えびのの市外からは少し離れており、周りには畑や林が広がっている。元は個人所有の温泉であったが、1998 年から一般に開放されたそう。
まず、館内が広いのに驚いた。玄関からすぐの休憩スペースは 40 人は寛げるだろう。その休憩スペースの手前にちょこんと座っていた品のあるおばあさんが、オーナーさんのよう。“入場料”を支払い、浴室へ。
窓が広くとられた明るい内湯には、真ん中で 2 つに仕切られた大浴槽が 1 つ。下手側は浅くなっている。うっすら黄色く色付いた透いた湯で、日の光を浴びてキラキラと輝いているのはうっとりするような美しさだ。モール臭、弱硫黄臭、ツルスベ感、泡付きのある湯で、サラサラとかけ流されていた。他に露天もあり、黄色い円形のタライが 4 つ。そのうち、3 つは温泉で、1 つは水風呂になっていた。掲示では塩素系薬剤を使用しているとのことであったが、湯に使用しているのではなく、浴槽の清掃などに使用しているのではなかろうか。
フレッシュなモール泉に大満足で風呂から上がると、オーナーさんが休憩室で休んでいくよう勧めてくれた。なんでも、ここは寛ぎに来るところで温泉はその一部との考えで運営しているそうで、料金も“入湯料”ではなく“入場料”にしているそうだ。素敵な考えだなと思いつつ、先の旅程があるのでと丁重にお断りし、次の温泉へ向かった。
(2019 年 11 月)
◆源泉情報◆
泉質:アルカリ性単純温泉
成分:溶存物質 598.3 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。
ナトリウムイオン |
130.6 (92.66) |
炭酸水素イオン |
290.3 (79.47) |
メタケイ酸 |
123.7 |
炭酸イオン |
30.1 (16.69) |
分析日:1992 年 9 月 28 日