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バスはもう出てしまって、次のバスまで２０分はある。上戸彩似のマミちゃんと友達はなでしこのなかに入っていった。僕は他の女の子たちにこだいふくを渡しながら、男子高校生にも気を配った。僕が女の子は得していると思ったのは大学に入ってからだけど、恋愛をリードしているのは女の子だ。コバヤシ君と彼女もそうだし、ヨシユキさんもアネキにリードされている気がする。サトウさんもウチのお父さんもきっとそうだと思う。認めるか認めないかは年代によってちがうだろうけど。

お父さんがタバコをやめたのは五０歳になってからだった。禁煙ブームとお母さんに「やめなきゃリコン」と言われたせいだ。
お母さんはお父さんの健康を気遣ったんだろうけど、タバコをやめて１２キロも太ったお父さんを見て、お母さんはタバコをやめさせてよかったのか不安になっているみたいだ。

僕もウチの禁煙キャンペーンには大賛成だったほうだけど、臭いからイヤだと言ったのが本当だったのかわからない。サトウさんがタバコを吸うのはそんなにイヤじゃないし、タバコはお父さんのニオイだった気がする。
だから駅のそばのマックでタバコを吸っているお父さんを見てもお母さんにチクろうとは思わない。ただ僕は一生タバコは吸わないだろう。やめるのがつらそうだから。