入湯求湯巡礼行記

これまでに訪れた温泉を紹介します。
時代に逆行し、写真は基本的に載せません。
変換できない残念な名称のブログです…

中ノ沢温泉 平澤屋旅館 (福島県猪苗代町) ★★★

2021-08-15 | 南東北の温泉

中ノ沢温泉は安達太良山の山腹に立地する温泉で、山頂から見ると西側に当たる。源泉は、沼尻からの引き湯である。吾妻や安達太良山周辺には他に酸性の硫黄泉もいくらかあるが、天ぷら饅頭の日乃出屋で揚げたてを食べたくて、ついつい寄ってしまう。

浴室は男女別の内湯と、混浴の露天に分かれており、行き来には一度服を着ないといけない。露天は御婦人でにぎわっていたため、内湯だけ利用した。洗い場と十数人サイズの浴槽があるだけのシンプルな浴室で、懸濁しているが底まで見通せる程度の湯が静かにかけ流されていた。湯温は熱め、飲泉も可能で酸味があった。


(2021 年 7 月)


◆源泉情報◆
源泉名:沼尻元湯
泉質:含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉
湧出量:13400 l/min
泉温:68.3℃
成分:pH2.1、溶存物質 2662 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。

カルシウムイオン 231.5 (28.20) 硫酸イオン 1025 (51.15)
アルミニウムイオン 78.8 (21.39) 塩化物イオン 582.5 (39.38)
マグネシウムイオン 74.5 (14.97) 硫化水素イオン 274.5 (6.78)
総鉄イオン 11.7 (1.16) フッ素イオン 18.4 (2.32)
マンガンイオン 4.3 (0.38) チオ硫酸イオン 6.1 (0.26)
水素イオン 7.9 (19.11) メタケイ酸 155.4
硫酸 5.5 遊離硫化水素 98.7

分析日:2014 年 7 月 2 日


東鳴子温泉 高友旅館 (宮城県大崎市) ★★★

2020-11-14 | 南東北の温泉

東鳴子温泉の開湯は鎌倉時代とも奈良時代以前ともいわれており、非常に歴史ある温泉だ。江戸時代 (恐らく後期) になると伊達家の御殿湯も置かれ、江戸時代最後の仙台藩藩主慶邦が訪れた記録が残る。

高友旅館には混浴の大浴場のほか、女性用、男性用、宿泊者限定の風呂など、いくつかの浴室がある。男性が立ち寄りで入浴できるのは、大浴場とひょうたん風呂という浴室で、それぞれ離れており、幾重も古びた廊下を折れての行くのは迷路のようだ。

まず入浴したのはひょうたん風呂。2 面に窓を広くとった明るい浴室に、ひょうたん型にくびれた湯舟のあるこじんまりとした浴室だ。黄褐色の源泉が、加水、加温、消毒なしでかけ流されていた。アブラ臭、アンモニア臭のある個性的な湯であった。
次に、大浴場。大浴場には黒湯とプール風呂という 2 つの湯舟がある。黒湯は、ひょうたん風呂よりさらに強いアブラ臭がした。クレゾール臭もあり、アブラ味、藻屑状の湯の花も感知できたが、泡付きはなかった。プール風呂は、白濁しており、高友の代名詞たる黒湯の陰に隠れてしまっているのか空いており、終始、独泉状態であった。


(2015 年 11 月)
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<再訪>

まず前回好印象であったひょうたん風呂へ。藻屑状の湯の花、アブラ臭、アブラ味、泡付きあり。前回の記録を見るとアンモニア臭とあったが、これは感じなかった。熱めで、長湯はできなかった。同じ源泉を使用したラムネ風呂という女性専用の浴室は、水面が 2 cm ほどの泡で覆われていたらしい。
プール風呂は、白濁しており、国見温泉を薄くしたような味がした 。


(2017 年 11 月)

 


◆源泉情報◆
源泉名:玉の湯 (ひょうたん風呂に使用)
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩泉
泉温:49.3℃
成分:pH6.5、溶存物質 1191.4 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。

