◆◆12/13&12/14記事◆◆
◆12/13(金) ガザ停戦、年内の合意に意欲 ハマスも譲歩か 交渉仲介の米高官(毎日新聞)
米・サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は12日、ネタニヤフ首相と会談。停戦交渉で、ネタニヤフ氏は合意の準備ができている、ハマスが青信号を出せば、すぐに取引を実行すると強調し、年内の合意成立に意欲を示した。
12日、ハマスが交渉で、軍の一時的な駐留を初めて認め譲歩した。60日間の停戦のほか、人質最大30人を解放などを検討。人質100人のうち約半分が生存している。サリバン氏は強硬だったハマスの交渉姿勢に変化がみられ、合意は実現しないかもしれないが、両者に政治的な意思があれば合意は可能だと信じているとする一方、ネタニヤフ氏が合意の成立の時期をトランプ政権が発足する来年1月20日まで遅らせるとの見方は否定した。トランプ氏は12日、中東の問題はロシアとウクライナよりも対処しやすい。建設的なことが起きていて、解決に向かっていると語った。
◆12/13(金) ガザ停戦、近く合意可能か ハマス交渉姿勢に変化=米大統領補佐官(ロイター)
中東を歴訪中の米国のサリバン大統領補佐官は12日、ガザの停戦と人質解放を巡る合意が近く得られる可能性があるとの見方を示した。
◆12/13(金) ハマス、停戦案で譲歩 イスラエル軍駐留認める 米報道(時事通信)
11日、エジプトが提案し、米国が支持する最新停戦案では、60日間の停戦と米国人を含む最大30人の人質解放、ガザへの人道支援が検討されている。ハマスは対エジプト境界地帯「フィラデルフィ回廊」とガザを南北に分断する「ネツァリム回廊」への一時的な駐留を認める考えに転じた。8日にはカイロで仲介国に対して米国人や女性、年配者などを含む人質の名簿を提出。停戦合意の場合、直後に解放される。条件の一環として釈放を求めるパレスチナ囚人の名簿も合わせて作成した。
◆12/12(木) 暫定政府と関係構築模索 国際社会、動向見定め シリア(時事通信)
国際社会との関係改善は新生シリアの行く末を左右するが、旧反体制派をテロ組織と見なす国もある。各国は関与の度合いを判断するため、新政府の動きを慎重に見定めるとみられる。暫定政府は「シリア国民は尊厳ある暮らしの権利がある」として、圧政を敷いたアサド独裁政権との違いを強調。HTS指導者ジャウラニ氏もイラン民兵とヒズボラ、政権が恐怖の源で、これらを除去することが解決策だ」と述べ、国際社会に根強い不安の払拭に心している。
前政権に冷淡だったカタールは11日、在シリア大使館の早期再開を発表。トルコも追随する方針だ。前政権と関係のあったアラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、エジプトなどもシリアで外交団の活動を再開。旧反体制派は12日、「シリアの主権や領土統一を尊重する全ての国と健全な関係構築を望んでいる」と呼び掛けた。
◆12/13(金) 米国務長官、イラク電撃訪問 シリア情勢巡り協議(ロイター)
◆12/13(金) シリア暫定政権、アサド政権下の憲法停止 専門家が3カ月間で改正案
(朝日新聞デジタル)
暫定政権は12日、旧政権下で制定された憲法と議会を当面停止するとした。暫定政権が任期とする来年3月までの3カ月を移行期間とし、専門家の憲法審査機関が改正案を作成する。「シリア国民に対して罪を犯した者は全て、法に従って裁かれる」とも強調。シリアにおける宗教的、文化的な多様性を尊重するとし、民主的な国家建設の方針を強調することで、広く国際社会の支援を得る狙い。
◆12/13(金) シリア政権崩壊、化学兵器全廃の好機 旧反体制派も協力意向(産経新聞)
アサド政権が崩壊直前、旧反体制派の進撃を止めるために化学兵器を使用しかねないとして、米政府が関連施設を監視していた。シリア解放機構」(HTS)を率いるジャウラニ氏は、化学兵器貯蔵の疑いがある場所の保全を国際組織と協力して進めていると述べた。
