糖尿病にはカイコが効く?

血糖値が高めの私がカイコのサプリを飲んだところ、ビックリするような効果がありました。私の体験や調べたことを伝えます。

蚕(カイコ)に含まれるイミノシュガー

2025-02-06 09:51:39 | 蚕粉末がなぜ糖尿病に効くのか?
蚕の餌として栽培されてきた桑の葉に含まれるイミノシュガーは、食事の糖の吸収を抑え、食後の血糖値の上昇を抑制する機能が報告されています。
イミノシュガーとは
・糖の類似体で、ピラノース環やフラノース環中の酸素が窒素に置換された構造をしている
・桑の葉には10種類程度のイミノシュガーが含まれている
・血糖値上昇抑制効果をもつ主要なイミノシュガーはDNJ(1-デオキシノジリマイシン)、Gal-DNJとFagomineの3成分である

桑の葉の健康効果
・糖尿病の予防効果のほかにも、高血圧抑制、血中脂質抑制、便通改善などの効果が知られている
・亜鉛、カルシウムなどのミネラルに富み、食物繊維が多い

「イミノシュガー」は数種類に分類され、その中の1つ「デオキシノジリマイシン」という成分が、小腸にあるグルコシダーゼ(消化酵素)の働きを阻害する事が確認されております。
また、「ガラクトピラノシルデオキシノジリマイシン」と「ファミゴン」という成分も、長時間にわたり腸管内でグルコシダーゼの働きを阻害し続けてくれるとも言われています。

グルコシダーゼの働きが妨げられると、小腸内では多糖類(いくつかの単糖がつながった糖類)や二糖類(ブドウ糖と果糖がくっついたもの)を、最も小さい単位の単糖類(ブドウ糖、果糖)へと分解する作業がうまくいきません。
小腸が吸収できる糖類の最小単位は、単糖であるブドウ糖(グルコース)や果糖(フルクトース)であるため、単糖に分解されないと、小腸は糖分を吸収出来ません。
小腸からブドウ糖の吸収が抑制されるという事は、血糖値の上昇を抑える結果に繋がります。

さらに、桑の葉に含まれる「デオキシノジリマイシン」は、筋肉(骨格筋)がブドウ糖を吸収する作用を促進します。これにより、食後の血糖値の急上昇を抑制する効果があります。
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蚕の機能性について

2025-01-30 10:03:51 | 蚕粉末がなぜ糖尿病に効くのか?
蚕(カイコ)は伝統的な絹の生産以外にも、機能性成分や新素材としての価値が注目されています。以下は蚕の機能性に関するポイントです。

食品・健康分野での機能性
高タンパク質含有

蚕の粉末(蚕パウダー)は良質なタンパク源として注目されています。動物性タンパク質に匹敵するアミノ酸バランスを持ち、ヴィーガンや健康志向の人々にも適した代替タンパク源です。
機能性成分(セリシン)

繭の主要成分であるセリシンは、抗酸化作用、保湿効果、抗炎症作用などが報告されています。化粧品やサプリメントの素材としても利用されています。
血糖値ケアへの期待

ボスリンをはじめとする蚕由来の健康食品は、糖質代謝をサポートする効果が期待されるとして注目されています。薬事法に抵触しない表現では「糖質コントロール」や「食後の健康サポート」といった表現が適しています。
医療・バイオ分野での機能性
遺伝子組換えカイコ

カイコを用いたバイオ医薬品生産が進んでおり、インスリンやワクチン成分を生産する研究が進展しています。
シルクを利用した再生医療素材

シルクフィブロインは生体適合性が高く、創傷治療用の素材や再生医療の足場材料として利用されています。
環境・持続可能性
エコなタンパク源

養蚕は牛や豚と比較して温室効果ガスの排出量が少なく、持続可能なタンパク源として注目されています。
繭由来バイオプラスチック

シルクから作られたバイオプラスチックは生分解性があり、環境に優しい新素材として研究が進んでいます。
蚕は食品、医療、環境保全など幅広い分野でその機能性が評価されつつあり、今後さらなる応用が期待されています。
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蚕を使った天然抗生物質

2025-01-07 16:23:25 | 蚕粉末がなぜ糖尿病に効くのか?
蚕(カイコ)の多目的利用に関する研究においては、世界のトップレベルにある韓国で2013年に、蚕を使った家畜用の天然抗生剤が開発されました。

 近年、ニワトリや豚、牛など家畜への抗生剤使用が多くの国で規制されていて、規制の対象はこれからもどんどん拡大されていくものと予想されています。

そんな中、韓国の政府機関である農村振興庁は、蚕を利用して、家畜の免疫力と生産性を向上させられる飼料添加用の天然抗生剤を開発しました。

 蚕の体内に病原菌が侵入すると、強力な抗生物質である抗菌ペプチドを大量につくり病原菌から身体を防御します。この原理を利用して、ニワトリの免疫力と生産性を向上させることができる飼料添加用の天然抗生剤が開発されました。

