ガザで援助食料を運搬するトラックが強奪された。以前から、この国連の援助食糧トラックを襲撃する事件が何度も報道されていたが、今回の強盗事件は規模が大きい。
一体、だれが国連援助食糧をトラックごと強奪するのか。ニュースではギャング集団が指摘されている。イスラエルの攻撃で家族の命を、生活を守ることができず、人間としての誇りと尊厳を奪われた人たちがギャングに身を落としているのだろう。さらに、この強奪した援助食糧を、日本の戦後の闇市のように、スークに持ち込む悪徳商人がいる。弱みに付け込み、高額で売りつけ、肥え太っている悪徳商人だ。
国際的援助を受け取ることができないガザの大半の人々は、一日中、足を棒にしながら、スークで食べ物を探している。悪徳商人が、弱みに付け込み、法外な値段で売りつける。
それでも買えればいいのだが。友人の息子たちが、スークを歩き回って、ようやく手に入れたのはコメだ。食事はコメだけ。わずかに香辛料で色がついていた。肉も野菜もない。コメだけだ。
スークで、警察が悪徳商人を取り締まったと聞いたが、問題が解決するわけではない。問題の根っこはイスラエルだ。アメリカ・バイデン政権が騒いでみせれば、ネタニヤフは新しい検問所の開設や搬入トラックを新たに許可したなどという。
ニュースにあるように、新しいトラック経路をイスラエルが指示し、あたかも打ち合わせでもされたがごとく、109台のトラックが襲撃され、98台が奪われたという。また、検問を通過させたのに援助食糧がガザ側に放置されているとイスラエルは言う。
問題は安全が確保できないことだ。その安全を牛耳っているのがイスラエルだ。イスラエルの人々は、軍は人道的に措置しているのに、ガザの人たちや国連が「だらしがない」と納得するのだろう。
これにハマスも加わる。兵士たちに食料を、給料を配給するために、援助トラックを強奪すると聞く。飢餓に苦しむガザの人々に分けるのでないから、ハマスの大義も消える。
国際社会はアメリカでも、ヨーロッパでも、日本でもガザの飢餓の現実を見ようとしない。
止めきれない私たちも同罪と言われても返す言葉がない。
飢餓を止めるために、これ以上犠牲者が出ないように、何かを始めよう。今力になるのは、ガザの人たちに直接届くお金だと思う。そして一刻も早い停戦だ。