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2023年7月15日デビュー!東武特急スペーシアX1番列車に乗ってきた

2023年07月15日 21時00分00秒 | 鉄道
お題の通りです。1ヶ月前午前9時のチケット発売開始時点ではネット予約がつながらず行く気も失せていましたが、7月上旬に予約サイト見たら空いていたので予約しました。ネット購入なので残念ながら紙の切符はありません!なお、私鉄系の新型特急列車の1番列車に乗るのは記憶している限り西武のLaview以来4年ぶりくらい。


朝の浅草駅。浅草駅は狭いからこういうイベントは無理だと思うの。


出発式。挨拶しているのは東武鉄道の都築社長。続いて浅草駅長と東武キッズクラブ代表からの挨拶+乗務員への花束贈呈がありました。


入線。角度的にどうにもならん。


スペーシアX(東武日光駅にて)


車外案内表示器は大型のLCDで様々な情報が表示できます。ただ情報量が多すぎてぱっと見では少しわかりにくい印象も受けました。凝視するなら情報量が多いのは良いと思います。

1号車(コックピットラウンジ)
関係者がたくさんいて社内からの撮影は無理・・・というか、コックピットラウンジの指定券をお持ちでない方は中に入れてもらえない体制でしたのでそこはグッドだと思います。売店は沿線で作られたものなど魅力的な商品の販売がありますが、コックピットラウンジ利用者以外は整理券(自前のスマホで入手)が必要です。1番列車ということで整理券のゲットはならず。要するに買い物のスタートラインにすら立てませんでした。控えめに言ってもガッカリ。落ち着くまでは売店で何か買いたいならコックピットラウンジの指定券を確保しましょう。


内装は日光金谷ホテルのラウンジをイメージしているとか言っていたような曖昧な記憶が。下り列車では先頭車両なので前面展望が楽しめるそうです。窓もXなのでスペーシアXに乗車している感じが一番味わえる区画だと思います。乗車時間は2時間弱の列車なのでこういう座席でも問題なさそう。この空間には一度足を踏み入れたいですね。価格はスタンダード+200円×区画の座席数。区画毎の販売なので相席にはならないです。


2号車(プレミアムシート)

2号車はJRなどで言うところのグリーン車に相当するプレミアムシートです。バックシャル付きの3列シートが並びます。スタンダード+230~580円なのでスタンダードよりおすすめ。というか、この座席区分がスペーシアXの最低クラスで良かったと思うの。

3~5号車(スタンダードシート)

一番下のクラス。現行特急に対し+60~290円。リバティよりはよさげなシートですがあまりスペーシアX感はないのでおすすめできない区画かなって思います。

5号車(ボックスシート)

5号車の4号車より台車直上にある区画。スタンダード+400円/1ボックス。ついたてで区切られているので多少はプライベート感があります(通路から丸見えですけど)。車端部なので乗り心地には難アリな感じ。1人あたりの横幅は広めなのでお膝の上にのせて移動するようなお子様連れには良いかもしれません。


6号車(コンパートメント・コックピットスイート)

コックピットスイートはスペーシアXで最上級の区画。定員7名で1室12,180円です。若干狭いかもしれませんが定員の7名乗車なら1名あたり+1,740円なので専有面積やプライベート感を加味すれば破格だと思います。ゆったりと乗車できる4名なら1名あたり+3,045円。特急料金などからすると高いですが比較的利用しやすいと感じさせる料金です。というわけで簡単には予約できない区画かなと。おすすめは前面展望が楽しめる上り列車でしょうか。


コンパートメントは4名個室で1室6,040円です。定員なら1名あたり+1,510円。コックピットスイートを見た後だと狭そうに見えてしまいます。通路側の眺望がないなどコックピットスイートに比べ居住性はかなり見劣りするように見えます。その割に1名あたりで計算すると価格差がほぼない。ゆえにコックピットスイート最強。


今回はプレミアムシートを利用したので少し深掘りします。


プレミアムシートは下り列車で進行右側が1列、左側が2列の3列シートです。1号車よりにデッキや洗面所、3号車よりはデッキなしですので乗り心地を考えるなら若い番号の座席がオススメです。一番3号車よりの12列目は1+1ですが車椅子用ではなく通路の位置関係でそのような配置になっているようです。


座席モケット色は昔の東武特急を思わせるような色合いで暖かみや落ち着きがあって良い感じ。手動で上下に調整できる枕のカバーはスペーシアXをモチーフにしたものです。


リクライニングは電動式でバックシェルタイプなので倒す際も後ろは気になりません。テーブルはインアームのみ。


各座席にコンセント完備です。アームレスト前方にはカップホルダーもあります。


一番多いスタンダードシートはこんな感じ。至って普通ですね。特筆すべき点はないように思います。


車内設備

デッキには大型荷物を置けるスペースがあります。スペーシアXはインバウンドの日光/鬼怒川誘客の使命もありますので必須スペースです。


車内案内はモニター式。液晶モニターは様々な情報を表示できるので良いと思います。走行中は前面・後面展望が流れることもあります。


1号車GOEN CAFEの案内。僕にはご縁がありませんでしたw


道中はスペーシアより乗り心地は良いですが、特筆するような感じではなくいたって普通の東武特急でした。


乗車時に乗車記念でトートバック貰いました。ありがとうございます。


東武日光駅では日光女将の会が記念品を配布していたようですが、自分が降りたときには配布終了してました。あと太鼓の演奏とかありました。


スペーシアX乗車後は下今市まで移動してDL大樹とSL大樹に乗車して帰路につきました。浅草→東武日光→下今市→鬼怒川温泉→下今市→北千住という単純な行程でも乗車券がお得になる日光マースはオススメ。


