「新しい年は迎えられないな」
眼の前の医師にはっきり言われた余命宣告。
その事を告げられた時の気持ちと言ったら・・・
自分も同席していた家族も泣き崩れるかと思っていましたが。
へ?
こんな感じ。
これが既に自分が寝たきりだったり、点滴の管だらけだったりしたら、きっと自分の運命を受け入れたのかも知れません。
けれども、身体の右側が痺れているとは言え、この日も病院まで歩いて来たし、まだ日常生活にも不自由していないのです。
この人、何言ってるんだろ?
それがこの時の率直な感想でした。
あと3ヶ月もしたら自分はいなくなるんだと漠然と考えていましたが、それより遥かに短い2ヶ月弱の余命宣告です。
余命宣告なんてテレビドラマでしか観た事がありません。
もちろん実際に言われたのも初めてです。
こんな簡単に宣告されちゃうんだ・・・
言われた内容を受け止めようとしていた時。
S医師が言葉を発しました。
「どうする?」
「このまま諦めるか、それとも俺に任せるか」
命の危険が目の前に迫っている時に、まるで代わりに買い物に行って来てやる程度のノリです。
そんなもん選択の余地はありません。
「何とかなるなら是が非でもお願いしたいです」
そう伝えると、笑顔になったS医師。
「おぅ! 俺に任せろっ 絶対に助けてやる」
とても医師と患者の会話とは思えないやり取りです。
ところが後から判るのですが、このS医師。
日本でのガンマナイフ手術の第一人者であり、これまで救ってきた脳腫瘍患者は1万4千症例を超える名医中の名医なのでした。
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