かつて横浜中華街には手作りの翡翠麺を売る『永楽製麺所』や『有昌』という老舗の叉焼屋さんがありました。少し腰の強い細麺やほんのり甘い香りがする中華叉焼。
もちろん今でも中華街に行けば『叉焼』を売るお店は何件かあるけれど『有昌』を覚えている方がいらっしゃったらかなり通だと思います。
夕暮れが深みを増してくる季節、なぜかこの2つのお店の味が懐かしくなります。
さて、香港には焼味(シューメイ)という焼き物文化があります。 中でも一番定番なのが香港叉焼(ホンコンチャーシュー)。
届けられた『自家製叉焼』をホイルで包んでグリルで数分。早速試食をしてみました。
『有昌』同様ほんのり甘い香りがしますが、そこまで強みがなくもっと上品な味わい。
『漬け込みダレ』の他に『密のようなかけダレ』も用意されていて
中の味わいと外の味わいの2種類のタレでダブルパンチで作り上げます。
『香港叉焼(ホンコンチャーシュー)』は日本のお肉屋さんで売っている『ラーメン用の叉焼』とは異なる奥深い香辛料の味わいが特徴です。
ところで叉焼(チャーシュー)は1本ずつ作るよりは一度にある程度(数本)の量を焼いたほうが効率がよいと香港人は考えます。
でもやっぱりあまるんですよ。そんな時は叉焼入りのパイや叉焼饅を作って何倍も楽しむんです。
中華のパイ生地を作りチャーシューパイにしてもよし。
前回の肉まんの肉の代わりの具にしてもよし。
チャーハンの具にしても最高。
少し炙りなおしてお酒のおつまみに。
そこでずいぶん前にクラスでも作らせていただいた『叉焼酥(チャーシューパイ)』をメニューに入れました。
パイの皮はサクサクしていてお口の中でホロホロと崩れます。
ほんのり温められたパイの中には、こってりと甘いツヤツヤ光るチャーシューの飴がしっかりと詰まっています。
香港でしか味わえません。
中華パイはいわゆる西洋のパイ生地よりも簡単に作れます。サクサクの生地の秘密を教えようとおもいます。
そしてしょっぱいものを食べたら『甘いものがほしくなる』。でも体に良いものを食べたい!『甘い薬膳スープ』を締めとしたようです。
香港の食卓に欠かせないスープ(老火湯)は家庭料理でとても重要な存在。
一度皆さんに味わっていただいたら、きっと体にじんわりと効くのを実感できると思います。
風邪や喘息などに良い『棗』と肺や肌に良い『白きくらげ』が入っているこれからの季節に良いスープです。
ケーキやクッキーも美味しいけれど『体のため』に毎日飲める甘い一杯を一緒に作ってみませんか?
復習したい方や新しい肉まんを作ってみたい方も是非!