釧路市議会2024年6月定例会の2日目の今日、一般質問を行いました。
議員になって毎議会、一般質問・代表質問を行ってきたので、今回で20回目の節目の質問となりました。 継続は力なり😅
1回目の質問は以下の通りです。
答弁と再質問は後日正式な議事録ができたらこのブログでご紹介します。
質問内容
(Q1) 物価高騰対策
最初のテーマは「物価高騰対策」についてです。ロシアによるウクライナ侵攻など不安定な世界情勢により、食料品やエネルギーの価格が高騰し市民生活に大きな影響が出ています。安倍政権以来の異次元の金融緩和によって日銀が大量の国債を保有しているため、利上げに踏み切れない状況にまで突き進んでしまい、それが今の円安・物価高の要因の1つなのですから、国の責任は重大だと思います。物価高騰対策は国の責任で行うべきことは確かですが、地方自治体も市民の暮らしを守るために、やれることは何でもやるという姿勢が重要です。
(給付金の支給)
まず直接的に市民の暮らしを応援するには、給付金の支給が効果的です。住民税非課税世帯に7万円を支給する国の制度がありましたが、3月15日で終了してしまいました。今年度も低所得世帯に給付金を支給することは必要な施策と考えますが、今のところ定額減税はあっても給付金について具体的な計画は聞かれません。そこで今年度は、住民税非課税世帯などの低所得世帯には、釧路市独自で給付金の支給を考えていただきたいのですが、答弁を求めます。
(水道料金の基本料金の免除)
また、釧路市は水道料金の基本料金免除を行いましたが、今年の2月と3月分で終わってしまいました。水道契約をしない市民はいないはずですから、市民全てが経済的に助かったはずです。コロナ禍では手洗いうがいを奨励していましたから当初コロナ対策としてはじまりましたが、水道料金基本料の免除は物価高騰対策としても効果があるはずです。そこで3月で終わった水道料金の基本料金を免除する制度を今年度も実施していただきたいと考えますが、見解をお聞かせください。
(家賃補助)
また、月々の生活費の中で毎月発生し収入に占める割合が高いのは家賃です。とりわけ、低所得層ほど家賃の支払いが負担になっています。家賃の負担を抑える方法として市営住宅への入居が考えられますが、申込者全員が入れるわけではありません。賃貸住宅は学生や若い世帯、それに高齢者世帯が多いのではと思われます。経済的弱者といえる方々ですので、行政の支援が必要です。そこで、若年層や高齢世帯などに釧路市が家賃補助をしていただきたいと考えますが、市の見解をお尋ねします。
(中小零細事業者への支援)
異常な円安により、支援が必要なのは低所得世帯だけではありません。市内の中小零細事業者もまた、円安で原材料が高くなり大きなダメージを受けています。コロナ禍では休業支援金などがありましたが、それに比べて円安・物価高騰による支援金はまだまだ不足しています。輸出大企業の中には過去最高の営業利益を出している所もありますが、中小零細事業者は恩恵がありません。そこで釧路市としても、円安で影響を受けた市内の中小零細事業者への支援を考えていただきたいのですが、答弁を求めます。
(農業者への支援)
困っているのは中小零細事業者だけではありません。釧根地域の重要な産業である農業者も、飼料代や光熱費の値上がりで困窮し、離農に追い込まれています。国民への食料の供給のみならず国土や環境の保全といった農業の公益性を考えれば、農業者への支援は政治の責任であると思います。農業者への所得補償を充実させることが重要で、自治体も国の制度では足りないことを補うことが重要です。令和5年度はコロナ交付金を活用して飼料、肥料等農業資材価格の高騰により影響を受けている酪農家74戸の支援を行い、生産コスト削減や国産粗飼料(そしりょう)の利用拡大を図る事業がありました。再度このような農業者への支援を行う施策を求めますが、答弁をお願いします。
(医療・介護・保育・障がい者施設への支援)
物価高騰対策の最後は医療・介護・保育・障がい者施設への支援についてです。このような福祉施設でも、光熱費や食料費などの高騰で大きな影響を受けています。コロナ禍では、これらの施設に交付金を支給する事業がありましたが、コロナが落ち着いても苦しい経営状況が続いているようです。このような福祉施設も公共性の高い事業を行っているのですから、継続的な支援策が必要と考えます。そこでこれらの福祉施設に支援金を支給することは検討できないのか、答弁を求めます。
(Q2 市営住宅)