ナトリウムイオン 234.3 (83.52) 炭酸水素イオン 659.2 (88.82)
カルシウムイオン 13.5 (5.49) メタケイ酸 188.4
アンモニウムイオン 5.0 (2.30) 遊離二酸化炭素 360.3

分析日:2009 年 11 月 10 日

 

源泉名:幸ノ湯 (黒湯に使用)
泉質:含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉
泉温:57.8℃
成分:pH6.7、溶存物質 2490.2 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。

ナトリウムイオン 518.9 (85.30) 炭酸水素イオン 1430.0 (81.02)
カルシウムイオン 33.4 (6.31) 塩化物イオン 141.1 (13.76)
アンモニウムイオン 6.1 (1.29) 硫酸イオン 60.0 (4.32)
メタケイ酸 228.1 遊離二酸化炭素 385.3

分析日:2009 年 11 月 10 日


月光温泉 月光大浴場 (福島県郡山市) ★★★★

2020-11-10 | 南東北の温泉

福島県のほぼ中心部に立地する郡山市には、街中にも湯量豊富な温泉が点在している。市街の南側にある月光温泉もそのひとつであり、細い道路を挟んで大浴場とクアハイムが向かい合っている。尚、当温泉は「月光温泉公衆浴場」とも紹介されているが、ここでは看板の「大浴場入口」から「月光大浴場」として紹介する。

大浴場とはいうものの、浴室はシンプルかつこじんまりとしたもので、5~6 人ほどが入れる湯舟にはドバドバと源泉が注がれ、オーバーフローしている。強力なツルスベ感のある無色透明の湯で、湯温は 44~45℃ ほど。熱いので、ほとんどの人があまり湯舟には浸からず、床でくつろいでいた。


(2014 年 6 月)
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<再訪>
やはりオーバーフローが気持ちよい。残念なことにトド寝は禁止されている。湯温は 44℃ ほど、泡付き、ツルスベ感、モール臭ともとれる硫黄の臭いと味がした。


(2019 年 6 月)


◆源泉情報◆
源泉名:月光温泉あさか野泉
泉質:ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉
湧出量:616 l/min
泉温:48℃
成分:pH9.0、溶存物質 1381 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。

ナトリウムイオン 440.3 (96.09) 硫酸イオン 530.3 (55.26)
カルシウムイオン 13.5 (3.36) 塩化物イオン 258.6 (36.49)
メタホウ酸 35.1 炭酸イオン 18.4 (3.05)

分析日:2000 年 12 月 22 日


東鳴子温泉 馬場温泉共同浴場 (宮城県大崎市) ★★★★★

2020-09-22 | 南東北の温泉

東鳴子温泉の開湯は鎌倉時代とも奈良時代以前ともいわれており、非常に歴史ある温泉だ。江戸時代 (恐らく後期) になると伊達家の御殿湯も置かれ、江戸時代最後の仙台藩藩主慶邦が訪れた記録が残る。馬場温泉はほかの東鳴子温泉の宿とは離れており、隣の川渡温泉との移行部に立地している。

馬場温泉共同浴場は旅館の敷地内にある共同浴場で、一見するとただの小屋である。浴室は 1 つだけなので、「入浴中」の札を下げて入る。無骨なコンクリの湯舟に注がれる湯は真っ黒に見えるが、実際には黄茶色透明。杉の葉臭のする心地よい湯だ。熱い湯だが、泡付きが強く、あっという間に体中が泡に包まれた。灰色の浮遊物もみられた。


(2015 年 11 月)
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<再訪>
4年ぶりの再訪。モール臭の中に、わずかに薄荷のような清涼感のある香りが感じられた。熱めの湯だが、以前ほどではないような気がした。


(2019 年 4 月)


◆源泉情報◆
源泉名:馬場の湯 1 号泉
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩泉
泉温:47.2℃
成分:pH6.8、溶存物質 1809 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。