DL大樹3号



SL大樹2号



報道記事(帰路の電車で流れてました)



結構期待していたのですが、いかにも東武特急な感じでガッカリ半分安心感半分といった感じ。

第一部完














































































































ここから愚痴
まぁ、スペーシアXはそれなりに期待していたんですよ。しまかぜ・ひのとりやサフィール等上質な観光特急が続々誕生しているご時世ですからね。期待が大きすぎたからなのか期待は裏切られたかなって感じ。


近年の私鉄観光特急の雄であるしまかぜやひのとりを運行している近鉄さん。伝え聞くところでは東武はベンチマークとして結構勉強したらしいんですよね。でも、10年前に登場したしまかぜにすら追いついていない印象しかなかったです。自分の中で普通に乗車できる私鉄観光特急の一番上はしまかぜ。そして観光特急ではないですがそのDNAを受け継いでいるひのとり。それらを研究したのならそれに勝る列車が関東にも出てくるって期待しちゃうわけで。その期待は悪い意味で裏切られました。もちろんコックピットスイート等しまかぜにはない独自の上級設備があるのも事実ですが、総合的に見るととても微妙な出来。


同じ関東で考えると、伊豆方面へのプレミアムな観光特急であるサフィール踊り子。東武にすればとても近場にいいベンチマークがあるんですよね。伊豆に比べ日光は安い観光地だって考えているわけではなさそう(14日に放送された番組では系列のホテルなどで上質な商品を提供したいような印象でした)なのに、スペーシアXにはどこか貧乏くさい感じがあります。例えば気持ち程度の追加料金を徴収するスタンダードシート。こんな設備プレミアムな観光特急には不要ですよ。しまかぜやサフィールのようにプレミアムシート以上の設定だけで問題ない。そしてさらなる上級座席を設定したり個室をもう一両増やす等の野心的な車両にする絶好のチャンスだったのではないかと思います。差別するわけではないですが、スペーシアXは貧乏な日本人旅行者を相手にする必要はなく(それこそリバティで十分)、日本人でも金持ちや相対的に安くなった日本へ遊びに来てお金をバンバン使ってくれるインバウンドだけ相手にしても良いと思います。私はリバティで十分(正確には日光や鬼怒川はお腹いっぱい)なレベルの人間ですが、そういう人間を相手にするよりもお金をたくさん落としてくれるお客さんの対応をするのが今のご時世の流行なんじゃないですかね。円安や物価変動の関係で日本へのインバウンドはしばらくは順調に推移する可能性が高いと思われます。高かろう悪かろうではだめですが、高いけどその分に見合った価値を提供するのがプレミアムブランドであり、昔流行ったらしい『おもてなし』にもつながるんじゃないかなって思います。


営業施策的な話は終わり車内の話に戻しますと、今回利用したプレミアムシート。微妙にケチっぽい仕様ですよね。差額が数百円なので仕方ないと言えばそれまでですが、しまかぜやひのとりのプレミアムシートと比べるとかなり質素。バックシェルのついた重厚なモケットシートの見た目は確かに悪くありません。しかし、売りが電動だけというのは少々寂しい。必須な機能だとは思いませんがレッグレストやマッサージ機能など一見無駄とも思える装備もつけることでで上級感の演出をしても良かったのではないかと思います。


昨今では当然の設備となりつつあるコンセント。インバウンドも考慮するなら日本式のコンセントではなく多くの形状を利用できるタイプのコンセントやUSB端子を付けても良かったともいます。また車内WiFiはTOBU Free WiFiが利用可能で一部区間を除き快適に利用できます。折角の特急車両なので飛行機並のコンテンツとまでは言わなくても小田急GSEのような車内コンテンツの提供があっても良かったかもしれません。


最後にGOEN CAFE。整理券をゲットできずご縁がなかった人間からするとなんと皮肉なお名前なのでしょうか。冗談はさておき、コックピットラウンジの乗客だけではなくコックピットスイートやコンパートメントの乗客に対しても何らかのサービスがあっても良いのではないかと思います。個室料金が多少上がってもウェルカムドリンクと簡単なお茶菓子をサービス→同時に注文を取りお部屋までお届けというようなサービスがあっても良いのではないでしょうか。昨今の観光列車では乗車直後から販売カウンターが大混雑し行列がしばらく続くような列車も多く見受けられるので整理券方式にしたのは悪くない判断だと思います。しかし整理券方式でも一斉によーいドン!で配布ではなく、整理券確保が難しい間だけでも乗車クラスに応じた優先度の設定も必要だと思います。コックピットラウンジ利用者以外は車内で目的の商品を購入できるのかわからないというのはサービス提供としてどうかと思います。サフィール等のように事前予約制(指定券購入時に案内をする必要あり)にして、確実に購入できるようにしてほしいと思います。せっかく沿線の食材を利用した飲食品やスペーシアXにあわせて作られたメニューの数々が買いたくても購入権利すらないというのは疑問しかないです。


スペーシアXは2023年度にさらに2編成増備される予定が発表されていて2024年には4編成による運行になると思われます。今後は旧型スペーシアを置き換えていくものだと予想されますが、将来的に汎用特急リバティとプラミアム特急スペーシアXをどのような割合にしていくのかにも注目したいと思います。


おまけ
SL大樹は相変わらずですね~。キャバクラかなんかと勘違いしてる乗客がいて痛々しい・・・DLの方は乗客も少なく落ち着いていて良かったのですが、五感で感じられるSLに比べDLだと満足感はかなり低いです。




第二部完





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