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開店休業

芳賀宇都宮LRT?ライトレール?ライトライン?~呼び方がよくわからない新規開業LRTに乗ってきた~

2023年09月24日 21時00分00秒 | 鉄道
注:愛称はライトラインに統一されるみたいです

久しぶり(自分が生まれてから初)の完全新規開業となる路面電車が北関東の最大都市である宇都宮で開業したということで乗りに行ってきました。


9月某日の栃木県内。ここからこの列車に乗ると40分少々で宇都宮にワープできます。


とりあえずお昼ご飯に宇都宮の名物である餃子をいただきます。


宇都宮駅東口電停からとりあえず全区間乗車。

車内の様子。車内は予想以上に混雑していてあまり撮れませんでした。


ドア上部には各種案内が出来る案内表示器があります。


ドア回りには乗降時にICカードをタッチするリーダーがあります。宇都宮の地域系Suicaであるtotora以外にも全国交通系ICカードが利用可能。


天井には案内モニター。広告などが表示されます。


運転席後方のモニターには運賃表示。150~400円(距離制)で現金ICとも運賃は同じです。現金での乗車時は乗車駅で整理券を発券し降車時に運転席後ろの運賃箱で精算となります。


運転席。各種モニターで車内外の様子を監視できます。


車内はFree Wi-Fiが利用可能です。私の環境のせいだと思いますが駅毎にWi-Fiが不安定になり使い物になりませんでした。


芳賀町の終点にある芳賀・高根沢工業団地に到着。開業ダイヤでは宇都宮駅東口から約48分で到着します。将来的には各駅停車で約40分、速達種別で35分程度になる予定だそうです。ライトライン車両の座席はまぁまぁ座り心地は良くて50分弱の移動ならそこまで苦にならない感じでした。


芳賀・高根沢工業団地電停は道路の中央にあり、横断歩道と歩道橋で出入りが可能です。


芳賀・高根沢工業団地~かしの森公園を走行するライトライン車両


かしの森公園と芳賀町工業団地管理センター前の区間では谷を越える区間があり急勾配になっています。他の区間でも道路との立体交差や河川越え区間で勾配が厳しい区間があり、それらの勾配を問題なく超えることが出来る車両が利用されています。


ゆいの杜東電停前には副駅名にもなっているホンダカーズ栃木中央 ゆいの杜店があり、ライトライン仕様のN-VANが展示されています。


ライトラインは3両編成なのでカーブなどでは他の車両を見ることも。


鬼怒川を渡るところ


平石電停に併設されている車両基地。


ライトラインはグリーンスタジアム前と平石の両停留所が島式2面4線となっており、将来的に各駅停車と速達種別の追い抜きがおこなわれる予定です。各列車毎に精算となるライトラインですが直近(30分程度?)の同一停留所で乗換時はICカード利用時は運賃が通し計算され、1本目下車時に通常運賃、2本目下車時は通し運賃から1本目の運賃を引いた金額が差し引かれます。


宇都宮駅東口の2つ手前の停留所である駅東公園で下車し街中を走るライトラインを撮影。宇都宮駅東口~宇都宮大学陽東キャンパスのほとんどの停留所では下車後横断歩道で道路を渡るわけですが、横断歩道の待ち時間が気持ち長いなぁって感じました。


街中のコンビニではライトラインの開業装飾も。


宇都宮駅東口に到着。東口側は商業施設とホテルが建設されました。



ライトラインの感想
 正直なところ0から路面電車とかどう考えても採算的に無駄だろうと思っていましたが、ライトラインは意外とうまくいくかもしれないなと思いました。

 細かい事情こそ調べていませんが、宇都宮駅から遠いエリアに工業団地などがあり通勤需要がありそうなこと、沿線には高校があり通学需要もありそうなこと、宇都宮駅から近いエリアやゆいの杜には商業集積があり日中時間帯の買い物など定期外利用も期待できることがあげられます。また沿線ではまだまだ開発余地のあるエリアが見られ、ライトラインとの相乗効果で今後の沿線人口増加も期待できるのは大きいと思います。

 沿線では特定駅にトランジットセンターが設置され、路線バスや自家用車からの乗り換えが便利にできるように計画されています。開業前は宇都宮駅まで直接運行されていた路線バスはトランジットセンターでのライトライン乗り換えに再編され、ライトラインの大量輸送を生かした交通連接がはかられます。乗り換えが発生する手間はありますが、バス運転手不足の問題が顕在化している中でバス路線維持に対しても効果を発揮するのではないでしょうか。

 課題点としては宇都宮駅西側の中心市街地への延伸や混雑時の増便がどの程度できるかでしょうか。開業当初は乗降に時間がかかり遅延が常態化しているという話も聞きますが、ICカード(totora)を普及する施策がとられていますし、全国交通系ICが利用できるので遠くない将来解消すると思われます。

 ライトラインの交通事故ニュースが報じられていますがこれも時間が解決する問題だと思います。宇都宮市の交通政策次第ではありますが、ライトライン等の利用が促進されることで高齢者の運転免許返納などがすすむなどの高齢化社会への対応という意味でも良いと思います。地下鉄やモノレールにないLRTのメリットとして停留所が基本的に地上平面にあり上下移動がないのは足腰が弱った高齢者だけでなく、バリアフリーという観点からも今の時代に合った乗り物だと思います。

 採算に関してはどうなるか数字を注視する必要はあると思いますが、今回開業したライトラインは今後の地方都市の交通政策を考える上でよいお手本となることに期待します。
*宇都宮レベルの路面電車開設の条件の整った都市がどの程度あるかはわかりませんけど・・・


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