続いて、2つ目のテーマ、市営住宅についての質問に移ります。釧路市の市営住宅は空き家が多く、有効に活用されていません。ちょうど先日まで市営住宅の入居申し込みを受け付けていましたが、今回の募集から単身者も57.4㎡以下の2LDK・3DKの住宅に申込可能にした点は評価しています。市営住宅に入居したい方が全て入れるよう、市の財産を有効に活用することが重要と思います。
市営住宅の申込みについてという案内書によりますと、現在の申込資格には20の項目があります。一番最初の項目は世帯の月額所得についてであり、15万8000円以下、高齢者や障がい者世帯などの裁量階層世帯は21万4000円以下となっています。改良住宅に申し込みを希望すると更に所得基準が厳しくなり、11万4000円以下となってしまいます。月15万8000円、年にすると189万6000円ですが、様々な控除が認められているので単純に年収ではないことは承知しています。
しかし市営住宅の空き状況からすると、もっと受入可能な状況といえますので、 市営住宅の15万8000円、改良住宅の11万4000円という所得基準を引き上げてもよいのではないでしょうか。ちなみに以前の政令月収は20万円でしたが、改悪されて全国一律で現行の金額に至っています。子育て世代の中間所得世帯も対象にして、市営住宅入居によって家賃負担の軽減を図って暮らしを応援していただきたいと思います。そのためには、現行の15万8000円の上限を釧路市独自策として以前のように20万円に戻すべきと考えますが、答弁を求めます。
もう1つ、入居資格の3番目に「住宅をお持ちの方で入居時に住宅の所有が無くなること」とあります。売りたくても買い手がつかず、売れ残ってしまう場合や、買い手が現れるまで何年もかかる場合が想定されます。処分手続きをしている場合は、例え契約日までに処分が終了していなくても、入居可能にしても問題はないと思われます。この点案内書にはカッコ書きで「入居時の登記簿謄本を提出し証明できる見込みがある方」とあり、せっかくあっせんされても名義変更まで行わないと入居資格を失うことになってしまいます。そこで持ち家があっても売りに出していることがわかれば、市営住宅への申し込みのみならず入居も可能にすべきと考えますが、市の見解をお尋ねします。
(Q3 精神科医療)
続いて3つ目のテーマ、精神科医療に関する質問に移ります。釧路市内では精神科医院の閉鎖が続いた上、市立病院など大きな病院でも精神科医を増やそうと努力はしていますが、実現に至らない状況になっています。精神科医院が閉鎖すると、別の精神科医院に負担がまわり、それが更に閉院につながる要因になるという負のスパイラルに陥っているのではないでしょうか。以前斎藤議員の答弁で、山花温泉リフレを活用した診療所を営んでいる方と制度のやり取りなどを進めていると答弁がありましたが、本格的な精神科医院の開業までには至っていません。釧路市では、新規で精神科にかかることは、難しい状態です。市民からも不安と心配の声が出ています。議会でもこの間質問が出ていますが、日増しに深刻になっているように思います。このままでは、市内の精神科は医療崩壊が起きるのではないかと心配されます。医師会や保健所と連携を取りながら進めているという答弁が以前もありましたが、今もその段階なのか危惧されます。そこでお伺いしますが、釧路市内での精神科医院、精神科医が今後増える目途がたったのか、現在の状況について答弁して下さい。
関連して市立病院にもお尋ねします。市内や近隣町村でこれだけ精神科が不足すると、公的病院の役割は重要です。近隣町村の公立病院には精神科がそもそもないところもあります。精神科を受診するだけでも大変な中ですが、今後他の医院からの要請に応えられるよう、精神科病床の整備を進める必要があるのではないでしょうか。そこで市立病院では、精神科病床を増やすことについてはどのようなお考えでいるのか答弁を求めます。
(Q4 戦争遺跡の保存)
続いて4つ目のテーマ戦争遺跡の保存について質問します。第二次世界大戦の敗戦から79年が経ち、戦争体験者の高齢化がすすみ、悲惨な体験を語ることができる人が少なくなっています。そのような状況だからこそ、戦争の惨禍の実情を伝える戦争遺跡などを保存・活用し、「平和を発信する遺産」として次世代に引き継ぐことが必要ではないでしょうか。