ナトリウムイオン 420.0 (93.36) 炭酸水素イオン 1121.5 (92.78)
メタケイ酸 190.0 遊離二酸化炭素 283.5

分析日:2011 年 4 月 27 日


広河原温泉 湯の華 (山形県飯豊町) ★★★

2020-09-21 | 南東北の温泉

※2019 年 7 月より休業しているとの情報があります。


米沢の市街から50分、田舎道を抜け、更に、山之神神社の辺りから沢沿いのオフロードを 20 分。山深い秘境にある温泉だ。かつては間欠泉の周りに造られた野湯だったそうだが、今では立派な宿泊施設となっている。下手は捨てられた湯の成分が堆積し、地面が金茶色に染まっている。

愛想のない亭主に料金を払い、浴室へ。源泉はぬるめとのことで、内湯はやや熱めに加温された湯が注がれていた (間欠泉とは別に常時湧出する別源泉がある?)。炭酸味、金気味のある湯で、赤茶色の細かい湯の花が舞い、懸濁しているが、湯底までみえる透明度はあった。

一方、露天は内湯と異なり黄金色に濁っている。湯舟の中の岩から間欠泉が噴出すようで、その間隔はまちまちとのこと。湯に浸かりしばし待つこと 40 分。なんの前触れもなく間欠泉が噴き出した。高温で圧がかかって噴き出してくるわけではなく、炭酸ガスによる圧のようだ。出てきたばかりの源泉は、透明で、シュワシュワしており、1 分ほど噴き出し続けた。お湯が出なくなってもしばらくはガスだけが出てきており、鼻を近づけると強烈な炭酸を感知した。恐らく、深く吸い込んだら失神するであろう。この後も、25 分後、更に、その 5 分後に噴出がみられた。露天の湯は、間欠泉の湯だけでなく、加温源泉も投入されているが、ぬるめでいつまでも入っていられる温度。黄土色の藻屑のような浮遊物がたくさんみられた。

空の青、木々の緑、黄金の湯と、まるでゴッホの絵のような色彩豊かな温泉であった。余談になるが、女将さんはとても気さくで感じよい人だった。


(2015 年 9 月)


◆源泉情報◆
源泉名:広河原源泉
泉質:ナトリウム・カルシウム-炭酸水素・塩化物泉
泉温:33.1℃
成分:pH6.8、溶存物質 3064 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。

ナトリウムイオン 454.0 (48.98) 炭酸水素イオン 1562 (63.68)
カルシウムイオン 295.4 (36.56) 塩化物イオン 508.9 (35.70)
マグネシウムイオン 48.1 (9.82) 臭素イオン 2.0 (0.12)
総鉄イオン 6.1 (0.55) メタケイ酸 120.4
マンガンイオン 4.1 (0.37) 遊離二酸化炭素 636.6

分析日:2009 年 12 月 25 日


大塩裏磐梯温泉 旅館米澤屋 (福島県北塩原村) ★★★★

2020-09-20 | 南東北の温泉

大塩温泉は、喜多方の街と檜原湖の間に立地する温泉で、濃い食塩泉を煮詰めて作る山塩が名物になっている。物流の発達していない時代、山間の村落にとって塩は貴重なものだったのだろう。現在は山塩羊羹などとして、土産物にも活かされており、米澤屋でも山塩ラーメンが供されていた。

浴室は板張りで、角に合わせた三角湯舟の内湯のみ。湯は透明で、海水のように塩辛く、ややぬるめ。成分表をみると、銅イオンを 1 mg/kg 以上含んでいることがわかった。これが銅!といった浴感はわからなかったが、大変珍しい泉質である。注がれた源泉がサーサーと惜しみなくフローしており、大変気持ちのよい一湯であった。

余談であるが、かつて知られた含銅泉のほとんどはすでに廃業しているか、成分が変化して銅イオンが検出されなくなっている。知る限り、現在でも 1 mg/kg 以上含んでいるのは、大塩裏磐梯温泉のほか、徳島県のふいご温泉 (5.5 mg/kg。2009 年)、島根県の大谷温泉 (1.2 mg/kg。1980 年) であるが、いずれも未湯である。温泉法の改定により、泉質名として「含銅」は認められなくなってしまったが、悔しいので下記“源泉情報”には「含銅」と記しておく。