化学兵器禁止条約(1997年発効)は化学兵器の開発、生産、保有を禁じている。加盟国の申告を受けて化学兵器や生産施設を調査する「化学兵器禁止機関」(OPCW)も、政権崩壊後のシリアの情勢を注視している。
アサド政権は2011年に反体制派の弾圧に化学兵器を多用した。13年8月にはダマスカス近郊のグータ地区で子供数百人を含む民間人1400人以上が死亡し、サリンによる攻撃との見方が強まった。同年10月、アサド政権は同条約に加盟したが、OPCWと国連は政権の申告に基づきサリンやVXガス、マスタードガスなど千トン以上を廃棄したが、17年に北西部イドリブ近郊で約百人が死亡した際など、その後もしばしば化学兵器の使用疑惑がある。
◆12/13(金) 「狭いトイレに30人」 シリア軍の拘禁施設開放 収容者が拷問証言(毎日新聞)
ダマスカスで12日、政権批判をしたとして7カ月間拘束された活動家の男性とともに、拘禁施設の一つを訪ねた。 市内南部にあるシリア軍情報部の庁舎。1階にある暗い駐車場から地下に下りると、冷たい通路に重たい鉄の扉がいくつも並んでいた。
この施設では、収容者は下半身の下着1枚だけの姿で拘束されていた。部屋の一角に幅2メートル、奥行き3メートル程度のトイレがあり、普段はその中に30人あまりが押し込められていた。
収容者たちは満員電車のようにぎゅうぎゅう詰めの中で立ったまま眠るしかなかった。協力してわずかな隙間(すきま)を作り、時折、交代で横になったという。
夏はとにかく暑かった。だが、冬は人肌で暖かかった。
食事のときはトイレから出され、大部屋で食べることができた。だが、朝食と夕食はジャガイモ半分と卵やチーズなどのわずかなおかず、昼食はライスだけだった。
収容者はみんな痩せていき、7月には隣の房で病死した人もいた。このときは、遺体は3日間、放置されたままだった。
「取り調べのとき、政権批判を謝罪する文書に署名するよう何度も迫られ、目隠しをしたまま平手打ちされ、失禁した小便を飲むよう強要された。両足に電極をつけられて電気ショックを加えられたときは、「高いところから落とされたような感覚」を味わった。
常に「殺される」と感じていた。
◆12/13(金) 米大統領補佐官、シリアでのイスラエルの活動を擁護1(ロイター)
米・サリバン大統領補佐官は12日、イスラエルは安全保障に対するリスクから自国を守る権利があると述べ、アサド政権崩壊後のシリアにおけるイスラエルの活動を擁護した。ゴラン高原との境界線のシリア側にある緩衝地帯に軍隊を移動させ、シリア軍の武器や装備を破壊するために何百回もの空爆を行ってきた。フランスやアラブ首長国連邦(UAE)の国々はイスラエルの緩衝地帯への進出を非難している。
**************************************
◆12/14(土) ガザ学校2カ所攻撃9人死亡 イスラエル軍「ハマス指揮所」(共同通信 軍は14日、北部ガザ市の学校2カ所を攻撃し、計9人が死亡した。軍はハマスが「指揮所」として利用していたなどと主張した。死者が4万4930人になった。
◆12/14(土) シリアの空軍基地からロシア撤退? 軍事装備を輸送か ロイター報道(朝日新聞デジタル)
14日、シリア西部・ロシアのフメイミム空軍基地から、ロシアの輸送機がリビアに向けて出発した。数日内にさらなる出発が予想されるという。アサド政権崩壊後も、後ろ盾だったロシアが同基地を維持するか注目されている。2機の大型輸送機「アントノフ124」に装備品を積み込む準備をする様子を確認。攻撃ヘリ「Ka52」や地対空ミサイルシステムS400」の部品も輸送に向けた準備が進められていた。地中海沿岸にあるロシアのタルトス海軍基地は、ほとんど変化がない。
空軍基地の撤退には輸送機を数百回飛ばす必要があり、海軍も、トルコが地中海から黒海へのロシアの軍用艦の通過を認めていないため、ロシアまで遠回りの航路を通るなどの問題がある。 ロシアは基地存続を含めて新政権と交渉する考えを発信しているが、撤退完了までの時間稼ぎの可能性もある。
