S家の別宅

夫婦ふたりきりになりました。ふたりの生活をこれから楽しみたいなと思います。

匂い。

2010-12-08 17:09:25 | Weblog
見上げれば、雲がひとつもない淡い冬の青空。
空が、まるで違う世界のように遠い、深呼吸してみる、薄いひかりの匂いがする。

匂いの感覚はとてもだいじなものだと思う。

テレビでも認知症の人にアロマを使うと、症状が改善する人が多いと言っていた。

今、アロマオイルなんかも人気だそうだ、けれど、わたしの匂い感覚はちょっと違う・・・・


黴の匂いが好き、車の排気ガスの匂いも嫌いじゃあない、

インドネシアやタイやベトナムの混沌とした雑多な市場、野菜に花に、肉、魚、香辛料・・・・そんなものが忽然と混ざり合った
、そこにたくさんの人々の体臭や汗や、暑い国の太陽の匂いや、シャッフルしたようにみんな混じり合っている市場の匂い、

わたしはそんな匂いが好きだ、そういう場所に行くと、がぜん元気になる。

それは「香り」ではなく、正真正銘の「匂い」だ。

犬や猫や獣の身体が雨に濡れて、けものの匂いがする時、命の匂いだと思う。


たぶん今のブームになっているのは、植物や森のかおり、花のかおり、お部屋やトイレはあくまで消臭や芳香

そういう香りが別に嫌いではないんだけれど、強烈に命の匂いを嗅ぐと、わたしは元気になる。


火、風、光、そういうものたちに繋がっていく、どこかエネルギッシュでさえある匂いだ。

人間はたぶん半分は森や植物をも必要としているけれど、半分は獣と同じ血の流れているいきものでもあるんだろう。