2018年
3月25日(日)
「拾う」
拾う神あるなと思うサクラサク
詩集から言葉を拾い名祝辞
あの娘とは拾得物の結ぶ縁
「石」
石垣にすみれ顔出す春見っけ
置き去りにされた転がりすぎた石
うつむいて石を蹴る子の肩に手を
「雨」
やわらかい雨降る午後は羽休め
せっかくのてるてる坊主泣いている
蕭蕭と雨降る通夜に寝ずの番
「消す」
平凡なひと日に感謝電気消す
消灯後すぐに眠れぬ四人部屋
テントの灯消して息呑む星の数
「連想吟」
どの花にしようか迷う蝶の恋
初恋は恥じらいながら背を向ける
そり合わぬ二人それでも五十年
「近詠」
病室の孫が笑えば春が来る
病室の孫の回復ただ祈る
寄り添って生きてあげねば孫のため