上州からの山旅

凡人noyamaの山旅の記録

熊野古道(紀伊路・中辺路)を歩く 6(布施屋駅から海南駅)

2024年11月17日 | 街道を歩く

 



【布施屋(ほしや)駅~海南駅】 令和6年(2024)11月8日(金)晴

行  程:和歌山駅7:44=(JR 210円)=7:58布施屋駅--8:54和佐王子---9:11矢田峠--9:49平緒王子--11:25奈久智王子--12:26四つ石地蔵---12:50昼食(アーク)13:30--13:51松坂王子--14:08汐見峠--14:30松代王子・春日神社---15:10菩提房王子---15:25熊野一の鳥居---15:28祓戸王子--16:20藤代王子--17:50海南駅17:51=(JR 190円)=18:02紀三井寺駅--ビジネスホテル圭(素泊まり3600円)
歩行距離:22.8km (渡辺浜・八軒家より累計111.1km)



【和歌山市】


布施屋駅近く、昨日訪れた川端王子前を通り熊野街道へ



古道の面影を感じられる隘路を進む




街道を外れJR小栗橋踏切を渡った所に「小栗橋跡」と「川端王子推定地がある」



小学校にも熊野古道案内看板




江戸時代末に栄えた和佐組大庄屋の屋敷。嘉永5年(1852年)建造の主屋や表門、長屋蔵など国重要文化財に指定



 *
30和佐王子 明治の神社合祀で高積神社に合祀

和佐は、パナソニックの創業者松下幸之助生誕の地




矢田峠へ いよいよ本格的な峠越え



*
役行者祠


通行にが少ないのか道は荒れ気味

矢田峠



峠を下るとミカン畑


*
ここにも役行者の祠



県道には歩道は無くトラックの通行も多い



県道を外れると再び趣きのあるみちへ




31平緒王子 都麻津比売神社(ツマツヒメ)に合祀



六地蔵 伊太祁曽神社への曲がり角にある




紀伊の国一宮 伊太祁曽神社
スタンプは大国主の命が木の又を潜り難を逃れたところを表している 
 *伊太祁曽神社は我が国に樹木を植えて廻ったと 『日本書紀』 に記される 「五十猛命(いたけるのみこと)」 を祀る神社です。植樹神五十猛命は一般には「木の神様」として慕われています。そのため、全国の木材関係者のお詣りが多い神社です。
 また 『古事記』 には 「大屋毘古神(おほやびこのかみ)」 として記され、災難に遭われた大国主神(おほくにぬしのかみ)の生命を救った話が記されています。このことから ”いのち神” ”厄難除けの神” の信仰が篤く、病気平癒祈願、厄除け祈願の参拝が多い神社でもあります(伊太祁曽神社HP)






32 奈久智王子



地藏堂を過ぎ阪和自動車道を潜る




武内神社  武内宿禰誕生之井(たけうちのすくねたんじょうのい)
*武内宿禰は、約3世紀にわたり歴代天皇に仕えるほどの長命を保ち、国家に忠誠を尽くし、子孫繁栄をもたらしたという点で古くから理想的な人物として称えられてきました。事跡にあやかり紀州徳川家に子女が産まれた時は、この井戸の水を産湯に使ったといわれています。戦前発行の紙幣にも武内宿禰の肖像画が描かれていました。(和歌山市HP)



徳本上人名号碑
*江戸時代後期、「南無阿弥陀仏」の念仏を唱えて日本全国を行脚し庶民を救済した念仏行者、徳本(とくほん)上人。浄土宗、紀伊国日高郡の出身



和歌山市と海南市境近くの峠
ルートは赤→だが、左の黄色→辺りに奈久智王子があったともされている


黄色矢印の辺りに石仏があった

 



【海南市】


また、軽自動車がやっと通れる道始まる




 寺の基礎石を集めて作った 四ツ石地蔵 左右に大きな石が4つある




四ツ石地蔵を西に進み「あーく」という食堂で昼食
日替わりランチ700円とリーズナブル、家庭的な料理で店員さんも気さくで親切な店だった



再び街道に戻るが、海南市には「導き石」は無いらしい




34 松坂王子



くも池
神武天皇が、名草姫という反乱軍の女首領を打ち破った古戦場とされる


ここにも徳本上人の名号碑がある



この辺りが峠の様だが



峠より少し下がった「呼び上げ地蔵」のところに「汐見峠」の解説版がある
嘗てはこの峠から海が見えたよだが、今は見えない


呼び上げ地蔵




照手鳥居
小栗判官を土車に乗せた照手姫はこの鳥居を潜って熊野へ向かった。架空の話なのにモニュメントがある?



春日神社


34 松代王子
 スタンプは春日神社の祭礼か??




