ふらふら日記

物足りない日常にふらふら、怪しい読書にふらふら、激しい映画にふらふら、美味いメシにふらふら、そんな感じの自己満足日記。

映画覚書2010 #48

2010年06月29日 17時12分00秒 | 映画めらめら

『孤高のメス』 2010年 日本
監督 成島出
出演 堤真一 夏川結衣 余貴美子
めらめら度★★★☆☆ 映画館 T33H15

ガチガチな社会派医療ドラマなのかと思っていたけど、割とあっさりとした映画だった。押し付けがましいメッセージではなく、孤高の外科医の姿を通して地域医療に鋭いメスを入れた良作。無口だけど強い信念を持った外科医を堤真一さんが抑えた演技で好演。この映画の醍醐味は手術シーンに尽きる。手術シーンのリアリティーは、医療ドキュメンタリーを観ているような臨場感があった。

腹を切って内臓があらわになったグロ映像なのに、まるで美しい職人技を観ている様だった。器械出しのオペナースからメスやハサミを受けるとる際の手の動き、糸を結ぶ指捌き、臓器を慎重に取り出す緊張感…。外科医ってのは、頭が良くて、手先が器用で、精神力が強くて、それこそ神に近い人間だよ。その上、汚れ無き信念を持った誠実な人物だなんて、ある意味、神を超えているね(笑)。

手術シーンは一級品だったけど、それ以外のシーンは、いかにも日本映画な臭くてベタベタな演出が目に付いて興醒めしてしまった。悲しいシーンに雨を降らせるってのは決まりなのかよ。壁に影が映っているし、薄っすら虹が出ているし、晴れた日の嘘雨ってバレバレじゃん…。いかにもエキストラなオバさんが、わざとらしくフレームアウトするし…。そこそこ面白かったけど、感動は出来なかったな。
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