貴船神社・奥宮(京都市左京区)を掲載しました。
当社は本宮、中宮、奥宮と三社からなり、通常は本宮、中宮、奥宮と巡拝しますが、当社は中宮を別名「結社」と称し、本宮、奥宮と巡り、最後の結びとして中宮に参拝するのが習わしとなっています。
貴船神社(きふねじんじゃ)・奥宮
【鎮座地】〒601-1112 京都府京都市左京区鞍馬貴船町180 旧山城国 愛宕郡
【御祭神】高龗神
【例祭】
【旧社格等】官幣中社(現別表神社)
二十二社
式内社 山城國愛宕郡 貴布祢神社 名神大 月次新嘗
【御由緒】
貴船神社奥宮
当地は、貴船神社が当初創建されたところで、当社の祭神も本宮と同様、雨や水をつかさどる神「高龗神(たかおかみのかみ)」である。
社伝によれば、「反正天皇の時代(五世紀初め頃)に、玉依姫命(神武天皇の母)が黄船に乗って浪速(大阪)から淀川、鴨川、貴船川をさかのぼって当地に上陸し、そこに祠を営んで水神を祀ったのが当宮の起こりである」とのことで、地名及び社名の起源をこの「黄船」にもとめる説もある。
境内の本殿横には、この伝説にまつわる「船形石」があり、これを積み囲んだ小石を持ち帰ると航海安全に御利益があるとされた。
また、本殿下には巨大な龍穴があり、文久年間(一八六一~一八六三)の本殿修理の際、大工があやまってノミをこの中へ落としたところ、一天にわかにかき曇り、突風が起こり、ノミを空中へ吹き上げたという。
この他、宇治の橋姫伝説や和泉式部の恋願成就など、当社にまつわる逸話は数多い。
なお、当社境内周辺には昭和六十年(一九八五)六月に京都市指定天然記念物に指定されたカツラをはじめ、高木が多く見られ、自然遺産の宝庫でもある。
京都市
(社前案内板より)
参道の鳥居本宮から貴船川沿いの参道を300mほど上流に進むと、かつて禊の川とされていた「思ひ川」に架かる朱の欄干の橋の手前に鳥居です。
思ひ川
夫・橘道貞の愛を取り戻そうと思い悩んでいた和泉式部は、貴布禰詣でを思い立ちました。当時は奥宮が本社で、参拝者はこの谷川で手を洗い、口をすすぎ、身を清めてから参拝しました。
この谷川は禊(みそぎ)の川、物忌(ものいみ)の川だったのです。和泉式部もここで身を清めて恋の成就を祈ったのでしょう。
禊の川だった「おものいみ川」が、和泉式部の恋の話と重なり、いつの頃からか「思ひ川」と呼ばれるようになりました。
遅桜なほもたづねて奥の宮
思ひ川渡ればまたも花の雨
虚子
(現地案内板より)
つつみケ岩鳥居をくぐりしばらく進むと参道左にあります。
貴船名石のひとつです。側の案内には、「高さ4.50m、胴廻り9m、重さ43トン(12,000貫)以上」とあります。
参道から神門杉の巨木の並木参道に続いて、あざやかな新緑の向こうに朱の神門が見えてきます。
神門から境内柿(こけら) 葺き、朱の鮮やかな神門を入ると本宮に比べ割と広い平坦な境内です。当地は貴船神社が当初創建されたところで、天喜3年(1055)下流の本宮の現在地に遷座され、奥宮とされました。
参道から舞殿広い境内の奥にわりと新しい舞殿、その奥瑞垣の中に本殿です。左には境内社です。
本殿
創建は反正天皇の頃(5世紀初め)、玉依姫命が、黄船に乗って、浪速(大阪)から淀川・賀茂川・貴船川をさかのぼり当地に上陸し、水神を祭ったのが当社の起こりと伝えられています。
御祭神は本宮と同様、雨や水をつかさどる神「高龗神」、通常見られる拝殿は無く、垣の外から参拝します。
権地から本殿本殿の右に本殿の改築などの際、仮殿の用地となる権地が隣接しています。
舞殿から神門
境内末社・吸葛社境内左、船形石の手前にあります。
御祭神は大国主命の御子、味耜高彦根命(古伝に百大夫)、鴨大明神とも称し日本二雨の神とされています。
境内末社・鈴市社舞殿左にあります。
御祭神は第一代神武天皇の皇后、姫踏鞴五十鈴姫命、事代主命の御女、母君は玉櫛姫命です。
船形石本殿左(西側)にあります。
玉依姫御料の黄船を、人目を忌みて小石で覆ったと伝えられている、船形の石積みです。
境内末社・日吉社神門を入って直ぐ左にあります。
御祭神は山の神として貴船山の守護神、大物主命(古伝に大山咋神)です。背後に御神木の連理の杉が聳えています。
連理の杉(御神木)
貞明皇后御参拝の折(大正十三年)賞賛された連理の杉。連理とは、別々の木が重なって一つになる意で、夫婦、男女の仲睦まじいことをいう。この神木は杉と楓が和合したもので、ひじょうに珍しい。
(現地案内板より)
相生の杉(御神木)中宮と参道の鳥居のある思ひ川の途中の参道そばにあります。
案内板に「同じ根から生えた二本の杉。樹齢千年、相生は「相老」に通じ、夫婦共に長生きの意味。」とあります。"
境内末社・私市社、林田社相生の杉の奥、朱の垣の中にあります。
左、林田社(御祭神・少名彦命)右、私市社(御祭神・大國主命)です。林田社・私市社を併せ称して「二つ社」といい貴船明神の荒御魂が祀られています。