(2019 年 9 月)


◆源泉情報◆
源泉名:大塩裏磐梯温泉旅館組合
泉質:含銅-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
泉温:45.8℃
成分:pH7.2、溶存物質 18835 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。

ナトリウムイオン 4651.4 (70.27) 塩化物イオン 11088.9 (92.17)
カルシウムイオン 1212.8 (21.01) 硫酸イオン 662.6 (4.07)
マグネシウムイオン 207.1 (5.92) 炭酸水素イオン 454.7 (2.20)
カリウムイオン 197.2 (1.75) 炭酸イオン 145.5 (1.43)
リチウムイオン 19.9 (1.00) 臭素イオン 25.7 (0.09)
銅イオン 1.2 (0.01) メタホウ酸 100.8
メタケイ酸 57.7 遊離二酸化炭素 145.5

分析日:2013 年 10 月 4 日


百目鬼温泉 (山形県山形市) ★★★★

2020-08-02 | 南東北の温泉

山形市郊外ののどかな田園地帯に立地する日帰り温泉。百目鬼と書いて「どめき」と読むのだそうで、住所の山形市百目鬼からとったようだ。お化けの伝承でもあるのかもしれないし、唸るような音を意味する「轟=どめき」からかもしれない。

とても人気のようで結構な混みようである。駐車場はほぼ満車状態だった。券売機でお金を払い、受付の人に渡すと、「初めての方ですか?非常に濃い温泉なので長湯しないでください」とのこと。
内湯と露天にそれぞれ湯舟が 1 つずつあり、露天は 30 坪の広々とした露天風呂なので混み合っていても決して芋洗い状態にはならない。掛け流しで、淵からどんどん湯が溢れていくのが素晴らしい。湯は灰色がかった暗い青緑色に濁り、金気臭と潮の匂い、塩味、金気味が感じられた。内湯の方は露天に比べて熱めで透明度が高く、より新鮮な湯のようだ。確かに濃い湯で、長湯はできないが、3 分以上入らないようになどと注意書きまであるのは少々小うるさい。

湯に浸かっていると塀で見えないが、周りは黄金色に実った稲田と満開の蕎麦畑で実に美しい。涼むときに塀にもたれて景色を堪能させてもらった。


(2015 年 9 月)


鳴子温泉 西多賀旅館 (宮城県大崎市) ★★★★

2020-07-29 | 南東北の温泉

鳴子温泉は、826 年の火山噴火とともに湧き出した歴史ある温泉で、平泉に下る際に立ち寄ったとされる源義経にまつわる伝説も多く残されている。泉質は非常にバリエーションが豊富で、多くの宿が自家源泉を有している。

西多賀旅館は、国道 47 号線沿いに立地しており、玄関から廊下をまっすぐ行ったところに男女別の内湯がある。シャワーもないシンプルな浴室の決して広くはない湯舟には、うっとりするような黄緑色のにごり湯が注がれていた。湯温は適温で、硫黄臭ではなく鉱物油臭がするのにも良い意味で期待を裏切られた。湯口の湯を口に含むと、酸味の後に苦味を感じた。

美しい黄緑色の湯に女将さんも感じ良く、ぜひまた来てみたい一湯だ。


(2015 年 11 月)
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<再訪>
4年ぶりの再訪。あぁ、やはり美しい。静かにかけ流される黄緑色の湯、白い浴室の床、ケロリン桶の黄色。アブラ臭が以前よりも強くなったような気がした。表示によると加温ありとのこと。

(2019 年 4 月)


◆源泉情報◆
源泉名:西多賀の湯 1 号
泉質:含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉
泉温:50.9℃
成分:pH6.5、溶存物質 2883.9 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。

