以前お世話した車両です。
「オイルが漏ってるらしいので見て欲しい」と聞いていたのです。「これでエンジンかけたら壊れちゃいますよね?」なんておっかなびっくりで話す若い女の子ということなので「初々しいなぁ、大事にしてくれてるんだろうなぁ」と嬉しくなって二つ返事で引き受けました。自分でやったというオイル交換、多分入れすぎてフローしちゃったんでしょう。
その日、車両をとりに行ってくれた友人がエンジン掛けてみると白煙を吹くということ。ますますピンゴだろうと思うも、友人の「怖くなって直ぐエンジン止めました」というセリフにこっちがびっくりです。けっしてバイクに疎くない人物なんですから。そんなにヤバイの?
家に来たのは日も暮れた午後八時過ぎ。流石に近所迷惑なんでもうエンジン掛けられません。取り敢えず軽トラの荷台から下ろしましたら荷台にはオイルと思しき液体が点々と。で、車両を下ろした地面にも見る見る液体の跡が拡がって・・・って、これはガソリンじゃないか?
慌ててフューエルコックを見るとプライマリーの位置。取り敢えずオンの位置にして、先ずはオイルの確認をします。そしたら口切り一杯まで並々と入ったオイル・・・って、やたらシャバシャバしてます。というか、鼻を突くこの臭いは疑うまでもなくガソリンです。バットを用意してドレンから抜いてみると、完全に無色透明の液体が出てきました。オイルは何処に行ったの?
冷静になれば分かりそうなもんですが、チョイノリを解ってつき合っていればあり得ない事象に、判断が鈍るもんですね。「フィラーキャップからガソリン入れたんじゃないか?」とか「誰かに悪戯で水でも入れられたんじゃないか」と思ってしまいました。300ccも在ったオイルがガソリンによって見事に中和されちゃうなんて思いもしません。いやしかし、恐るべきはガソリンなんですね。
夜中でエンジンはかけられない上にガソリンも揮発させたいので一晩寝て待ち、翌朝オイルを入れてエンジン始動! 一応掛かりましたけれど辺り一面白煙に包まれましたキャー! 逃げるように出発して 走り出した事に先ずは安心したんですが、程なくしてエンジンストール。ガス欠です。リザーブに切り替えて無事帰宅、白煙も収まりました。
それにしても車両の汚れと各部の錆が痛々しいです。この車両、私が走行距離120kmで手に入れた時はピカピカで、オレンジチョイとどっちを我が物にしようか悩んだもんでした。今になってみれば我がクラブマンと共に見初めてやってきたチョイノリでもありましたし。殆ど手の掛からないメンテの後 早速売れて、でも乗る機会が少なかったのか一年で出戻り。放置車両故キャブレターの調子が悪かったり各部の錆やヤレが発生してましたが懸命のメンテでリフレッシュしたところ、やはり縁があって再婚したのでした。
走行距離は600kmとなってるので100km/月=5km/dayといったところでしょうか? 使い方としては理想のオーナーに巡り会ったと思われます。
だけどやっぱり乗りっぱなしなんですよね。耐熱塗装を施したマフラーは無惨に錆び、チェーンも錆び、各部のネジもミラーのステイもキャブレターのネジまで錆びてます。まあ通勤通学に使えば雨降りの中走っても駐車場で帰りまで放置ですしある程度は仕方がないでしょうけど日常メンテが不十分過ぎます。
兎に角最低限のメンテナンスは施行したいということで、チェーンクリーナー&チェーンルブ・伸びた分張り・ワイヤーやレバー 煽動部へ注油・ガソリンが含有しているであろう今朝入れたオイルは惜しげもなく廃棄して再びオイル注入。開けてみるとドロッと油が溜まってたオイルフィルターケースはフィルター共々洗浄。特にフィルターはガソリンも回っていた為か周囲が崩壊し始めてました。当然燃調が狂ってるので調整、キャブレターのガスケットはしっかりしててここからの漏れは無さそうです。ジェット類も詰まりはありません。エンジンが静かになって、アイドリングもグッと安定した印象です。で、ステップボードや外装をキレイに、キャブレターやエンジン周りも油とガソリンでコテコテだったのでパーツクリーナーで洗浄。油っ気が無さ過ぎるのでシリコングリスを吹きました。
テスト走行してみると良い感じです。走ってて楽しいチョイノリならではのトコトコする走行フィールが復活しました。チョイノリのエンジンは一度ヤレちゃったらなかなか復活が望めませんからねぇ。自分の愛車は大事にしよっと。
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