カトログ !! ~ カトレヤ交配種のブログ (Hybrid Cattleya's Database) ~

洋蘭の女王カトレアのデータベース(主に大輪系交配種)&育種交配・実生の魅力をご紹介

●Rlc. Chomthong Fancy

2021年10月23日 20時27分02秒 | ■黄色・セミイエロー系
※2021年10月23日内容更新(新画像追加等)

栽培・画像提供:沖縄の新垣森繁さん(2021年10月)
■Rlc. Chomthong Fancy
リンコレリオカトレヤ チョムソン・ファンシー
(Rlc. Laddawan Beauty x Rlc. Haadyai Delight (02/06/2014))
 偉大なる Rlc. Norman's Bay の血を多重に継承し、その系統から濃ラベンダー巨大輪系品種と思われる Rlc. Laddawan Beauty と、雄大なリップを有した展開の良いイエローコンカラー巨大輪系品種 Rlc. Haadyai Delight との交配。
<2021年10月23日記>
・沖縄の新垣森繁さんにお譲りした株が開花したとのことで、花の画像を送っていただきましたのでアップしました。
・やはり沖縄で咲かせると鮮明な覆輪になるようです。
・「Fireball」という個体が流通していますが、初期に流通していた無個体名の個体と酷似しており、同一個体では無いかと推察します。
<2017年12月30日記>
・今回の開花では、セミイエロー系花からイエローコンカラー系花へと、別個体ではないかと思わせるくらいに変貌しました。
・花色・花容が変貌した原因としましては、主に日照条件(海外と日本の紫外線量の差)を主とした栽培条件の変化が大きく作用したのではないかと推察します。
・作落ちさせてしまっていることも花色・花容が変貌した原因かと推察します。
・昨年の「世界らん展日本大賞2017」会場で購入された方々のところでも同様の現象が起きている可能性が高いと思われますので、もし、よろしければ、情報提供をお願いいたします。
・「マルウォースの悲劇の再来」とでも言いたくなるような変化ですが、この交配の構成は、これくらいの現象はあって然るべきと思える程に複雑です。
・花の香りが防虫剤に似ていますので、香りに敏感で拘る方にはおすすめできません。
・これ程に花色と花容が変化すると営利用には不向きだと思いますが「変化を楽しむ」というのも一興かと思います。
・イエローコンカラー系花としては、今回の開花も充分に魅力的な花だと思います。
<2017年2月20日記>
・画像の個体は、世界らん展日本大賞2017にて、台湾の蘭園さんの販売ブースで個体名無しで販売されていたもの。
・この品種では、主にタイやベトナムのウェブサイトやSNSにアップされている個体でペタルが赤い覆輪になる個体が人気があるようで、私もその赤い覆輪の個体に、2014年頃から目をつけており、ベトナムの方からの個人輸入を試みたのですが、規制等の問題で不可能でした。
・上記のことから、今回、個体名が無い事には拘らず、この機会に2株入手しました。
・開花見本としては、上記の「赤い覆輪個体」の写真が置かれていたのですが、陳列されていた株を見せてもらうと、株毎にリップの彩り(黄目の大きさ、形状)にかなり差異があり、開花しかけの花のペタルを見ても、おそらく、覆輪にはならないだろうと推察しました。
・購入時にお店の方から一言、「覆輪の入り方(濃淡)は環境により変化する」とのこと申し出があり、ちゃんとご説明下さり親切だと思いました。
・店頭に置かれていた開花見本(赤い覆輪個体写真)にはあまり期待できないと推察しましたが、それでも全く異なる花色の花が咲くことだけは回避したいと思い、少しでも花色を確認できる開花しかけの株を入手しました。
・あくまでも個人的な見解ですが、花色のばらつき方などから実生の可能性も否定できないと感じました。
・今回、入手した株の内、1株はセルフ実生から選抜を行い、個体名の付いた個体をつくる計画です。
・検索サイトで「Rlc. Chomthong Fancy」で画像検索していただくと、上記の「赤い覆輪個体」の立派な花がたくさんヒットすると思います。
・この品種の親の Rlc. Haadyai Delight(ハジャイ・デライト)が、タイやベトナムの方々の交配結果を見る限り、花径・花容は Rlc. Haadyai Delight 似で、一方の親が濃色系花だった場合も花色は、その濃色を忠実に継承するような、かなり面白くて良い結果を出しているようなのですが、現在、国内に入って来ているメリクロン株に良株が少ないようで入手をためらっていました(株が矮小でどんどん芽が出て花が咲かない。咲いても奇形気味。株にクセが強く葉やバルブが奇形気味など。)。
・タイやベトナムの方々がネットにアップしている Rlc. Haadyai Delight(ハジャイ・デライト)の画像が、立派過ぎるんだと思います。
・Rlc. Haadyai Delight の子供からの交配親候補として Rlc. Memoria Srivilas Gold‘Bang Prom’(メモリア・スリビラス・ゴールド‘バン・プロム’)という花も有力視していたのですが、この花も日本国内に入ってきた株に良いものが見当たりませんでした。
・交配親として、Rlc. Chomthong Fancy は Rlc. Haadyai Delight の長所を隔世遺伝的に継承した優秀品種を生んでくれるのではないかと大いに期待しています。