 現在では体内に天然抗生物質を持つ蚕の大量生産に成功し、安価な飼料添加剤(粉末)として養鶏農家に供給できるようになりました。

 厳密にいえばこれは抗生剤ではなく、抗生剤の代替物と呼べる物質です。

 蚕から作られたこの飼料添加物を、既存のニワトリ飼料に0.01%だけ添加し5週間後に比較検討したところ、添加剤を与えたグループでは、体重は3.7%増加しました。これはニワトリに与える飼料を4.5%節約できることになります。

 免疫力がどれくらいアップしたかを検証したところ、ニワトリの盲腸内に存在する大腸菌は4.3%減少、生卵の摂取で問題となるサルモネラ菌は9.8%も減少しました。

 またニワトリのストレス度合いを測る指標ホルモンのひとつ、コルチゾールの血中濃度は37.2%も減少しました。

 蚕の多目的利用はまだまだ広がっていきそうですね。
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「カイコ」の血糖調節機能性物質が明らかになった

2024-08-21 09:58:13 | 蚕粉末がなぜ糖尿病に効くのか?
東亜日報

2022年1月25日

パク・ユンジョン記者

糖尿病は最も一般的で危険な病気です。

初期症状を含め、成人5人のうち1人が患っている糖尿病は性機能低下、急・慢性感染症、心血管系疾患、脳神経系疾患などを引き起こします。

糖尿病は状態が悪化するまで特別な症状が現れず、治癒が困難なため、普段からの健康管理が大事です。

糖尿病患者10人のうち7人は血糖コントロールがうまく行っていない言われています。

韓国最大のカイコ専門機関である社団法人大韓蚕糸会は、体系的な試験を通じてカイコ体内の血糖調節成分であるデオキシノジリマイシン(DNJ)を発見しました。

ヒト臨床試験の結果、カイコ粉末のみ4週間摂取した糖尿群の空腹血糖と食後血糖がそれぞれ8.8%、17.9%減少しました。

糖尿薬とカイコ粉末を一緒に摂取した実験群の食後血糖も、平均256mg/dlから糖尿病診断基準より低い192mg/dlまで低下し、カイコ粉末を摂取すれば正常レベルで血糖調節が可能であることが分かりました。このヒト臨床試験データに基づいて、「凍結乾燥カイコ粉末」は韓国政府の「食品医薬品安全省」から「血糖調節に役立つ」という機能性を認められ、血糖調節に対する特許も受けました。

血糖値が高いと脳神経系疾患のリスクが大きくなりますが、カイコ粉末を使った動物実験の結果、ドーパミン分泌細胞の消失がほとんどなく、パーキンソン病を抑制するという事実を確認しました。これだけでなく、カイコ粉末を蒸したうえで加工した紅蚕(ホンジャム)を摂取したラットは脳に認知症タンパク質であるベータ-アミロイドも蓄積しませんでした。

40歳以上の成人26万人を対象とした調査で、空腹時血糖が高まった人々の脳卒中リスクが約20%も上昇したという研究結果に私たちは注目する必要があります。

カイコ粉末製品は、カイコの成長生育時期が重要な品質基準となります。

体の中で絹糸腺が急速に発達し始める直前の時期である5齢3日のカイコには、DNJが最も豊富に含まれます。

熱風で乾燥したカイコ粉末は機能性成分や色、味が変質してしまうので、血糖調節を目的とするのであれば必ず凍結乾燥カイコ粉末であることを確認しなければなりません。

カイコ研究100年の大韓蚕糸会が提供する原料だけで製造した血糖調節用健康機能食品「ボンビックス」が市場に出てきます。

「ボンビックス」は食薬省から「血糖調節」の効果を認められた「国内初」の凍結乾燥カイコ製品です。

国内産の5齢3日カイコの栄養をそのまま盛り込んで、食後血糖と空腹時血糖の上昇が心配される人にお勧めです。

またカイコ粉末は、体内の代謝活動とエネルギーが必要な中長年男性に必須の健康機能食品でもあります。

「ボンビックス」はカイコの機能性を立証した政府機関(農村振興庁)の技術力と、大韓蚕糸会の認証した原料によって信頼を倍増させた製品になったと言えるでしょう。
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DNJで血糖を調節してくれる蚕(かいこ)の粉末

