あの人のこと。（朴正子）

私は、ある人と、海外旅行にいくことになった。
私は、赤のパスポートでいくことになった。

しかし、その人は、緑のパスポートだった。
初めて、日本人じゃないことと、民族名をしった。

隠していたわけじゃないけど、私は少しいやになった。
日本人であると思っていた人が、ほかの国の人。

顔を見ても、名前を聞いても、わからなかったが、初めて旅行の時知った。
たぶん、隠しとうすことはできないと、ひらきなおったのだ。

しかし、外人（在日）であることは、パスポートの色が、みどりでわかった。
私は、その人を、嫌いになった。

嘘をつかれていたことよりも、自分を信じてもらえない、もどかしさに。
信用されていないのなら、傷が浅いうちに、離れるべきであると感じた。

たぶん、自分をだますつもりなどなかったのだ。
たまたま、ばれてしまったのだ。

でも、私はその時から、人を信用しないようにした。
注意深く、用心して、つきあうようにした。

そして、嘘を見抜く力は、その時からついたような気がした。