為せば成る為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり

やろうと思えば何でもできる。できないのはやろうと思わないから。やろうとすることは他人のためではなく、自分のためになる。

選択:choice

2006-01-09 | 作業療法
Eleanor Clark Slagle講演:1966より
作業療法が歴史的に独自であったのは、対象者が自分自身の治療に
参加するところであると指摘している。

対象者自身の選択を奨励し、対象者が独自の関わることを奨励する。
その時、対象者の治療プログラムにおいて目標を設定することが最も重要。

最終Goalsは自己実現をもって自分自身の環境と関わる能力

作業療法の成否はOTがどのくらい上手く治療プログラムを思いつくことができるかとは
別に、対象者の潜在能力と本人がその能力を使うかの選択によって決まる。

作業療法士は対象者のために自分自身の可能性に気づくように、
自分達の技術知識パーソナリティーを使っている。

対象者は空想ではなく、現実に基づいて選択するというチャンスを与えられている。
作業療法士は、対象者の選択に基づいて目的を決め、大きな目標に向けて
段階付け行う。これらを行うには、より広い知識・技術・感受性が必要であると共に、
これをしなければならないと指示する権威者の役割よりも、
個人に価値を置くことが重要である。と述べている。

作業療法は、対象者の妥当な依存度から始め、
対象者自身が現実的な状態を理解し、
対象者が選ぶ現実的な目標を設定し、
目標達成のための手段も対象者が選択するようにする。

対象者の依存度が高い場合、
限られた期間だけ作業療法士が主導権を取る場合があるが、
それが適切かどうかは対象者自身が判断するようにするべきである。

【私的な意見】
臨床で作業療法を行うにあたり、最も基礎的なことである。
しかし、患者は身体機能に執着していたり、
不安・焦りから現実逃避をしている場合も少なくない。
作業療法士が関わることで、1次障害への思考を転換させ、
生活・楽しみなどへ思考できるように進めていくことも重要である。

その過程(治療・訓練)においては、患者との共通した目標設定は不可欠であり、
また患者が意欲を持って主体的に参加できる作業を用いる必要がある。

主体的に何かに参加する…。
入院中にこのような経験ができるのは、
おそらく作業療法の場面だけではないだろうか…。

主体的に参加できる活動を用いながら、患者は作業に没頭し、
作業療法士は、身体機能面(筋力・耐久性・感覚などなど)や
認知面・精神面に考慮し、ADLやAPDLなどの能力をはじめ、
社会復帰後の家庭での役割や楽しみの再獲得を促す。

これらを行うためにも患者自身の主体的な作業選択は重要である。
作業を媒介としての現実検討も可能となるのではないかと考える。
次回は『自己主導型目的活動:self initiated,purposeful activity』について
検討する。

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