで車に飛び乗り

出発した。

母は食べ物にあまり関心がない。

お昼は車内で。

以前から海岸線を遊覧する船に

乗りたかったがあいにく午後から中止。

夕陽が売りらしい宍道湖の遊覧船も

この寒さでは意味がないな~と

運転しながら考えあぐねる。

で、島根県松江城のお堀の遊覧船を

思い出した。

どうしても船なのね?と

自分でツッコミ入れたけれど、

あまり歩けないばーちゃんと

散歩嫌いの老犬を連れて

旅するには制約が多い。

何十年ぶりかに乗った遊覧船。

乗るや作り物のような水鳥の

お出迎えがあったり、

お堀に突き出た大木のしなり具合が

これまた作り物のようで

テーマパークみたいだった。

テーマパークが真似しているのにね。

橋をくぐる時は船の屋根を

下げるのに合わせて人も前かがみになる。

ほぼ膝に胸がつくくらい!

ピンクのハートの浮き輪が

屋根を下げる印です。

船頭さんのご当地ソングも聞けて

なかなかに楽しかった。

途中で雨がざ~~~と降り込んで

こちらもなかなかなスリルだった。

大根島を右手に見ながら

走る道路の両サイドは海だ。

海を駆けあがって行く大きな橋。

その先が見えないから

海へ突っ込むんじゃないかと

怖いくらいだった。

そんなこんな珍なる光景を母は

大いに喜んだ。

薄暗くなった頃、米子市に到着。

食事なしの宿。

スーパーの総菜コーナーが

想像を絶する品ぞろえで

選ぶのに手間取った。

今回の宿は2度目だったが

母はまるっきり覚えていなかった。

どこに行っても覚えていないから

常に新鮮ではある(笑)

母はお風呂嫌いだが

麻呂が落ち着いたので

寝ている隙に大浴場へ。

満足の母だが着替えを持参せず。

私は持って行こうと言ったけれど

「入らん」と固辞したのは

あ・な・たです。

「ほうだったかいの~(そうだっけ)」

と長閑な母だ。

ま、お風呂に入らないよりまし。

ボディーシャンプーで洗髪したらしいが、

取り立てて問題なかった。

年を取っておしっこに近くなった

麻呂をその都度

外に散歩に行かせなくては。

ルームキーをエレベーターの

鍵穴に差し込み作動させる。

自動ドアを潜り抜けて

雨の中を出たり入ったり。

真夜中に気配を感じて

目覚めると麻呂が。

ああ、おしっこしたいのね。

深夜に浴衣で外に出るのも

仕方なし。

リード嫌いの麻呂を待つ。

数分歩いて気が済んだら

帰って来るおりこうさん。

枕が変わると根付けない母も

私もまずまず寝られた。

午前5時半起床。

薄暗い中、予報通りの激しい

暴風になっていた。

至近距離に見える波は

我々からすれば台風並み。

あいにくの荒天。

どんな日になるのやら。

(続く)

 

 


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