<Rlc. Chomthong Fancy の祖先にあたる品種たちの交配(一部)>
・Rlc. Laddawan Beauty = Rlc. Pamela Tainan x Rlc. Lucky Man (18/07/2001)
・Rlc. Haadyai Delight = Rlc. Angkinantana x Rlc. Destiny (20/05/1999)
・Rlc. Pamela Tainan = Rlc. Pamela Farrell x C. William Miles (01/01/1987)
・Rlc. Lucky Man = Rlc. Lucky Strike x Rlc. Norman's Bay (01/01/1977)
・Rlc. Destiny = Rlc. Xanthette x Rlc. Primate (01/01/1968)
・C. William Miles = C. Lorraine Shirai x C. Camelot (01/01/1971)
・Rlc. Lucky Strike = Rlc. Memoria Crispin Rosales x C. Bonanza (01/01/1966)
・Rlc. Golden Galleon = Rlc. Xanthette x Rlc. Camilla (01/01/1962)
・Rlc. Herons Ghyll = Rlc. Norman's Bay x C. Ishtar (01/01/1955)
※上記以外にも交配系統をさらに紐解いてみたのですが、目に付いたのは、Rlc. Norman's Bay が何度も登場することと、黄花の銘親たちのオンパレードだった点でした。

◎Rlc. Chomthong Fancy の親品種の交配
・Rlc. Laddawan Beauty = Rlc. Pamela Tainan x Rlc. Lucky Man (18/07/2001)
・Rlc. Haadyai Delight = Rlc. Angkinantana x Rlc. Destiny (20/05/1999)



※Rlc. Chomthong Fancy の親品種(於:ハワイ・ホノルル蘭展2005 画像提供=サンセットさん)
■Rlc. Haadyai Delight‘Bangprom Gold’AM/CST
リンコレリオカトレヤ ハジャイ・デライト‘バンプロム・ゴールド’
(Rlc. Angkinantana x Rlc. Destiny (20/05/1999))
●Rlc. Haadyai Delight についての記事は、こちらをクリック!

