為せば成る為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり

やろうと思えば何でもできる。できないのはやろうと思わないから。やろうとすることは他人のためではなく、自分のためになる。

人間行動理論・人間作業モデルにおける作業

2005-12-08 | 作業療法

1980.9.Kielhofner:アメリカ作業療法ジャーナルに人間作業モデルを発表した。
人間作業モデルは作業療法実践のモデルであり、Reillyの想起した作業行動
基づき構築されたものである。

Reillyは人間を作業的存在と捉え、人間は環境に働きかけ環境を克服したいという
内的欲求をもち、社会的役割期待に沿うやり方でそれを行うものとしている。
KielhofnerはReillyの研究に基礎を置きながら、人間をオープンシステムとして
環境と相互作用する作業的存在と提示している。
彼らが注目したのは、人間の作業的特質についてである。

【作業行動理論】
1950.Reillyによって提起された作業療法の包括的な概念枠組みである。
Reillyは、慢性障害者が社会に適応するためには、社会的役割の維持・拡大
図らなければならないとし、医学モデルからの転換と、障害者の日常生活に
焦点を当てることの重要性を主張した。
作業Occupationに注目したReillyは、人間を創造的・生産的な作業を求める
存在であると捉えた。
人間は自己の精神と意思に活気づけられた両手の使用を通して自らの
精神状態に影響を及ぼすことができる
」存在であるとの仮説を立て、
初期の作業療法創設者たちの実践を呼び起こした。
すなわち、「作業への回帰」である。

作業行動理論は、以下の4つの基本概念をもつ。
有能でありたい、達成したいという人間のNeeds
仕事と遊びの発達的側面
作業役割の特性
健康と人間の適応能力との関係

Reillyはさらに、遊びの中に、以下の3つのサブシステムをおいた。
探索:主体的に何かを行うことで環境に働きかける。
有能感:課題遂行したり問題を解決したりする能力。自己で認めている。
達成:本人・周囲の期待にそう。本人にとって必要な役割・課題の遂行。

Reillyの作業行動パラダイムは、作業療法サービスと共に展開している。
OTRは対象者の興味を知り、適切な作業へと導く。
対象者は作業を通して小さな成功体験を積み重ね自信をつけ、
さらに大きな課題へ挑戦していく。

【人間作業モデル】
人間作業モデル:人間行動理論と一般システム理論を用いたもの。
人間を解放システムと捉え、意志習慣化遂行という
3つのサブシステムからなる。
1995年度の改訂版では、ダイナミックシステム理論・カオス理論が取り入れられ
人間を複雑でダイナミックなシステムとして概念化している。

第1のサブシステム:意志
動機づけを説明する。
自分の作業行動を予測・経験・解釈・選択するよう方向づける確信。

第2のサブシステム:習慣化
日常行動のパターンを維持することに責任を負うもの。

第3のサブシステム:精神-脳-身体の遂行
作業遂行のための基本的能力であるそれぞれの技能。

上記3つのサブシステムは、
日常の作業行動に影響を及ぼす人間システムの部分として構成され、
互いに補助的に寄与し、適切に処理するヘテラルキーを持っている。

全ての作業はその人の環境で生じるものである
人間は環境から情報やエネルギーを取り込み、この情報やエネルギーを自己維持と
環境とのさらなる交流を図るために使い、環境への働きかけや環境との相互作用を
引き起こす。

環境は時に遂行の機会を提供し、時にある特定の行動を求めて圧力をかける

人間作業モデルは、作業に対する動機づけ、作業行動を日課や生活様式へと
パターン化すること、熟達した遂行の特性、そして作業行動に対する環境の
影響に焦点を当てている。

【作業を臨床に用いる】
まず評価により対象者の作業機能障害の状態を把握する。

○作業機能障害とは…:
疾病・外傷・ストレスなどによって、仕事や遊びへの参加を求める社会的期待を
果たしていない場合。探索や習得を求める行動をとらず、システムの構成要素を
妨げるような場合をさす。

対象者が自由に選択した作業に従事することによって自己維持と
変化の過程は支持される。

技能を発達させる活動は対象者の意志の特性を念頭に選択しなければならない。
活動は価値づけられており、興味のあるものでなければならす、
成功の期待を喚起するものでなければなれない。
そのため対象者とOTとの協業が作業選択には特に重要となる。


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1 コメント

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質問なんですが… (みやび)
2013-04-24 17:01:27
文書に書かれている、

作業Occupationに注目したReillyは、人間を創造的・生産的な作業を求める
存在であると捉えた。
「人間は自己の精神と意思に活気づけられた両手の使用を通して自らの
精神状態に影響を及ぼすことができる」存在であるとの仮説を立て、
初期の作業療法創設者たちの実践を呼び起こした。
すなわち、「作業への回帰」である。

とわなんの本に載っていますか?
できれば、この文書が記載されている
ページ数も教えてください。
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