35 菩提坊王子
解説版が経年劣化で全く読めない、熊野古道も市町村によって扱いがずいぶん違う



時宗 仙臺山(せんだいさん)浄土寺 
「日を限って祈願すると願いが叶えられる」 日限地蔵(ひぎり)の祀られたお寺


浄土宗 弁財山 如来寺
浄土寺と隣り合わせで一つのお寺の様、この寺の上に菩提房王子があった




一の鳥居跡



ここを迂回して奥に進む


途中の解説版 是より110m先に祓戸王子跡


数多くの石仏がある 



36 祓戸王子



やっと見つけた海南市のマンホール
市章と市の鳥ホオジロ、市の木ヤマモモ、市の花サツキをデザイン





 *
鈴木屋敷
「鈴木」姓発祥の地とされ、藤代王子の神官の屋敷。熊野信仰を広めた神官の一族で全国の熊野神社の神官は「鈴木」であったといわれている
嘗て屋敷は藤代神社の境内地であった



藤代神社


**
藤代神社内にある 37  藤代王子  格式の高い五体王子




藤代神社内にある子守楠神社 周囲の楠は市の指定文化財
昭和の中ごろまで楠神にあやかり子供に「楠」をつけて名前を着けることが多く、「南方熊楠」もその一人
 スタンプは藤代神社の獅子舞と鈴木家




今日はこれまでとして、海南駅に向かう



駅前の食堂「みきのや」で夕食

 



 お寺は浄土真宗が多い様なので調べてみたら意外にも大谷派(東本願寺)は上州ゆかりだった
前橋市にある一谷山最頂院妙安寺は東本願寺の御真影(ごしんねい)の「御里御坊」と呼ばれており
慶長7(1602)年、徳川家康より京都に寺地の寄進を受けて東本願寺を建立した際、妙安寺に伝えられてきた親鸞聖人自刻の木像が、京都へ移され納められた。真宗教団連合HP 

  紀州には難読な地名が多い、布施屋(ほしや)、吐前王子(はんざきおうじ)、雑賀(さいか)、学文路(かむろ)、日前神宮(ひのくま)など、どう読めばよいのやら

 街道歩きは、歴史や風土・風俗など様々興味を引かれることが尽きない
 おかげで、街道歩きから帰宅した後も二度も三度も楽しめる遊びであります

↓そんな訳で 押していただくとたすかります



 

用語等
≪熊野街道≫
*熊野街道は、渡辺津(八軒家浜)から熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)への参詣に利用された街道の総称。紀伊路とも呼ばれ、当初は、渡辺津から熊野までが一体として扱われたが、近世以後は紀伊田辺を境に紀伊路・中辺路と区分されるようになった。
 説教浄瑠璃の小栗判官にちなみ小栗街道(おぐりかいどう)とも呼ばれ、大阪市街(上町)では御祓筋(おはらいすじ)とも呼ばれる。(Wikipedia)

≪後鳥羽上皇の熊野御幸≫  
   後鳥羽上皇は建久9年(1198)から24年間の在院期間のうちに28回熊野御幸を行っており、道中のところどころの王子社などで、和歌会が催された
   建仁元年(1201)の熊野御幸では歌人の藤原定家がお供し、その様子を日記『後鳥羽院熊野御幸記』に記している。  『新古今和歌集』編纂の院宣が下されたのは、この建仁元年の熊野御幸から帰京した後のことだった。
(み熊野ネットから)

≪熊野九十九王子≫
 王子とは、熊野権現の御子神だと考えられています。
 熊野詣が一大ブームとなった院政期に、多数の王子が紀伊路・中辺路ルートに出現しました。
 それらは総称して熊野九十九王子(くまのくじゅうくおうじ)と呼ばれました。九十九というのは実際の数で はなく、「数が多い」という意味ですが、実際、最盛期には99に近い数の王子がありました。
 各王子では、奉幣(幣を奉る)と経供養(般若心経などを読む)などの儀式が行われ、里神楽や馴子舞、和歌会などの奉納が行なわれることもありました。
(み熊野ネットから)

≪五体王子≫
 九十九王子のほとんどの王子は、熊野十二所権現のうちの熊野五所王子(若一王子・禅師の宮・聖の宮・児(ちご)の宮・子守の宮)の1体を祀るものですが、5体すべてを祀るものもあり、それをとくに「五体王子」といいました。
 「五体王子」は、とくに格式が高い王子だとして崇敬されましたが、どの王子が五体王子なのかは史料により異なります。「修明門院熊野御幸記」では籾井王子(樫井王子)・藤代王子・稲葉根王子が五体王子とされ、「後鳥羽院熊野御幸記」では藤代王子のみが五体王子で、稲葉根王子は五体王子に准じるとされます。
(み熊野ネットから)
*現在五体王子は、藤代皇子、切目王子、稲葉根王子、滝尻王子、発信門王子とするのが一般的。

参考1:歩く旅シリーズ 熊野古道を歩く 山と渓谷社
参考2:み熊野ねっと::自称「熊野の伝道者 てつ」さんのHP、熊野本宮氏子総代
参考3:歴史街道ウオーキングマップ::大阪府都市整備部
参考4:熊野古道紀伊路::和歌山県観光連盟
参考5:Kansai Odyssey::誰も知らない観光地をテーマに関西を冒険する日本人の夫とアメリカ人の妻のブログ

参考6:Pentiumさんのヤマレコ

参考7:「日本史 小辞典」(改訂版) 山川出版社
参考8:藤原定家の熊野御幸(ごこう):神坂次郎著 角川ソフィア文庫

参考9:熊野まんだら街道:神坂次郎著 新潮文庫



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