ロシアはシリアに二つの基地を持つ。2015年に49年間の租借で合意した。9日、ロシアのペスコフ大統領報道官は、反体制派と接触しつつ、基地の防衛態勢を強化していることを示唆した。
◆12/14(土) 「祖父はきっとどこかに」 暗黒の政治犯刑務所で続く捜索 シリア(毎日新聞)
ダマスカス郊外にあるサイドナヤ刑務所は、アサド政権下で「政治犯」など多くの人々が収容され、拷問や処刑が繰り返されていた。行方不明の親族を捜す人たちであふれ、捜索活動が続いている。
サイドナヤ刑務所は小高い丘の上にあり、周囲を高さ数メートルの壁と鉄条網で囲われ、
建物は3階建てで、窓はなく、三重の鍵が取り付けられた鉄の扉に雑居房を多数収める。
建物の入り口付近の地面に、無数の書類が散らばっていた。囚人の名前や罪状が書
かれた書類もあり、訪れた人たちが1枚ずつ拾って丹念に読んでいる。
「ここにいるはずの祖父を捜しに来た。情報は何もない」。家族とともに訪れていたヌール・アハマドさん(22)はこう訴えた。
反体制派は12月8日、ダマスカスを制圧し、サイドナヤ刑務所からは2万人以上が解放された。だが、祖父は帰ってこなかった。「祖父は忍耐強いから、この刑務所のどこかで生きていると信じている」
刑務所での捜索に関わった反体制派の救助団体「ホワイトヘルメッツ」は9日、救助活動を終えたと発表した。だが、多くの行方不明者が残っているため、刑務所内に秘密の「隠し部屋」があるとの見方が絶えない。
建物の1階で反体制派の戦闘員らがドリルで床に穴を開けていた。この場所に「毎日、食事が運ばれていた」という証言を得たため、地下トンネルが隠されていないか調べているのだ。
周囲では大勢の人が集まり、作業を見守っていた。「(刑務所職員らが)撤収する際にトンネルの入り口がふさがれたに違いない。早く見つけて助け出したい」と訴えた。
◆12/14(土) アサド氏、親族も知らず出国 「ロシア援軍来る」と軍欺く シリア(時事通信)
アサド氏は脱出直前の7日も国防省で軍関係者らと会合を開き、政権軍の地上部隊に抵抗を促し、旧反体制派が攻勢を始めた翌日にロシアを訪問。ロシアに軍事介入を要請したが、聞き入れられなかった。イランには支援を求めなかった。イランが介入すれば、イスラエルがシリアやイラン国内へ攻撃を強める口実になると懸念した。
戦況は不利と判断し、出国を決断し、アラブ首長国連邦(UAE)に受け入れを求めたが拒否され、ロシアから身の安全を保証され、シリア北西部にあるロシア空軍基地を経由しモスクワへ向かった。ロシアではアスマ夫人と子供たちが待機していたという。
アサド氏は軍高官を務めていた弟マーヘル氏や母方のいとこにも出国意思を伏せた。マーヘル氏はイラクへ逃れた後にロシア入り。いとこ2人は陸路レバノンへ脱出を試みたものの、旧反体制派戦闘員に襲われ、1人は殺害された。
◆12/14(土) 難民帰還、受け入れに懸念 内戦で荒廃、新政府に負担 シリア(時事通信)
国連によると、シリアでは人口の半数近い1300万人超が家を追われ、約620万人が国外へ逃れた。隣国トルコは、290万人超の最多のシリア難民を抱えている。シリアのバシル暫定首相も皆の助けが必要だ、自由になった国に戻ってほしい」と述べ、早期帰国を呼び掛けた。トルコからシリアへの帰還者の人数は政権崩壊後5倍に増え、国境の検問所には連日長い列ができ、2013年に閉鎖した別の検問所を開放した。
一方、欧州ではシリアからの難民申請・審査を停止する動きが広がり、英独伊が既に実施に踏み切った。外国人排斥を掲げる極右の台頭に直面する欧州各国が、現状を難民送還の好機と見なしている。シリア国外の避難先では援助が減っており、難民に帰国を促す圧力が強まっている。
受け入れ体制は貧弱だ。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、シリアでは人口の9割が人道支援に依存し、帰国時期を慎重に判断すべきだと指摘。