<Rlc. Chomthong Fancy を交配親とした品種登録実績一覧>
・Rlc. Asian Sunrise (Rlc. Chomthong Fancy x Rlc. Chomthong Delight (18/03/2019))
・Rlc. Bangkok City (Rlc. Chomthong Fancy x Rlc. Chunyeah (07/05/2020))
・Rlc. Grand Korakot (Rlc. Chomthong Fancy x Rlc. Nonthaburi Fortune (30/12/2019))
・Rlc. Petcharatana Gold (Rlc. Chomthong Fancy x Rlc. Thongsupran (09/01/2018))
・Rlc. Rungnapha Orange (Rlc. Chomthong Fancy x Rlc. Klinkusoom Gold (22/08/2017))
・Rlc. Siam 24 Carat (Rlc. Chomthong Fancy x Rlc. Nakornchaisri Orange (17/05/2021))
・Rlc. Siam Firework (Rlc. Chomthong Fancy x Rlc. Suvarnabhumi Magic (07/05/2020))
・Rlc. Siam Red King (Rlc. Chomthong Fancy x Rlc. Ahchung Ruby (01/02/2021))
・Rlc. Tha Cheen Charming (Rlc. Chomthong Fancy x C. Tainan City (29/02/2016))
・Rlc. Thaksina Rose (Rlc. Chomthong Fancy x Rlc. Rungnapha Fancy (10/05/2018))
・Rlc. Victoria Esterlich (Rlc. Chomthong Fancy x Rlc. Tawan Chai (05/10/2020))

・Rlc. Nakornchaisri Sunset (Rlc. Nakornchaisri Delight x Rlc. Chomthong Fancy (20/01/2020))
・Rlc. P. S. Gold (Rlc. Williette Wong x Rlc. Chomthong Fancy (12/09/2020))
・Rlc. Saeng U-Sa (Rlc. Yen Twentyfour Carat x Rlc. Chomthong Fancy (29/02/2016))
・Rlc. Shinaphat On Fire (Rlc. Siam Aurora x Rlc. Chomthong Fancy (10/02/2020))
・Rlc. Siam Dragon (Rlc. Yen Golden Sensation x Rlc. Chomthong Fancy (18/11/2019))
・Rlc. Siam Palette (Rlc. Shin Shiang Diamond x Rlc. Chomthong Fancy (19/02/2019))
・Rlc. Yam Smile (Rlc. Suvarnabhumi Delight x Rlc. Chomthong Fancy (01/02/2021))



<Rlc. Chomthong Fancy 画像集>


於:我が家(2017年12月下旬、花径約12cm)
■Rlc. Chomthong Fancy
リンコレリオカトレヤ チョムソン・ファンシー



於:我が家(2017年2月中旬、花径約13cm、※苗からの初開花)
■Rlc. Chomthong Fancy
リンコレリオカトレヤ チョムソン・ファンシー


於:我が家(2017年2月中旬、花径約13cm、※苗からの初開花)
■Rlc. Chomthong Fancy
リンコレリオカトレヤ チョムソン・ファンシー


於:我が家(2017年2月中旬、花径約13cm、※苗からの初開花)
■Rlc. Chomthong Fancy
リンコレリオカトレヤ チョムソン・ファンシー


於:我が家(2017年2月中旬、花径約13cm、※苗からの初開花)
■Rlc. Chomthong Fancy
リンコレリオカトレヤ チョムソン・ファンシー
 根元から葉先まで約25cm。苗からの初開花。


於:我が家(2017年2月中旬、花径約13cm、※苗からの初開花)
■Rlc. Chomthong Fancy
リンコレリオカトレヤ チョムソン・ファンシー


於:我が家(2017年2月中旬、花径約13cm、※苗からの初開花)
■Rlc. Chomthong Fancy
リンコレリオカトレヤ チョムソン・ファンシー



◎情報提供・お問い合わせ等の連絡先メールアドレスは、こちらをクリック!

■索引 - Index -(アルファベット順)は、こちらをクリック!

※当ブログ内の画像の使用をご希望の方はメールにてご連絡下さい。ご好意でご提供頂いている画像がございますので無断転用はご遠慮下さい。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ◆C. Chyong Guu Swan‘White J... | トップ | Rlc. Hawaiian Rainbow‘Palai... »
最新の画像もっと見る

■黄色・セミイエロー系」カテゴリの最新記事