戦時中釧路市内の海岸線にもトーチカが造られました。トーチカとはロシア語で「点とか地点」を意味するもので、具体的には鉄筋コンクリート製の防御陣地で、機関銃の銃口を出す小さな孔が空いています。このトーチカは昭和45年の調査では、市内新富士から大楽毛にかけての海岸に7基確認されたそうですが、年々減り現存するのは大楽毛南1丁目、阿寒川河川敷、新富士、それに新野(にいの)の4基のみだそうです。とりわけ大楽毛南1丁目のトーチカは、正に住宅街の中にたっていて、気づかずに行くと一見蔵のように見えます。このトーチカは特に囲いがあるわけでもなく、誰でも自由に出入りできる状態なので、先日私も現地を見てきました。幸いアメリカ軍の上陸はなかったため、銃弾に打たれた跡はないものの、79年の月日が経って随分と傷みが激しくなっています。このまま何もしなければいつかは崩壊する可能性があります。また、土地の所有者などが解体する可能性だって否定できないと思います。市が手を入れて、文化財として残し、後世に戦争の悲劇を伝える遺跡にすべきではないかと思います。そこでお伺いしますが、市内に残るトーチカについて、市はどのような認識でいるのでしょうか。特にこの大楽毛南のトーチカは住宅地にあるだけに、市が積極的に動かないと取り壊される可能性があります。今後の保存計画についてはどのようなお考えでいるのか、答弁を求めます。
市内には、このトーチカ以外にも戦争遺跡があります。桜ケ岡8丁目、具体的には武修館高校と清水桜ケ岡病院の間の丘陵地に電波警戒陣地だったコンクリート製の建屋が残っています。これも旧日本軍の施設といわれ、道路沿いからは煙突のような部分しか見えませんが、草むらをかき分けて近づくと大きな建屋であることがわかります。先ほど申し上げた大楽毛南のトーチカ同様、アメリカ軍の上陸に備え、昭和19年に釧路に駐屯した部隊が突貫工事で築いたものといわれています。この辺りは丘陵地ですが一番高い所に建てられ、太平洋が一望できます。近くにはテレビ局やラジオ局の電波塔があり、電波警戒陣地としては絶好の場所です。しかしここも戦後79年間、人の手が加えられず、風化しています。建屋の中に入れますが、私が行ったときはペットボトルなどのごみが散乱していました。この建物も文化財として残す価値があるのではないでしょうか。この桜ケ岡電波警戒陣地についても、今後どうすることが望ましいのか、市の考えをうかがいます。
(Q5 特定利用港湾)
続いて最後のテーマ、特定利用港湾についての質問に移ります。政府は、自衛隊などが有事に使用することを前提に国が改修や整備をする空港・港湾を指定し、道内では5つの港が指定され、そのうちの1つが釧路港です。特定利用空港・港湾の指定は、自治体など管理者の同意が必要です。政府は今回の指定に当たり三十数カ所を候補にしましたが、複数の県が説明不足を理由に了承しなかったそうです。沖縄県も、国と石垣市が管理する2カ所は指定されたものの、県管理のものは同意していません。住民の利益を考えるならば、「国の行うことに協力するのは当然」とはならないではないでしょうか。
どうして不安視する声が出てくるかといいますと、1つは、平時から有事まで切れ目なく軍事利用されてしまうのではないかという危惧です。今回の指定措置は、「戦争国家態勢」の一環として、自衛隊や米軍が必要な時にいつでも空港・港湾が利用できるようにし、かつ、軍事利用しやすいようにあらかじめ整備するということです。つまり、今回の指定によって、自衛隊などが平時から釧路港を利用できるようにし、アメリカなど日本と密接な関係にある国への武力攻撃が行われると、集団的自衛権を行使するため、切れ目なく軍事利用できる施設の確保になるのではないでしょうか。
不安視する声の2つ目は、有事の際軍事目標として攻撃対象になる危険にさらされるのではないかという心配です。国際人道法では、民間人と軍人や、民用物と軍事目標を区別する軍民分離の原則が採られ、分離したうえで軍事目標のみを攻撃の対象とすることが求められています。したがって、軍事利用施設となれば真っ先に攻撃対象になってしまうと考えるべきではないでしょうか。
これらの点から、釧路市民にとって大きな影響を受けることになります。そこでお尋ねしますが、今回釧路港が特定利用港湾として指定されるにあたり、国とはどのようなやり取りを行ったのでしょうか。国からの要請を受けて、住民にはどのような説明を行ったのでしょうか。答弁を求めます。
この点について2つ目の質問です。現在、自衛隊が港湾を利用する際には、その都度、市長に許可を得ていると思いますが、有事を見据えて平時から自衛隊にとって好都合になるよう利用調整の運用方法を変えるのではないかと思われます。今後手続き上どのように変わることを想定しているのか説明を求めます。
1回目の質問は以上です。
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