ナトリウムイオン 578.4 (73.70) 炭酸水素イオン 986.4 (45.74)
カルシウムイオン 112.2 (16.40) 硫酸イオン 609.9 (35.93)
マグネシウムイオン 25.2 (6.06) 塩化物イオン 212.8 (16.97)
メタケイ酸 259.6 硫化水素イオン 10.0 (0.85)
メタホウ酸 31.1 チオ硫酸イオン 9.3 (0.48)
遊離二酸化炭素 683.2 遊離硫化水素 36.7

分析日:2018 年 11 月 6 日


ひまわり温泉 ゆ・ら・ら (山形県中山町) ★★

2020-07-25 | 南東北の温泉

センター系の温泉施設で、宿泊施設や会議室なども備えられている。2019 年現在、同町では唯一の温泉施設とのこと。

露天は工事中とのことで、内湯のみの利用となった。浴槽は 2 つに仕切られ、「あついお湯」と「ぬるめのお湯」になっている。「あついお湯」には中山町 3 号源泉が加水、消毒され供されており、かけ流し。黄色透明、薄茶色の浮遊物がある湯であった。一方、「ぬるめのお湯」には中山町 2 号源泉が加水、消毒さて供されており、循環かと思ったがかけ流しとのこと (ジェットバスがあったので勘違いしたのかも)。ぬるめといいつつやや熱めで、褐色懸濁、茶色の浮遊物のある湯であった。


(2019 年 8 月)


◆源泉情報◆
源泉名:中山町 3 号源泉
泉質:ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
泉温:53.1℃
成分:pH7.3、溶存物質 1277 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg)。

ナトリウムイオン 334.6 塩化物イオン 482.5
カルシウムイオン 43.7 炭酸水素イオン 261.2
メタケイ酸 124.6 遊離二酸化炭素 32.1

分析日:2015 年 3 月 23 日

 

源泉名:中山町 2 号源泉
泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
泉温:48.3℃
成分:pH6.9、溶存物質 3912 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg)。

ナトリウムイオン 948.1 塩化物イオン 2066
カルシウムイオン 389.2 炭酸水素イオン 286.2
マグネシウムイオン 38.9 臭素イオン 10.9
メタケイ酸 125.4 遊離二酸化炭素 69.9

分析日:2015 年 3 月 23 日


いわき湯本温泉 美風の宿 (福島県いわき市) ★★★

2020-07-24 | 南東北の温泉

いわき湯本温泉の歴史は長く、開湯は奈良時代とも伝わる古湯だが、明治期に入ると石炭の採掘により湯脈が破壊され、一度は枯れている。現在の源泉は、炭鉱跡からさらにボーリングしてくみ上げているものである。

美風の宿 (はるかぜと読ますらしい) は旅館やホテルが密集する湯本駅の北西エリアからは少し離れた位置にあり、周辺には温泉街らしさはない。内湯と露天とがあり、内湯は信楽の狸の酒徳利から、露天は竜頭の湯口から源泉が注がれていた。内湯の湯口の方が私好みであるのだが、鮮度は露天の方がよく、硫黄臭、ゴム臭、硫黄味、塩味の湯であった。宿泊での利用であったが、日帰り入浴を積極的に受け付けているようで、チェックイン時には利用者が多いため湯がなまっていたが、深夜にはしゃきっとするような熱い湯に浸かることができた。


(2020 年 2 月)
※お気に入り度は湯使いや浴室の設えによるもので、客室や食事は評価対象外としています。


◆源泉情報◆
源泉名:常磐湯本温泉湯本温泉源泉
泉質:ナトリウム-塩化物泉
湧出量:5270 l/min
泉温:58.3℃
成分:pH8.0、溶存物質 1831 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。

ナトリウムイオン 544.4 (84.72) 塩化物イオン 648.8 (65.99)
カルシウムイオン 75.8 (13.54) 硫酸イオン 309.6 (23.24)
メタケイ酸 54.2 硫化水素イオン 7.2 (0.79)
メタホウ酸 21.1 チオ硫酸イオン 4.7 (0.30)
遊離二酸化炭素 6.1 炭酸水素イオン 146.5 (8.6)

分析日:2018 年 6 月 6 日