当社は本宮、中宮、奥宮と三社からなり、通常は本宮、中宮、奥宮と巡拝しますが、当社は中宮を別名「結社」と称し、本宮、奥宮と巡り、最後の結びとして中宮に参拝するのが習わしとなっています。
貴船神社(きふねじんじゃ)・奥宮
【鎮座地】〒601-1112 京都府京都市左京区鞍馬貴船町180 旧山城国 愛宕郡
【御祭神】高龗神
【例祭】
【旧社格等】官幣中社(現別表神社)
二十二社
式内社 山城國愛宕郡 貴布祢神社 名神大 月次新嘗
【御由緒】
貴船神社奥宮
当地は、貴船神社が当初創建されたところで、当社の祭神も本宮と同様、雨や水をつかさどる神「高龗神(たかおかみのかみ)」である。
社伝によれば、「反正天皇の時代(五世紀初め頃)に、玉依姫命(神武天皇の母)が黄船に乗って浪速(大阪)から淀川、鴨川、貴船川をさかのぼって当地に上陸し、そこに祠を営んで水神を祀ったのが当宮の起こりである」とのことで、地名及び社名の起源をこの「黄船」にもとめる説もある。
境内の本殿横には、この伝説にまつわる「船形石」があり、これを積み囲んだ小石を持ち帰ると航海安全に御利益があるとされた。
また、本殿下には巨大な龍穴があり、文久年間(一八六一~一八六三)の本殿修理の際、大工があやまってノミをこの中へ落としたところ、一天にわかにかき曇り、突風が起こり、ノミを空中へ吹き上げたという。
この他、宇治の橋姫伝説や和泉式部の恋願成就など、当社にまつわる逸話は数多い。
なお、当社境内周辺には昭和六十年(一九八五)六月に京都市指定天然記念物に指定されたカツラをはじめ、高木が多く見られ、自然遺産の宝庫でもある。
京都市
(社前案内板より)
参道の鳥居本宮から貴船川沿いの参道を300mほど上流に進むと、かつて禊の川とされていた「思ひ川」に架かる朱の欄干の橋の手前に鳥居です。
思ひ川
夫・橘道貞の愛を取り戻そうと思い悩んでいた和泉式部は、貴布禰詣でを思い立ちました。当時は奥宮が本社で、参拝者はこの谷川で手を洗い、口をすすぎ、身を清めてから参拝しました。
この谷川は禊(みそぎ)の川、物忌(ものいみ)の川だったのです。和泉式部もここで身を清めて恋の成就を祈ったのでしょう。
禊の川だった「おものいみ川」が、和泉式部の恋の話と重なり、いつの頃からか「思ひ川」と呼ばれるようになりました。
遅桜なほもたづねて奥の宮
思ひ川渡ればまたも花の雨
虚子
(現地案内板より)
つつみケ岩鳥居をくぐりしばらく進むと参道左にあります。
貴船名石のひとつです。側の案内には、「高さ4.50m、胴廻り9m、重さ43トン(12,000貫)以上」とあります。
参道から神門杉の巨木の並木参道に続いて、あざやかな新緑の向こうに朱の神門が見えてきます。
神門から境内柿(こけら) 葺き、朱の鮮やかな神門を入ると本宮に比べ割と広い平坦な境内です。当地は貴船神社が当初創建されたところで、天喜3年(1055)下流の本宮の現在地に遷座され、奥宮とされました。
参道から舞殿広い境内の奥にわりと新しい舞殿、その奥瑞垣の中に本殿です。左には境内社です。
本殿
創建は反正天皇の頃(5世紀初め)、玉依姫命が、黄船に乗って、浪速(大阪)から淀川・賀茂川・貴船川をさかのぼり当地に上陸し、水神を祭ったのが当社の起こりと伝えられています。
御祭神は本宮と同様、雨や水をつかさどる神「高龗神」、通常見られる拝殿は無く、垣の外から参拝します。
権地から本殿本殿の右に本殿の改築などの際、仮殿の用地となる権地が隣接しています。
舞殿から神門
境内末社・吸葛社境内左、船形石の手前にあります。
御祭神は大国主命の御子、味耜高彦根命(古伝に百大夫)、鴨大明神とも称し日本二雨の神とされています。
境内末社・鈴市社舞殿左にあります。
御祭神は第一代神武天皇の皇后、姫踏鞴五十鈴姫命、事代主命の御女、母君は玉櫛姫命です。
船形石本殿左(西側)にあります。
玉依姫御料の黄船を、人目を忌みて小石で覆ったと伝えられている、船形の石積みです。
境内末社・日吉社神門を入って直ぐ左にあります。
御祭神は山の神として貴船山の守護神、大物主命(古伝に大山咋神)です。背後に御神木の連理の杉が聳えています。
連理の杉(御神木)
貞明皇后御参拝の折(大正十三年)賞賛された連理の杉。連理とは、別々の木が重なって一つになる意で、夫婦、男女の仲睦まじいことをいう。この神木は杉と楓が和合したもので、ひじょうに珍しい。
(現地案内板より)
相生の杉(御神木)中宮と参道の鳥居のある思ひ川の途中の参道そばにあります。
案内板に「同じ根から生えた二本の杉。樹齢千年、相生は「相老」に通じ、夫婦共に長生きの意味。」とあります。"
境内末社・私市社、林田社相生の杉の奥、朱の垣の中にあります。
左、林田社(御祭神・少名彦命)右、私市社(御祭神・大國主命)です。林田社・私市社を併せ称して「二つ社」といい貴船明神の荒御魂が祀られています。
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