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クロノ太陽・・・13

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健一「柳川少佐、もう少し彼女気持ち考えて言えないの?」
柳川「何か、問題でも?」キョトンとした柳川を尻目に健一は芙美のもとへ、それを追うように柳川も向かった。
 芙美は体を震わせながら台所で泣いていた。健一が声をかけると黙ったまま頷き、健一に向かって
「大丈夫だから!」と言って外へ飛び出した。
「柳川さん、芙美ちゃんを追って、」
「わかった。」柳川は芙美を追って外へと駆けて行った。
一時間ほどで二人は帰ってきた。もう日が暮れて空から白いものがチラホラ降ってきていた。
「二人とも食事の準備が出来たから食べなさい。」
食事のあと、柳川は熊本の士官学校へ帰っていった。
 この日から、柳川は頻繁に小椋家へ電話をかけてくるようになった。どうやら、柳川が芙美に気があるように思へてきたのは淳之介に限らず小椋家全員が感じ始めていた。
 そういえば、中村少尉はどうしたのだろう。ふと、健一は彼の事が気になった。
 「柳川さんが今度、来たときに聞いてみよう。」
 そうして、2ヶ月が過ぎ4月とは思えないほどの暖かな日
健一はいつものように空手の稽古を終えて帰る途中、不思議な風体の男に出会った。その男は着物に袴姿で大きなリュックを背負い太い竹の杖を突いていた。
 「おい小僧、この近くに柿杉という空手家の家を知らんか?」という問いに健一は戸惑いながら答えた。
「この道を5分程歩けば、荒れ寺のような家がありますから、すぐに分かります。」 
「わかった。有難うよ。」といってその男は歩き出した。
健一は男を見送るような感じで空に目をやると夕焼けの中にキラリと光るものが見えた。
「飛行機?」とその機影は徐々に近づき、轟音を立てながら
はっきりとしてきた。と同時にその飛行機にビックリした。
「あれはアメリカのグラマン戦闘機じゃないか!」
日本本土を攻撃するのはまだ先の話だと健一は認識していたからだ。
 だが、その戦闘機は健一に気づいたらしく猛然と機銃掃射してきた。ダダダダ・・・・・、その音に驚く暇もなく健一はその場から駆け出し必死に田んぼのあぜ道に逃げた。
 「うぁ!殺される!」大声で叫びながら、田んぼの中へ普段の空手の稽古で鍛えられたその足は戦闘機の攻撃を何とかわしたが限度が近づいていた、そのとき、健一の姿は田園風景の中から忽然と消えた。
 戦闘機も健一の姿を見失い機銃掃射をやめて周辺を旋回していた。辺りは機銃掃射で蓮華畑が粉々になっていた。
 「ぎゃ~、何だここは!」健一は真っ暗な闇の中で、異臭に気がついた。頭の上には薄明るい空に星が光っていた。
健一は田んぼの中にある肥溜めに落ち命を救われたのだ。
肥溜めから恐る恐る顔を出した。そこで、また有得ない光景を目の当りにすることになった。
 それは、先ほどの着物に袴姿の男に戦闘機が機銃掃射をしているのだが、その身のこなしでかわしていたが、小高い丘に追い詰められていた。戦闘機は真っ向から勝負挑むかの如く、銃撃してきた。男は荷を素早く降ろすと、杖を割り中から刀を取り出し構えた。


続く・・・・・

短編エッセイ書庫、先回まで次男のホスト体験日記を掲載してきましたが今回短編小説を連載します。 これは後輩が目標を失い、うつ病になった時に好きなことをやるようにアドバイスした時書くことが好きと言うことで頑張って書いてくれた作品です。

処女作で手直し前ですので完成度は期待しないでください。それなりに面白い作品です。
あらすじは、現代にて仕事中気を失い目覚めると太平洋戦争中長崎のある町の雷を打たれた少年に
入れ代わり長崎原爆(戦争)を止めようと努力するも時間は着々と進んで行く・・・・・そんな作品です。


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