2024-08-07 14:40:26 | 蚕粉末がなぜ糖尿病に効くのか?
<漢方薬材料の話>

ソウル市で医院(キョンヒバルン韓医院)を経営する院長のブログ「韓医秘伝」の記事から

2024年1月24日

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今日は蚕の粉末について解説します。

東医宝鑑の記録を見ると、白彊病にかかって死んだ白彊蚕(びゃっきょうさん)、蚕の蛹である蚕蛹子(さんようし)、蚕の糞である蚕沙(さんさ)、蚕の成虫である原蚕蛾(げんさんが)などが薬材として登場しますが、蚕の幼虫の薬効に関する記述はありません。

現代になってようやくその血糖降下効果が研究され、本格的に健康食品として流通し始めました。

漢方医学では糖尿病の事を消渇(しょうかち)と呼びます。

世宗大王がり患した疾患として知られていますね。消渇とは糖尿病がかなり進行してインシュリンの分泌がかなり低下した状態と解釈されます。心配や不安を表す「消」と喉の渇きを表す「渇」という字を組み合わせた病名です。空腹感を感じるのでよく食べ、よく飲むのですが体重は増えず、逆に痩せていくことが多くみられました。

吸収したブドウ糖をインシュリンを使って処理しなければならないのに、インシュリンの量が全く足りていない状況です。

血中のブドウ糖が異常に高いのでそれを体外に排出しようとして小便が多くなります。小便の排出が多いので喉が渇いて水をガブガブ飲みます。

このような消渇の症状に活用された蚕関連の記録は以下のようになっています。

〇操糸湯(そうしとう)

蚕の繭(まゆ)から糸を繰り出すにはまずお湯で茹でなければなりません。繭を湯掻いた後の水を操糸湯と呼びます。

東医宝鑑の記述によれば、

1.操糸湯は体内の回虫を無くす。

2.消渇症による喉の渇きに飲用する。

ほかの文献でも大体が同じような記述で、消渇を治療するために蚕の繭(まゆ)や蛹(さなぎ)を茹でた水などを利用していました。繭を作る前の段階である幼虫を治療に利用した記録は探せません。その理由は、シルクは当時もかなり高価な衣料素材だったので、繭(絹糸の塊)を作った後に活用したのではないかと推測できます。

蚕が糖尿病に聞く理由は何でしょうか?

現代の研究によれば蚕の血糖降下効果は1-Deoxynojirimycin(デオキシノジィマイシン、以下DNJ)由来です。

DNJはa-glycosidase阻害剤です。二糖類がブドウ糖や果糖に分解されるのを妨害します。すなわちご飯・麺類などの炭水化物を食べても、ブドウ糖や果糖に分解されなければ身体に吸収することができないのです。

DNJの血糖調節メカニズムとは?

DNJは桑だけに含まれている固有の成分です。(将来ほかの植物でも見つかるかも知れませんが現在発見されているのは桑だけです。

漢方の分野では、桑の葉は「桑葉(そうよう)」、桑の木の若い枝は「桑枝(そうじ)」と呼ばれています。

東医宝鑑には桑枝の効用について下のように記されています。

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桑の若い枝を煮詰めてつくる「桑枝茶」

桑枝茶は体内の余分な水分を排出し体重を減らす。太った人は長期間飲用するのがよい。

桑枝茶は消渇による喉の渇きを治療するので日常的にお茶として飲用すればよい。

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このような効用のある桑の葉だけを主食にして育つのが蚕(カイコ)なのです。

蚕は幼虫期の全期間、この桑の葉だけを食して育ちます。なので自然と体内にDNJが蓄えられます。

蚕の体内には桑の葉よりも2~3倍多くDNJが含まれます。

*出典は農村振興庁の資料

蚕粉末の糖尿病対する効果はここに根拠があります。

桑の葉を最も多量に摂取した後の五齢三日目の蚕を薬材として使用するそうです。

蚕粉末と桑の葉など、どちらが優れているでしょうか?

桑の葉でもDNJは摂取できるので、血糖降下作用を期待して摂取するのは悪くない選択です。昆虫である蚕の粉末を摂取するよりは心理的な拒否感も低いでしょう。

しかし、蚕のDNJは桑の葉のそれと違って、蚕がすでに桑の葉を消化して、人が摂取しても容易に体内で利用できる状態にしてくれているということです。

桑の葉をいくら煮詰めても、桑の葉に含まれるDNJをすべて絞り出すことはできません。

理論上は桑の葉に比べて2~3倍のDNJですが、実際人体に取り込まれるDNJの量は、桑の葉より10倍以上に達すると見られています。

また、DNJは熱に弱くて加熱すると壊れてしまうので、お茶などでは合理的にDNJを摂取することができません。
蚕粉末は熱乾燥したものより冷凍乾燥したものが、より優れた効果を発揮するのもこのためです。
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