前回、手術後の状態について、絶好調だったことを書きました。クリニックの改装に合わせて約1か月間、診療を休み、自宅療養したのですがほとんど自覚症状がなくなったため、ジッとしていることができませんでした。無理をしたつもりはないのですが、暇を持て余して日曜大工に励みました。作業中はもちろん、基本的に寝ているとき以外はコルセットを装着していました。
休診から1週間くらいしてからでしょうか、座っていることがつらくなってきました。いまだに何が起きたのかわからないのですが、15分くらい椅子に座っていると、殿筋群が異常に強く収縮してくるのです。立ち上がることでその感じは収まります。おかげで、歯科治療や散髪の際にも、15分毎に立ち上がらせてもらいました。幸い半月ほどで出現しなくなりました。患者の家族で、待合や診察室で、いつも「この方が楽なので」と言って、立っている人がいたことを思い出しました。この人は、詳細は窺ってませんが、片方の足を引きずっていました。若しかしたら、何か腰椎の病気を持っていたのかもしれないと、今になって考えます。
もう一つ、肛門挙筋(?)の痛みがありました。これは、実際に肛門挙筋の痛みであることは証明されているわけではありません。痛みを感じたところを手で探ったところ、場所的には肛門挙筋のあたりではないかと感じられたということ。歩行中などに、突然、「ズキン」という鋭く、短い痛みが肛門の左奥のあたりに出没するのです。小生、痔の痛みも経験がありますが、それとは異なります。瞬間的な痛みから、やはり神経源原性のものと考えますが、メカニズムは想像できません。1か月くらい続いた後、いつの間にか出現しなくなりました。
これらで何を言いたいかというと。脊椎関連の手術後、患者さんはいろいろな訴えをすることがあり、多くは説明がつかず、「精神的なもの」「気のせい」と済まされがちですが、自身の経験から、「痛い」とか「シビレル」とかいう場合、気のせいではなく、実際、痛かったり、しびれたりしている事があるということです。すべての例ではありませんが、手術する医師は患者の訴えは実存するのだという前提で話を聞いてあげて欲しいということです。ここでも書いたように、まったく理論的に説明が困難であっても、初めから「そんな筈はない」と思わずに診て欲しいということです。
患者になった、老医師からのアドバイス(お願い)です。