S家の別宅

夫婦ふたりきりになりました。ふたりの生活をこれから楽しみたいなと思います。

つながっている一本の糸みたいに。

2009-10-16 16:19:36 | Weblog
ここのところ立て続けにアマゾンの中古本を買っていた。
中古なので、300円とかそんな値段で買えるものばかりだ。

でもあまりに出版が古い(昭和30年代から40年代)ものばかりなので、活字はなんだか活版印刷みたいな感じだし、表紙はやけていて色も変わっている。

でもすごく不思議なことに、いろんな本を読み始めて気がつくと、ある1本の線のように、作家から作家へ、たまたま読み始めた本にこの間買った本の名前があったり、見えない糸のように本から本へとつながっているものがあって、わたしはそれい導かれて読んでいるみたいで、見えない力にあやつられているみたい・・・・
と思う。

それはきっと自分の惹かれるものには、ある思想なり考えなりその作家の生きかたや、考え方が自分と同じ色をしているからなのかもしれないと思ったりする。


そして必然的に自分が作品を書くうえで、モチーフやテーマ、死ぬまで追い続けるものが何なのかが、ぼおっとおぼろげに浮かび上がってくるような気がする。

それは若い頃と違って、たぶん今まで読んだり、書いたりしてきたから見えてくるものなのかもしれないから、書いてきたことはまんざら無駄ではなかったのかもしれないと思えるようになった。

どんな物書きもいつも書く初めには新しいスタートラインに立つ訳だけれど、自分の方向性がおぼろげに見えてくれば、やたら無駄な間違ったスタートラインに立たなくてもいいわけだ。

この世の中には、気持ちが惹かれるものはいっぱいある。
でも本当に自分がそれに魅かれているのかは、すぐにはわからない。

やっとだんだんわかるようになったのかもしれない。
長い道のりだなあと思う。

ほんとに小さい頃の記憶みたいなものを手繰り寄せていくと、あんがいヒントがあったりするのもおもしろい。


自分に似合うと思い込んでいたものが似合わなかったり、敬遠していたものがあんがい似合ったりするお洋服みたいなものかもしれない。