1月は雪が良く降った。
根雪で田んぼも畑も真っ白だった。
ポカッポカ陽気になったある日、
母が久しぶりに畠に行ってみたら
イノシシにやられた!
玉ねぎも豆も
ほとんどダメになったで~!
という。
行ってみると確かに、
畠も畠に通じる道も
まるで耕運したみたいに
土が広範囲にえぐられ
深く掘られていた。
イノシシが土中のミミズを
食べるらしい。
酸素を土中に取り込むには
都合が良いそうだが、
タマネギも豆も一緒に
耕されてしまった。
半分は全滅だ。
タマネギの苗を調達するのに
毎年苦労したので
今回は早々にJAに予約をして
受け取りに行ったのに・・。
弟に耕してもらい
穴あきシートを買ってきて
張って、
指で土に穴をあけて、
苗を置いて土を掛けた。
母と二人であ~だこ~だと
言いながらやった。
簡単な作業だが
膝の不自由な母には
結構な重労働だった。
残念過ぎる。
土に埋もれていた苗を取り出し
ビニールを張りなおして
可能なところは植え直しをした。
3分の2に減ったが仕方ない。
豆は残った分に実がつけば
良しとした。
山側には防獣柵が
はりめぐらされているが
我が屋の畠そのものは無防備なまま。
それでも畠のイノシシ被害は
これまでは無かった。
お隣さんはぐるりとネットを
張り巡らせている。
イノシシは県道を越えて
やってきたのかもしれないし、
我が家の駐車場をかすめて
畠に上がって来たのかもしれない。
夜、麻呂を庭に放って散歩させるが
鉢合わせするなんてことも?
うちもネットを張ろか?
というが「もう来んだろ」
と、騒いだ割にはのんきな母。
イノシシが!イノシシが~!
と母が言う度に
「自分もイノシシよね」
と内心思う。
猪突猛進な母に
「イノシシだから。」
「イノシシだもんね~。」
私はわざと言う。
「あんたもイノシシじゃないか。」
やっと気づいた母が私に言う。
そう、実は私もイノシシ生まれ。
あちらのイノシシと
こちらのイノシシ。
闘いは続く。
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